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メディカルアパレル業界で優位性を発揮できるクラシコの強み
僕たちの業界は今世界では、「メディカルアパレル」と呼ばれていて、クラシコはそのなかでもテーラード技術を取り入れた白衣やスクラブを中心に、おしゃれでスタイリッシュな医療用品の企画・製造・販売をおこなっています。
ニッチな業界ですが、国内の市場規模はおよそ400億円といわれており、グローバルでは6兆円規模のマーケットがあります。
それにもかかわらず、業界ならではの参入障壁があるため、大手のアパレルブランドは撤退を余儀なくされるなど、苦戦を強いられています。
今日はそのなかで、クラシコが伸び続けている理由を自社の強みを交えながらお伝えしていきます。
アパレルブランドの参入が難しい3つの壁
メディカルアパレルの分野は市場が伸び続けており、USでは一昨年、この業界で75億円の資金調達をしたスタートアップも登場しました。
中東ではメディカルアパレル専門のセレクトショップが急速に店舗を増やしたり、中国でも数年前からの美容ブームを背景にニーズが高まっています。
その背景には、この10年、20年でアジア圏の経済が著しく成長したことが挙げられるほか、それにともない各国でのファッションの成熟化が進んだことも大きな理由だと思います。
日本国内においても厚生労働省が2025年まで医療従事者を増やしていく方針を打ち出すなど、安定しながらも成長している市場です。
しかし、いくつかの参入障壁が理由で、有名なアパレルブランドも撤退せざるをえなかった現実があります。
僕はそれを「3つの壁」と呼んでいます。
1つ目は、「商品企画と生産の壁」があります。
医療従事者の白衣は滅菌や消毒の必要性から、シーツやタオルと一緒に工業用クリーニングに出します。すると、通常のファッション性の高い生地では素材が耐えられずボロボロになってしまうんです。
そういった業務用の洗濯に耐えられる強い生地やボタンなどのオリジナル素材の開発が必要になりますが、大手のアパレルブランドの多くは工業用のクリーニングに耐え、ファッション性も両立する素材を数年単位で試行錯誤と試験をおこない開発をすることが既存事業との兼ね合いで難しかったりします。
2つ目は「流通の壁」です。
一般アパレルは百貨店やモール、路面店など店舗展開が主戦場。しかし、医療ユニフォーム業界でいうと古くから築かれている販売代理店のネットワークに入っていくか、早期のタイミングで僕らのようにダイレクトに顧客とつながりECで独自のブランドを築いていく必要があります。
どちらももともと大手アパレル会社の得意領域ではないため、この業界へ参入しても軌道に乗せられないというケースもあります。
3つ目の壁は「ニッチの壁」です。
成長市場とはいえ、大手アパレル企業からすると国内市場だけではまだまだニッチです。
それでも、メディカルアパレルとして成り立たせるには、独自素材の開発や流通体制の構築が必須。そのため、通常のアパレル事業では発生しない投資が必要です。
つまり、国内だけを見てしまうと片手間ではとてもできないニッチな分野に腰を据えて本気でやりきれるのか。「ニッチの壁」と向き合いつづけることができるかを意味しています。
ここまでに説明した「3つの壁」が他社の参入を難しくさせている理由ですが、一方でそれはクラシコの競争優位性にもなっています。
D2Cブランド、クラシコ独自の強み
D2Cと呼ばれる言葉をご存じでしょうか?
