![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62845018/rectangle_large_type_2_7e46bbf4810246c7d4c75c33a555189c.jpeg?width=1200)
【中央区】京橋の親柱を新宿御苑横で発見
先日、新宿御苑にいきました。
駐輪場の柵の向こう側(敷地外)に木々に覆われた巨大な灯籠のようなものを偶然みつけました。
「きようはし」
と書かれています。
京橋???
なぜ京橋が新宿区のここに??ということで京橋にいってみました。
この場所です。
京橋には明治、大正時代の親柱が残されています。
明治時代の親柱が2本 1875年 明治8年
大正時代の親柱が1本 大正11年 1921年
新宿御苑横の空き地?の「きょうはし」は大正時代の親柱のかたわれのようです。
なんで中央区民文化財が新宿にあるの??ということをネット検索してみました。
そもそも京橋区という区が1878年(明治11年)から1947年(昭和22年)に存在していました。
京橋ってネット検索すると沢山でてくると思ったら、橋の名前が区の名前になっていたということなんですね。
この親柱は京橋区の象徴でもあります。
2000年に国交省が「東京みちの情報館」として新宿御苑横に開設し、そこに新橋の親柱と京橋の親柱を展示。2008年に閉館。
見学させてほしいというメールを国交省と新宿区に送ってみました。(のちに結果報告します。期待はしていません。Googleマップでみると資材置き場のようになっています。)
こちらは現地の案内板です。
またすごいのが京橋川の護岸跡も保存展示してるんですね。
天正18年 1590年に徳川家康が江戸城に入り、開削されて両岸に大根河岸、竹河岸があり物流に重要な場所だったそうです。昭和38年~40年に埋め立て。その護岸のごく一部が展示されています。こういうのを残すあたりはさすが中央区です。素晴らしいの一言。
その近くには江戸歌舞伎発祥の地の碑。寛永元年1789年に元祖中村勘三郎が中村座の芝居小屋をつくったとのこと。昭和33年に記念碑を建立。
明治初期の地図
江戸時代の名残で水路は多いですね。明治初期の地図のこの辺りは、江戸時代は水路がおもな物流手段であることが確認できます。南にいくと銀座です。
町名も
畳町 具足町 炭町 鍛治町 紺屋町
江戸時代にはまさに「花のお江戸の八百八町」だったことがわかります。時代劇ドラマに出てくるような江戸のど真ん中はここですね。
この地図の時代にはすでに明治期の親柱はあります。
明治15年 鉄道馬車往復京橋煉瓦造ヨリ竹河岸図
京橋の東側には竹商があり、竹河岸と呼ばれていました。
竹が描かれています。これは現在でいうところの銀座の入口交差点から京橋を東にみた時の絵ですね。
明治時代の親柱の形と一致!特徴を正確にとらえています。毎回毎回錦絵ってスゴイなと思うんですよね。
明治後期
京橋の西に大根という文字があります。大根河岸といって江戸時代は物流の要だったようです。
大根河岸市場は関東大震災以降も再興していましたが、昭和10年に築地に中央卸売市場ができたことにより移動し300年の歴史に終止符を打ちます。
大正時代 関東大震災直前
関東大震災によって京橋区は86%が焼失、壊滅状態になります。
大正時代の親柱の上の部分がなんとなくひしゃげているのも、火災の影響があるのかもしれません。
1935年 昭和10年頃
大東京寫眞帖
この写真は年代不明ですが、同じ写真集の中に国会議事堂建築中の写真があったり、昭和天皇が震災祈念堂を訪れるようすもうつされているので、昭和初期の写真だとおもいます。
地図を北側から銀座にむけて撮ったようです。路面電車のような影も映っていますね。
東京地下鉄道史 昭和9年
これも銀座方面へ向かって撮影したもの。左側に大正時代につくられた京橋の親柱らしきものが確認できます。
戦後高度経済成長前夜
Wikipediaには京橋川の埋立ては
「1954年(昭和29年)から始まり、1959年(昭和34年)には水路としての京橋川は完全に消滅しました。」
とかかれていましたが、現地のプレートには昭和38年~40年に埋め立てと書かれていましたし、地図は昭和30~35年のものですので、地図と現地のプレートの説をとりたいと思います。
水路は暗渠ではなくて埋め立ている場所が結構多いようです。
バブル期
上には高速道路が通っています。1962年に京橋~浦安間で首都高が開通しました。
交番です。明治後期からこの辺りの場所にいあるみたいですね。
今回は新宿御苑の横にある空き地?で京橋の親柱を見つけたのが事の発端ですが、京橋というのは区になっていたという事や、この京橋は歴史的に都内でも有名な場所だったということが分かりました。