論文まとめ481回目 SCIENCE 海洋生物の排泄物である「マリンスノー」の効果!?など
科学・社会論文を雑多/大量に調査する為、定期的に、さっくり表面がわかる形で網羅的に配信します。今回もマニアックなSCIENCEです。
さらっと眺めると、事業・研究のヒントにつながるかも。世界の先端はこんな研究してるのかと認識するだけでも、ついつい狭くなる視野を広げてくれます。
一口コメント
Polar and quasicrystal vortex observed in twisted-bilayer molybdenum disulfide
ねじれ二層二硫化モリブデンにおける極性および準結晶渦の観察
「二次元材料を重ねてねじると、思いもよらない性質が現れることがあります。この研究では、二硫化モリブデンという材料を2層重ねてねじると、電気の向きが渦を巻くような模様ができることを発見しました。さらに、ねじる角度を変えると渦の模様が変化し、30度ねじると12回対称の美しい準結晶構造になることもわかりました。これらの渦は非常に小さく制御可能なので、将来的には超小型の電子デバイスなどへの応用が期待できます。二次元材料をねじるという単純な操作で、こんなにも面白い現象が起こるのです。」
Epigenetic regulators of clonal hematopoiesis control CD8 T cell stemness during immunotherapy
クローン性造血のエピジェネティック調節因子が免疫療法中のCD8 T細胞の幹細胞性を制御する
「この研究は、がん治療に使われる免疫チェックポイント阻害療法の効果を高める新たな方法を発見しました。研究チームは、通常は血液がんのリスクを高める遺伝子変異が、逆にT細胞の能力を高め、がん細胞との戦いを長期間持続させることを発見しました。特にASXL1という遺伝子を操作すると、T細胞が疲弊せずに長期間活性を保ち、がん細胞を攻撃し続けられることが分かりました。この発見は、より効果的ながん免疫療法の開発につながる可能性があります。」
Catalytic asymmetric fragmentation of cyclopropanes
シクロプロパンの触媒的不斉開裂反応
「シクロプロパン環は高いひずみエネルギーを持つため、反応性が高く様々な変換反応に利用できます。しかし、その対称性のため、不斉な開環反応を制御するのは困難でした。本研究では、強力で空間制御された酸触媒を用いることで、シクロプロパン環を高い立体選択性で開裂させ、キラルなアルケンを合成する手法を開発しました。この反応はシクロプロパン環のプロトン化により進行し、長年議論されてきたシクロプロポニウムイオン中間体の関与が示唆されています。この手法により、医薬品や機能性材料の合成に有用な光学活性化合物を効率的に得ることができます。」
Ecological speciation in Darwin's finches: Ghosts of finches future
ダーウィンフィンチにおける生態的種分化:未来のフィンチの幻影
「ガラパゴス諸島のダーウィンフィンチは、嘴の形が種ごとに異なることで有名です。この研究では、干ばつによって嘴が大きくなると予測し、それに伴う鳴き声の変化をシミュレーションしました。その結果、6回の干ばつを経て大きく変化した鳴き声は、元々の鳴き声とは別種のように認識されることがわかりました。これは、環境変化による形態の適応が、副産物として生殖隔離を引き起こす「生態的種分化」の証拠と言えます。環境変化が新種を生み出す過程を実験的に示した画期的な研究です。」
Helicase-assisted continuous editing for programmable mutagenesis of endogenous genomes
ヘリカーゼ支援型連続編集法による内在性ゲノムのプログラム可能な変異導入
「この研究では、DNAの長い領域を連続的に変異させる新しい技術「HACE」が開発されました。HACEはヘリカーゼという酵素を使って、ゲノム上の特定の場所から1000塩基以上にわたって変異を入れ続けることができます。これにより、タンパク質の機能や遺伝子の調節に関わる広い領域を一度に変異させ、その影響を調べることが可能になりました。例えば、がん細胞の薬剤耐性に関わる変異や、免疫細胞の活性化に関わる遺伝子の調節領域の機能解析などに応用されています。この技術は、ゲノムの機能解明や新しい生物機能の探索に大きな可能性をもたらします。」
