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魅惑の高架下建築 日比谷OKUROJI×くし団子を堪能【東京日比谷】

私達の身の回りに当たり前にあって、日々の生活を豊かにしてくれるもの、それは建築と甘いもの。
このnoteでは、建築好きの私やま菜がおすすめしたい建築と甘いものを紹介していきます。

今回訪れたのは、東京都の有楽町から新橋にかけての高架下。
緑豊かな日比谷公園や華やかな銀座の街を横目にみる高架下空間に、とっておきの建築と甘いものスポットがある。


1.生まれ変わった高架下空間日比谷OKUROJIで和菓子を堪能

今日訪れたのはJR有楽町駅とJR新橋駅を繋ぐ線路の高架下約300mの区間に、2020年9月にオープンした日比谷OKUROJI(オクロジ)だ。

日比谷OKUROJIのエリアを含む新橋から東京駅を繋ぐ東京市街線(新永間市街線高架橋)は、元々は1910年に日本初の鉄道高架橋としてドイツ人技師であるF・バルツァーの計画のもと建設された歴史遺構でもある。

近年東京では高架下を活用した開発プロジェクトが続いて完成していて、例えばこの建築と甘いものでも紹介したmAAch マーチエキュート神田万世橋や、有名建築家とのコラボが話題となった中目黒高架下など個性的な高架下が次々に完成している。

日比谷OKUROJIは有楽町と新橋のどちらからでもアクセスできるのが、今回は有楽町側からアクセスした。

有楽町側の入口は日比谷グルメゾンといって、JR東海によるグルメゾーンから始まる。
「日比谷OKUROJI」は日比谷・銀座の「奥」にあることと、高架下通路の秘めたムードを「路地」という言葉に置き換えることで「オクロジ」を命名されたのだが、まさに日常とは違った世界にトリップするかのような妖しさとワクワク感のある空間となっている。

日常と非日常の世界が共存しつつ、「ちょっと特別な空間」に連れて行ってくれるトンネルのような空間が楽しい。

通路の両側には多くの飲食店やショップが軒を連ねていて、ちょうど中間地点にあるのが、今回の目的地である和菓子 楚々 日比谷OKUROJI店だ。

和菓子 楚々は歴史ある和菓子店をルーツに持ちつつ、現代のライフスタイルに合った新しい和菓子を味わえる注目のお店だ。

和菓子 楚々 日比谷OKUROJI店では、メインメニューのお団子をはじめ、焼き菓子やオリジナルブレンドの珈琲を頂ける。
基本はテイクアウトだが、店の前の長椅子に腰掛けながらその場でいただくこともできる。

お団子はみたらしこしあんのり醤油といった定番に加え、黒ごまくるみ味噌などのラインナップも揃えている。

こちらのこしあんは、もちもちとしたお団子に甘くなめらかなあんこがマッチしていて絶品だ。

一つ一つ小分けになっているのもうれしく、手土産としても重宝できる。パッケージも店内のディスプレイも洗練されていて美しい。

【和菓子 楚々 日比谷OKUROJI店 施設情報】
住所:東京都千代田区内幸町1-7
行き方:日比谷駅・新橋駅より歩いて約7分
営業時間:11:00~20:00
竣工:令和2年
設計(建物):東鉄工業+交建設計

2.新旧が重なりあう魅力的な高架下空間を堪能

和菓子 楚々でお団子を堪能した後は、日比谷OKUROJIをしばし散策。

日比谷OKUROJIでは煉瓦アーチの下に様々な店舗が軒を連ねているが、それぞれが限られたスペースを有効に使い、縦長の配置をうまく生かした席配置アーチ状の天井をうまく利用したインテリアとなっているのが面白い。

例えばアーチ状に天井が高くなることで逆に開放的な空間に見えたり、逆に壁際の商品に目が行きやすくなるなど、様々な工夫が垣間みれる。

また、飲食店ではアーチ頂上の天井高の高い空間をエントランスとして、席に着くと低い天井で落ち着きがある空間になっていたりと、小さな店舗の中でも様々な工夫がなされている。

煉瓦部分だけでなく、その後の時代につくられたコンクリートの高架にも注目だ。

有楽町側の入口ではコンクリートの柱脚をそのままゲートのように演出している。
その他にも線路を支える巨大な構造体が時には露出のまま、時には間接照明によって照らされて、高架の構造部ならではの力強い美しさが際立っている。

また、日比谷の道路側には外部と繋がる出入口が何か所か設けられているのだが、外と中で流れる時間が違うような不思議な感覚を覚える。
アーチがまさにタイムトンネルのような役目をして、現代と100年前の高架空間を繋いでいるようだ。

300mに渡る路地空間を巡りながら、タイムトリップするような不思議な体験ができる魅力的な建築であった。

3.あわせて訪れたいおススメのグルメ建築

せっかくなので、日比谷OKUROJIとあわせて訪れたい丸の内の建築についても少し紹介したい。(丸の内には素敵な建築が多いが、ここでは食事もできるおススメ建築ととして2建築を紹介する)

一つ目に紹介するパーラーキムラヤは新橋駅東口のランドマークともいえる新橋駅前ビルの地下街に店を構える喫茶店。
幾何学図形を組み合わせた内装は、60年代らしいレトロフューチャー感あふれるデザインだ。
一見シンプルな白のテーブルに見えるが、隅が直線で切り取られていたりと、よく見ると店内のいろいろなアイテムがよくデザインされた素敵空間が広がっている素敵な喫茶店だ。
壁面のパネルにはミラーが仕込まれていて、さりげなく地下の閉鎖感を緩和しているのも中も注目ポイントだ。

装飾はシンプルでスマートだが、今のデザインにはない独特の色使いやセンスを感じる素敵な喫茶となっている。

【パーラーキムラヤ(新橋駅前ビル) 施設情報】
住所:東京都港区新橋2-20-15
行き方:新橋駅より歩いて約1分
創業:昭和42年
竣工(新橋駅前ビル):昭和41年
設計(新橋駅前ビル):佐藤武夫
営業時間:7:30~22:00
定休日:日曜、祝日

2つ目に紹介するプロント ライブラリーショップ&カフェ日比谷は、日比谷公園内にある千代田区立日比谷図書文化館にはいるカフェだ。

日比谷図書文化館は1957年に建てられた三角形のプランが特徴の建物で、外からみるとシャープな印象の建物だが、中に入ってみると公園の自然が見事に取り込まれている。
2009年には大規模な改修工事が行われているが、六角形の柱や階段、手摺のデザインなど半世紀以上の時を超えた見事な造形や空間が体感できるおススメの建築だ。

カフェゾーンには、東京をテーマにセレクトした本や文具を扱うショップが併設されたプロントが入っている。混雑も比較的少なく、ゆったりとした時間を過ごせる隠れ場的なカフェなので、個人的にも重宝しているスポットだ。

【プロント ライブラリーショップ&カフェ日比谷 施設情報】
住所:東京都千代田区日比谷公園1-4
行き方:有楽町駅より歩いて約10分
竣工(日比谷図書文化館):1957年(2009年リニューアル)
設計(日比谷図書文化館):高橋武士/東京都建築局
営業時間:
 平日:10:00~19:00
 土曜・日曜・祝日:10:00~17:00

今回は第8回ということで、日比谷エリアの建築と甘いものを紹介しました。
どの建築も素晴らしい体験をもたらしてくれる名建築なので、皆さんも機会があれば是非訪れてみて下さいね。

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