生きることに許しはいるのか
自己肯定感が低い人は生きることを誰かに許されたいと考えています。自己肯定感は、本来は幼少期に親から感情に寄り添った接し方をされ自分はあるがままの自分で良いんだと感じる体験を糧として、自己同一性が確立される思春期に獲得するものです。しかし、幼少期にそのような体験を出来なかったなどの理由により自己肯定感が得られないまま成長すると、自分が存在していいのかという疑問を抱えたまま生きていくことになります。そこで思いつく頼りが他人です。自分で解決できないから他人の出番というわけです。
いわば、自分の内的な問題を他人を使って解決しようという試みですが、これにはやはり無理があります。他人が自分の存在を認めてくれたと感じることは瞬間的にはあるでしょうが、自分が死ぬまでそれを与え続けてくれるわけではありません。自分が他人の許しを信じられるかという問題もあります。ふとしたきっかけで相手との関係が無くなる可能性もあります。そもそも他人ですから完全には自分の望む通りにはなりません。
根本的な問題は自分で自分を認められないことです。許しがいるとすれば自分で自分を許してあげることで、そこに他人は必ずしも必要ありません。自分が自分の人生において他人とどう関わるかによらず先ず目を向けるべきは自分です。むしろ他人と関わりたいと考えている人ほど先ずは自分に目を向けてください。そして、自分が生きることを全力で肯定してあげてください。
生きることに許しがいるとすれば、自分で自分を許してあげることです。
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