Hidden comet tails of marine snow impede ocean-based carbon sequestration
マリンスノーの隠れた彗星の尾が海洋ベースの炭素隔離を妨げる
「海洋の生物が排出する有機物の塊「マリンスノー」は、大気中の二酸化炭素を吸収して海底に沈めるという重要な役割を果たしています。しかし今回の研究で、マリンスノーには目に見えない粘液の「尾」があることが分かりました。この尾は海水中で大きく広がり、マリンスノーの沈降速度を大幅に遅くしています。これにより、マリンスノーが海中に留まる時間が長くなり、微生物による分解が進むため、当初考えられていたよりも炭素の海底への輸送量が少ないことが明らかになりました。この発見は、海洋の炭素循環の理解を根本から覆す可能性があります。」
Unexpected westward range shifts in European forest plants link to nitrogen deposition
ヨーロッパの森林植物における予想外の西方分布シフトと窒素沈着の関連性
「気候変動の影響で、多くの生物種が北や高標高に移動していると考えられていました。しかし、この研究ではヨーロッパの森林植物の分布変化を詳しく調べたところ、北への移動よりも西への移動の方が2.6倍も多かったのです。その原因として、大気中の窒素沈着が影響している可能性が高いことがわかりました。つまり、気候変動だけでなく、大気汚染などの人間活動も生物の分布に大きな影響を与えていることが明らかになったのです。この発見は、生態系の変化を理解し保全するうえで重要な示唆を与えています。」
要約
ねじれ二層二硫化モリブデンにおける極性および準結晶渦の観察と制御
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adp7099
この研究では、二層の二硫化モリブデン(MoS2)をねじることで生じる電場を観察し、その局所的な極性ドメイン構造との関連を明らかにしました。四次元走査型透過電子顕微鏡(4D-STEM)と第一原理計算を用いて、周期的なモアレパターン内に平面内の位相的な渦が出現することを示しました。これは小さなねじれ角度での整合構造と30度ねじれで生じる非整合準結晶構造の両方で観察されました。大きなねじれ角度ではモザイク状のカイラル渦パターンが形成され、その特性を調整できることも明らかになりました。12回回転対称性を持つねじれ準結晶二層膜では、複雑な渦パターンが形成され、ピコメートルスケールの層間変位によって操作できることも示されました。
事前情報
二次元材料の積層やねじれにより、新しい物性が出現することが知られていた
二硫化モリブデン(MoS2)は代表的な二次元材料の一つである
強誘電性材料における渦状の極性ドメイン構造が注目されていた
行ったこと
二層MoS2をさまざまな角度でねじり、その構造と電気的性質を観察した
四次元走査型透過電子顕微鏡(4D-STEM)を用いて、高分解能で電場分布を測定した
第一原理計算により、観察された構造の理論的裏付けを行った
ねじれ角度や層間変位を変化させ、渦構造の制御を試みた
検証方法
4D-STEMによる高分解能電場マッピング
微分位相コントラスト(DPC)法による電荷密度分布の可視化
密度汎関数理論に基づく第一原理計算
さまざまなねじれ角度や層間変位での系統的な観察と解析
分かったこと
ねじれ二層MoS2において、平面内の極性渦構造が形成されることを発見した
ねじれ角度が大きくなると、モザイク状のカイラル渦パターンが現れた
30度ねじれで12回対称の準結晶構造が形成され、複雑な渦パターンを示した
層間のピコメートルスケールの変位により、渦パターンを制御できることを実証した
渦構造の形成メカニズムが、ねじれによる電荷再分布と微小なイオン変位に起因することを理論的に示した
この研究の面白く独創的なところ
二次元材料のねじれという単純な操作で、複雑な極性渦構造を作り出せることを示した
準結晶構造における新しいタイプの極性ドメイン構造を発見した
原子レベルの高分解能観察と理論計算を組み合わせ、ナノスケールの極性構造を詳細に解明した
ピコメートルスケールの微小変位で渦構造を制御できるという、極めて高い操作性を実証した
