#004 パラトライアスロン、どれくらいのタイムだと「速い」のか?
2022 World Triathlon Championship Abu Dhabi | PTS2 Men のリザルト
World Triathlon Championship Abu Dhabi | PTS2 Menのリザルトを見ていたら、このトップ選手達はそれぞれのパートをどのくらいの速さで走って(泳いで)いるのか気になってきたので、計算してみることにしました。
パラトライアスロンで走る(泳ぐ)距離
タイムを見る前に、パラトライアスロンではいったいどれくらいの距離を泳いで漕いで走るのでしょう?上の表を見てみると、
・Swim750m
・Bike20km
・Run5km
となっています。これはいわゆる一般のトライアスロンのスプリントディスタンスですね。一般のトライアスロンの距離の種類は以下の通り(大会によって多少距離の違いがあるみたいです)。
・スーパースプリント S 250m〜500m B 6.5〜13km R 1.7〜3.5km
・スプリント S 750m B 20km R 5km (パラトライアスロンはコレ)
・ショート S 1.5km B 40km R 10km (オリンピックはコレ)
・ミドル S 1999m〜2999m B 80〜90km R 20〜21km
・ロング S 3000〜4000m B 91〜200m R 22〜42.2km
・アイアンマン70.3 S 1.9km B 90km R 21.0975km
・アイアンマン S 3.8km B 180.2km R 42.195km
単位がまちまちでちょっと見にくいかもしれませんが、Wikipediaの情報をそのまま載せました。トライアスロンと聞くと、オリンピックディスタンス(OD)と言われるショートが一般的な印象です。色々なところで開催されている大会も、この距離設定が多いのではないでしょうか。
私自身、「トライアスロンをやってみたい」と思った時はパラがショートディスタンスの半分の距離だなんて知らなかったので、ショートの距離を目標にランやスイムの練習をしていました。ただ別に義足の人もショートの大会に健常者に混じって出場することはできると思います。大会によるかとは思いますが、運営に相談して一般の大会にも出場してみたいなと思っています。というかそもそもそっちが目標で、スプリントディスタンスはそのステップになればなと思っています。
トップ選手の速さ スイム編
では早速計算してみます。2022年のアブダビでの世界大会入賞者で一番速いスイムタイムは10:36、8番目は17:45ですね。距離は750mなので…
100mを約1:25〜2:22
という感じでしょうか。50mプールで練習しているので半分にすると、
50mを約42秒〜71秒
くらいということになりますね。これを750m続けるという感じです。まぁ、海なんでプールでのタイムと単純比較はできませんけど…。先日トライアスロンのコーチに、100m全力で泳いでみてくださいと言われ、100mで燃え尽きるつもりで思いっきり泳いだら1:35でした。勿論これを750m続けることはできません…、しかも波の無いプールでの話なので、こういうトップ選手はプールでどれくらいのスピードで泳ぐんでしょうね?
トップ選手の速さ バイク編
次はバイクです。距離は20km。一番速い選手が33:00、8番目の選手が37:55というタイムです。1キロ何分の速さかという指標で計算すると、
1:39 min/km 〜 1:53 min/km
というところでしょうか。時速換算すると
約36 km/h 〜 32km/h
くらいということになります。そんなにロードバイクを漕いだことがないので、これがどのくらい遠いタイムなのか私は想像できません。昨年仲間内で1泊の忘年会をやって、その会場まで寝袋とワインを2本背負って行きましたが、20km/h出ませんでした(^^;)アブダビのコースがどういう状況なのか、アップダウンがあるのか、カーブや折り返しがあるのかなど分かりませんが、平均でこの速度なので、トップスピードはもっと速いんでしょうね〜。
トップ選手の速さ ラン編
最後はランです。距離は5kmです。一番速い選手が20:13、8番目の選手が28:34ですね。これは1km何分かという指標で計算してみます。
4:02 min/km 〜 5:43 min/km
というところでしょうか。ランは私もここ数年やってきたのでなんとなく分かりますが、4:02 min/kmは私にとっては異次元です。5:43 min/kmは5kmなら無理ではないと思いますが、ただスイム→バイクからのランなので、未知の世界ですよね。単純にランのタイムで比較はできないです、当たり前ですけど(^^;)
トランジション
更にここにトランジションのスムーズさが総合タイムには大きく響いてきそうです。トップ3の選手の総合タイム差を見てみると2分無いですし、7位の選手のバイクからランへのトランジションタイムは他の選手の半分くらいで異様に早いですよね…。PTS2クラスには片足大腿義足も両足大腿義足も両方入っているしそこは単純に2倍かかると考えると、障害の種類によっても違いがありそうです。
そしてこの3種目とも8番目のタイムで走って(泳いで)も世界で入賞はできません。それぞれの選手の強み、弱みがあって、「スイムは比較的苦手だけどランで巻き返す!」みたいなのもあると思います。自分の得意分野を見つけてそこを磨きつつ、苦手分野もできる限り向上させていくという感じでしょうか。自分の特性を見極めつつ、作戦を立てていくことが必要なんでしょうね。
まとめ
以上、PTS2クラスの世界レベルのタイムを見てきました。パラトライアスロンの公開されているデータってあまり無い…というかそもそも思った以上に競技人口が少ないのかもしれませんが、閲覧できるのがいきなり世界トップのものということで、参考になるのかならないのかわからないですけど、改めてトップ選手は凄いなと思いました。
私自身は、このタイムをとりあえず頭の片隅にそっと置きつつ、昨日の自分より今日の自分が成長できるよう、コツコツとトレーニングできたらと思います(^^;)
今回世界レベルのタイムを調べてみたら、より一層本物のレースを生で見てみたくなってきました。トランジションの様子とかまだ全然わからないので、そんなところも研究するために5月の横浜での世界大会、観戦しに行こうと思います(^^)ただ…去年の横浜大会、PTS2(Men)クラスは2人しか出場してないみたいです。そもそも出場者のいないクラスもあるみたいなので、今年はどうなるかわかりませんが、楽しみにしていたいと思います!
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