プレショットルーティンの要素と確立
プレショットルーティンでは、心理学のアンカリングという状態コントロールというテクニックを応用して、心身の状態を自分の成功体験や、気持ちの良くなった体験を特定の刺激 ( アンカー ) によって呼び起こし、繋げる手法です。
ゴルフでのショットの前に、普段は何気なく行っているかも知れませんが、アンカーと成り得るポイントを具体的なプレショットルーティンとしての要素をご紹介させて頂きます。
① ティーイングラウンドに到着
最近はセルフプレーでも、カートにGPSナビなどを搭載されていますので、ティーイングラウンドに到着した時点で、ある程度のコースレイアウト、ハザードまでの距離、ティーショットでの落し所、ある程度のクラブ選択は、コースマネージメントとして理解しているとさせて頂きます。
② 自分の順番でティーイングラウンドに立つ
風、距離、クラブ選択、球筋、ティーイングラウンドのスタンスの足場の状態や傾斜、ターゲットや打ち出し方向の確認。
球筋によって、ティーイングラウンドの左右のどちらからショットするか決定。
スパットを意識してティーアップ位置を決める。
③ ティーアップする
ティーの高さ、ボールのラインの合わせ方、ティーの抵抗を意識してのボールの乗せ方。
ティーアップをしたら、ボールのターゲット後方を、クラブが芝に突っかからない様に踏む。 ( ティーイングラウンド内ではライの改善にはなりません )
④ ボールの後方に下がる
ティーアップして後方に下がる歩幅や歩数でボールの打ち出し、ターゲットまでの距離、落とし所の幅がワイドに使えるか等の見え方が変わるので、決まった歩数、決まった後方の距離から一定にホールを確認したですね。
⑤ 距離、風、どのような球筋を打つか、クラブ選択の決定
後方に下がったら、具体的に詳細に、距離、風、打ち上げ、打ち下ろし、ハザードまでの距離、落とし所、打ち出し方向、球筋、クラブ選択決定、選択したショットで気を付けなければいけないポイントの確認を、いつもの確認事項を飛ばさない様に確認 ( この思考確認決定自体も、思考ルーティン )
⑥ ビジュアライゼーション
数字的に確認したことを、ビジュアル化したイメージで心身の準備をする。
ビジュアル化したイメージを作り始めたら、頭の中は言葉での意識は消す。言葉は雑念に繋がり、身体の動きを阻害し易い。
⑦ 素振り
素振りの感覚もプレーヤーそれぞれ、コンディションによっては意識するポイントが違う。
しっかりヘッドスピードを走らせるイメージならば、しっかりヘッドスピードをつけた素振りも必要ですが、インサイドから入りすぎるのが気になるのならば、素振りはアウトサイドから素振りして身体をある種の錯覚をさせるのも必要です。
ダウンスウィングの力み、キャスティングと言われるダウンスウィングの切り返しからのミスが嫌な場合は、インパクト手前からフィニッシュを意識して軽めに素振りをする等、そのショット事、コンディションによっても素振りのイメージは変わりますね。
⑧ ボールに歩み寄る
両手でグリップを作ってからボールに歩み寄るタイプの方や、右手でクラブを持って、右手のイメージ先行の方、ターゲットとのアライメントを意識しながら歩み寄る方などもいますね。
歩み寄るテンポやリズムはスウィングテンポやショット自体のリズムを意識して、なめらかにショットする為のイントロ、ショットの身体の動きの一つですね。
歩み寄る前に、クラブで「 ポン 」と軽く芝を叩いて自分の始動のきっかけにする方もいますね。
芝を「 ポン 」と軽く叩くなどの動きや、歩き出す始動は、「 アンカー」にし易い部分かも知れませんね。
飛距離の欲しいショットの場合は、ボールに歩み寄る歩幅や力感で身体に「これから飛距離を出すショットをする 」という力感だけで、スウィングは力まない様にするだけ、というトッププロもいらっしゃいます。
⑨ アドレス
アドレス時に、女子プロの試合で良く見かけるのが、左手で右肩を抑えてアドレスに入るプロも何人か見られますね。
理由としては、アライメントの確認と、アドレス時での右肩の開きは、掴まらない球筋になり易い事も考えられますね。
アドレス時の足の開き方も、クラブフェースを置いて、左、右、といつもの順番で、いつものリズムで、クラブを置いて、1、2、というリズムで構えられると良いですね。
⑩ ワッグル
ワッグルはスウィングをリズム良く始動し易く、インパクトポジションのイメージもし易いので、静止状態からの始動よりもリズムを保ちつつ弾道のイメージを繋げながらスウィングに入り易いので大切なポイントですね。
歴史上最も偉大なボールストライカーと言われる、レジェンド『ベン ホーガン』も自身の著「 モダンゴルフ 」の中で、
~ アドレスとバックスウィングの実際上の開始との間を結ぶ橋の役目をするのが、ワッグルである。 ~
と語られています。
そして、テークバックからフィニッシュとスウィングの一連の流れになります。
様々なルーティンの要素をご確認頂きました。
プレショットルーティンを練習するトッププロも少なくない様です。世界のトッププロは、一瞬で様々な事をチェックして、確認して意思決定をして、ショットをしています。
自分が心身の状態を、ちょっとした物音や、アクシデントにも妨げられない「 プレショットルーティン 」を目指して作り上げたいですね!
プレショットルーティンを確立させることによって、人間の集中は8秒間が限界で、イメージした残像も消えない時間内でのショットも可能になり得るので、自分なりのルーティンを確立することは重要な要素です。
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