この研究のアプリケーション
新しいタイプの非揮発性メモリデバイスの開発
極微小なサイズでの強誘電性スイッチングデバイスへの応用
準結晶構造を利用した新奇な光学素子や電子素子の設計
二次元材料を用いた高度なナノスケールセンサーの開発
量子情報処理のための新しい材料プラットフォームの提供
著者と所属
Chi Shing Tsang 香港理工大学応用物理学部、香港城市大学化学部
Xiaodong Zheng - 香港理工大学応用物理学部、香港理工大学深圳研究院
Tong Yang - 香港理工大学応用物理学部
詳しい解説
この研究は、二次元材料である二硫化モリブデン(MoS2)の二層構造をねじることで、ナノスケールの極性ドメイン構造を制御できることを示した画期的な成果です。
研究チームは、最先端の四次元走査型透過電子顕微鏡(4D-STEM)技術を駆使して、ねじれ二層MoS2の電場分布を原子レベルの分解能で観察しました。その結果、ねじれ角度に応じて様々な極性渦構造が形成されることを発見しました。小さなねじれ角度では周期的なモアレパターン内に渦が現れ、角度が大きくなるとモザイク状のカイラル渦パターンへと変化しました。
特に興味深いのは、30度ねじれた時に現れる12回対称の準結晶構造です。この構造では、これまでに報告されていない複雑な渦パターンが観察されました。さらに、層間のピコメートルスケールの変位によって、この渦パターンを精密に制御できることも実証されました。
研究チームは、第一原理計算も併用して、これらの渦構造が形成されるメカニズムを理論的に解明しました。ねじれによる電荷の再分布と微小なイオン変位が、極性ドメイン構造の形成に寄与していることが明らかになりました。
この研究成果は、二次元材料の新しい可能性を切り開くものです。ナノスケールで極性を制御できることから、超小型の強誘電性デバイスや新しいタイプの非揮発性メモリへの応用が期待されます。また、準結晶構造を利用した新奇な光学素子や電子素子の開発にもつながる可能性があります。
さらに、この研究で示された高度な制御性は、量子情報処理のための新しい材料プラットフォームとしての可能性も秘めています。二次元材料をねじるという比較的単純な操作で、これほど多様で制御可能な構造が実現できることは、材料科学と応用物理学の両面で大きなブレークスルーと言えるでしょう。
クローン性造血に関連するエピジェネティック調節因子がCD8 T細胞の幹細胞性と免疫療法の効果を制御する。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adl4492
クローン性造血に関連する3つの主要なエピジェネティック調節因子(Dnmt3a、Tet2、Asxl1)の欠損がCD8 T細胞の幹細胞様性質を維持し、免疫チェックポイント阻害療法への応答性を長期間保つことを示しました。特にAsxl1の欠損はポリコーム抑制性脱ユビキチン化複合体(PR-DUB)を介してH2AK119のユビキチン化を制御し、T細胞の分化を抑制することが明らかになりました。これらの知見は、がん免疫療法の効果を高める新たな戦略の開発につながる可能性があります。
事前情報
クローン性造血は加齢に伴い血液幹細胞に特定の遺伝子変異が蓄積する現象
免疫チェックポイント阻害療法は、T細胞の機能を回復させてがんを攻撃する治療法
T細胞の疲弊は免疫療法の効果を制限する主要な要因の一つ
行ったこと
Dnmt3a、Tet2、Asxl1遺伝子を欠損させたCD8 T細胞を作製
慢性感染モデルや腫瘍モデルでこれらのT細胞の機能を長期間追跡
Asxl1欠損T細胞の分子メカニズムを詳細に解析
骨髄異形成症候群患者の臨床データを解析
検証方法
遺伝子編集技術を用いてマウスT細胞の遺伝子を操作
フローサイトメトリーによるT細胞の表現型解析
RNA-seqやATAC-seqによる遺伝子発現・クロマチン状態の解析
CUT&RUN法によるヒストン修飾の解析
腫瘍増殖アッセイによる抗腫瘍効果の評価
患者由来T細胞の変異解析と治療反応性の相関
分かったこと
Dnmt3a、Tet2、Asxl1欠損CD8 T細胞は1年以上にわたり幹細胞様性質を維持
これらのT細胞は慢性抗原刺激下でも免疫チェックポイント阻害療法への応答性を保持
Asxl1欠損はPR-DUB複合体を介してH2AK119ユビキチン化を制御
