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念願のザハ・ハディド (韓国ブログ#01)

こんにちは。アーキロイドの津久井です。

 2ヶ月ほど前、妻に観劇に誘われて韓国・ソウルに行ってきた。渡韓計画中、コスメもK-POPも買い物もあまり興味のない私に妻が一応、「どこかいきたいところはある?」と。

「東大門デザインプラザ!!!」

 ここぞとばかりに即答。大学で建築の授業をポツポツと取り始めた頃。Rhinoの曲面モデリングのクラスで習ったのがザハの「シャネル・モバイルアートパピリオン」だった。Rhinoは5だった、と言えばおおよそ何年前かおわかりいただけるだろう。
 当時の日本にザハ建築は、青山のアパレルショップの内装が1つあったのみ。そのショップも今はなく、国立競技場が幻となったことで日本ではお目にかかることができない。せっかく韓国に行くなら拝んでおきたい。今日は私の旅の振り返りにお付き合いください。

 地下鉄の出口から。これはもう目の前が。

 や!やっぱりそうだ!!!デカい。(マクドナルドの「しゃべったぁぁぁ」のCMぐらい興奮しているRhino5世代こと三十路)

 開口部はパンチングパネル越しに見える。

 低空飛行している鯨の下に滑り込むような感覚。恐怖感よりも安心感が勝る。雨が降っていたからだろうか。

 吸い込まれそう。いやむしろここから吐き出されたような感覚。なんだろうちょっとおしrみたい。Hey, Siri。

 一番垂れ下がっているところ。着陸直後のスライムが緊張から解き放たれ、直後に固まった感じ。

 近くから見ると息を呑むほど大きくて動き出しそうだが、道の反対から見ると全く暴力的な大きさではない。前面道路も車線数が多く開けているのでよく馴染んでいた。

 裏側は植栽も多い。

 実は敷地の半分くらい(体感)は遺跡。昔の城郭?らしい。奥に見えるのがデザインプラザ。

 屋上は緑化されている。ちいかわのくりまんじゅうに見えてきた。

 中もすごいNEO感。

 企画展は、六本木の新国立美術館で行われたCartier展(会場・展示設計:杉本博司+新素材研究所)の巡回展。

 自動ドアがいろんな方向に傾いている。足元が手前にあると、開くよりも先にドアを蹴ってしまうのはいただけない。床のタイルが伸びているのはレンズのせいではなく、実際にそういう割付け。すごい(語彙)。

 全体を振り返ると外装は素材のせいか表情がなくのっぺりしてるが、見る角度によって大きく異なる形状は、まるでいろいろな感情を表現しているよう。内部は構成が入り組んでいるが、各スペースは使い勝手が良さそうなプラン。大味なところも多く、大胆だが繊細過ぎないバランスの良さ。緊張するような空間ではない。外でくつろいでいる人は多かったが、建物のプログラムか訪れたタイミングなのか、内部は飲食店エリアを含めて閑散としていたのが寂しかった。その分ゆったりと見て回れたので良し。

 百聞は一件にしかず。建築を空間として体感すること、待ち焦がれた瞬間を迎えた達成感、旅の素晴らしさを再認識し、その日のビールが美味しかったことは言うまでも無い。

韓国旅は続く。


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