Direct to Consumerを省略したビジネスモデルで、製造者が直接消費者と取引を行うビジネスを指します。
こちらの記事、「はじめまして。医師のおしゃれ白衣を企画・販売しているクラシコです」のなかでもお伝えしていますが、僕たちはインターネットで直接医師の方々へ販売するところから始まりました。
その結果、医療業界における既存の販売代理店網を利用することなく、顧客とつながれる流通チャネルを持つことができました。
それにより自分たちの世界観を自社サイトやSNS、カタログなどを通じて直接顧客に伝えることができています。
D2Cブランドであることの強みは、ほかにもいくつかあります。
販売代理店を通さないため他社に比べて価格を抑えることはそのひとつで、工場の製造ラインと年間契約をするなどの工夫も合わせると、原価を気にすることなく商品クオリティを追求することができます。
国内のコレクションブランドが8万円で提供するようなジャケットと同じ製造ラインで、2万円台の白衣を作ることができるのです。
その品質の良さは、結果として口コミが広がる要因にもなり、早い段階でブランドとして信頼を得ることにも成功しました。
そして、それ以上に僕たちは、お客さまと直接つながれるところに大きな強みがあると考えています。
課題やニーズをすぐに拾えるということも当然ありますが、それ以上に、本気で商品開発と向き合える環境の土台になっています。
現場の声を直接聞き、お客さまと一緒にブランドを作る。だからこそ、中途半端なものを作ってしまうと、お客さまから厳しいお叱りを受けてしまいます。
創業から10年を超えて生地素材のアップデートを繰り返してきたクラシコの定番商品『クラシコテーラー』は、これまでに7回のリニューアルを行っています。
もちろんそれ以外の生地やボタンなどの開発も続けており、何度も試作品を作っては改善してきたことを考えると、その回数は膨大です。
耐久性をみる指標だけでも複数あり、色味や触り心地などの基準も満たしながら合格を出すまでに半年~1年半はかかります。そのなかで繰り返し試作を重ねることは並大抵の覚悟ではできません。
医療現場の課題、悩み、声と真摯に向き合ってきたからこそ、僕たちは競合他社がマネできないほど素材開発、そして機能美の追求に向き合えるのだと考えています。
クラシコが機能美をここまで追求する理由
「どうしてかっこいい白衣がないのだろう?」
クラシコは、この一言をきっかけに生まれました。以来、テーラード技術を採用したこだわりの白衣は、糸一本までデザインされた究極の機能美を追求しています。
聴診器などもシンプルで、機能に沿ったデザインで統一されています。
僕たちがここまで機能美を追求する背景には、やはり医療の現場で起きていることが大きくかかわっています。
わかりやすい事例として、東京慈恵会医科大学と共同開発した『スマートデバイスコート』があります。
世界初の、胸ポケットからスマートフォンが落ちない白衣です。
医師は緊急事態の連絡が入ることが日常茶飯事なため、いつでも電話を取り出せることが求められています。
そのため多くの医師はマナーモードでも電話に気づけるよう、胸ポケットを活用します。
しかし同時に、スマホを屈んだ時に落としてしまう人も多く、アンケートでは80%以上の医師が勤務中にスマホを落としたことがあると回答。(*2016年11月クラシコ調べ)
そこでクラシコでは、「落ちない最適角度」「落ちない特殊生地」の両面から検証を繰り返し、高級感とシルエットのあるデザインながら「スマホが落ちない白衣」の両立を実現しました。
ほんの一例ですが、これが医療現場の問題を「機能美」によって解決するクラシコの在り方を表していると思います。
価値を追求する姿勢でグローバルNo.1を目指す
「顧客と直接つながり、今までは得られなかった気持ちを高揚させる体験を提供する」
もし最後にクラシコの強みをまとめるとしたら、この言葉に尽きるのではないかと思っています。
これまでに僕たちは、自社開発の白衣やナースウエアなどを次々とリリースしていますが、コラボレーション商品なども合わせて発売しています。
ルームウェアブランド「GELATO PIQUE/ジェラート ピケ」、ロサンゼルス発のファッションブランド「Ron Herman/ロンハーマン」、フラワーアーティストユニット「プランティカ」など、業界を問わない試みを繰り返してきました。
それらすべてに共通するのが「クラシコだけではたどり着けない価値を作れるかどうか」です。
「ジェラート ピケ&クラシコ」のナースウエアは、「ジェラート ピケ」の名前を仮に知らなくても、その着心地や触り心地に驚きの声をいただきました。
こだわりを持ったクラシコの商品は、国内だけでなく海外からお問合せや注文も増えており、事業を広げていくことの意義を強く感じています。
今回の冒頭でもお伝えしたとおり、いまメディカルアパレルの業界は転換期を迎えています。
アップルやナイキ、スターバックスといった企業が市場を創りグローバルブランドとなってきたように、クラシコもこの業界においてグローバルNo.1を目指せるタイミングを迎えている。チャンスが到来している。そう強く感じています。
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