Asxl1欠損T細胞は腫瘍モデルにおいて強力な抗腫瘍効果を示す
ASXL1変異を持つT細胞は骨髄異形成症候群患者の免疫療法反応性と相関
研究の面白く独創的なところ
通常は血液がんのリスク因子とされる遺伝子変異が、逆にT細胞の機能を高めることを発見
クローン性造血の知見をがん免疫療法の改善に応用するという斬新なアプローチ
長期間(1年以上)のT細胞機能追跡により、持続的な治療効果の可能性を示唆
この研究のアプリケーション
より効果的ながん免疫療法の開発
T細胞療法の改良(例:CAR-T細胞にAsxl1変異を導入)
免疫チェックポイント阻害療法の効果予測バイオマーカーとしてのASXL1変異の利用
エピジェネティック制御を標的とした新規免疫調節薬の開発
著者と所属
Tae Gun Kang セントジュード小児研究病院 免疫学部門
Ben Youngblood - セントジュード小児研究病院 免疫学部門
Caitlin C. Zebley - セントジュード小児研究病院 免疫学部門、骨髄移植・細胞療法部門
詳しい解説
この研究は、がん免疫療法の効果を制限する主要な問題の一つである「T細胞の疲弊」に対する新たなアプローチを提示しています。
研究チームは、通常は血液がんのリスクを高めるとされるDnmt3a、Tet2、Asxl1という遺伝子の変異が、逆にCD8 T細胞の機能を高め、長期間にわたって活性を維持させることを発見しました。特に注目すべきは、これらの変異T細胞が1年以上もの長期間、幹細胞様の性質を保ち続け、免疫チェックポイント阻害療法への応答性を維持したことです。
中でもAsxl1遺伝子の欠損は特に興味深い効果を示しました。Asxl1欠損T細胞は、ポリコーム抑制性脱ユビキチン化複合体(PR-DUB)の機能を阻害することで、ヒストンH2AK119のユビキチン化を維持し、T細胞の分化を抑制することが明らかになりました。この分子メカニズムにより、Asxl1欠損T細胞は長期間にわたって未分化な状態を保ち、がん細胞に対する攻撃能力を維持できると考えられます。
さらに、この基礎研究の知見は臨床データとも一致しました。骨髄異形成症候群の患者において、ASXL1変異を持つT細胞が免疫チェックポイント阻害療法への良好な反応と相関することが示されました。
この研究は、従来は疾患リスク因子と考えられていた遺伝子変異が、適切な文脈では治療効果を高める可能性があることを示した点で非常に革新的です。また、クローン性造血という加齢関連現象の知見をがん免疫療法に応用するという斬新なアプローチは、今後の研究に新たな視点をもたらすでしょう。
この発見は、より効果的ながん免疫療法の開発につながる可能性があります。例えば、CAR-T細胞療法においてAsxl1を操作することで、より持続的な抗腫瘍効果を持つT細胞を作製できるかもしれません。また、ASXL1変異の有無を調べることで、免疫チェックポイント阻害療法の効果を予測するバイオマーカーとしても利用できる可能性があります。
一方で、これらの遺伝子変異が本来は血液がんのリスク因子であることから、安全性の面での慎重な評価が必要です。研究チームは1年以上の観察でも悪性形質転換は見られなかったと報告していますが、より長期的な安全性の検証が今後の課題となるでしょう。
総じて、この研究は基礎免疫学の知見をがん治療に橋渡しする優れた例であり、今後のがん免疫療法の発展に大きく貢献する可能性を秘めています。
強力な酸触媒を用いてシクロプロパン環の不斉開裂反応を実現し、高選択的にキラルなアルケンを合成する新手法を開発。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adp9061
シクロプロパンの不斉開裂反応を用いて、高い立体選択性でキラルなアルケンを合成する新しい触媒反応を開発した研究です。強力な酸触媒を用いることで、これまで困難だったシクロプロパン環の不斉開裂を実現しています。
事前情報
シクロプロパン環は高いひずみエネルギーを持ち、反応性が高い
シクロプロパン環の不斉開裂は困難で、これまで効率的な手法がなかった
強力な酸触媒による不斉反応の開発が進められてきた
行ったこと
強力で空間制御された酸触媒IDPi(イミドジホスホリミデート)を設計・合成
様々なシクロプロパン誘導体に対して不斉開裂反応を適用
反応機構の詳細な解析を計算化学的手法により実施
検証方法
様々な置換基を持つシクロプロパン誘導体に対する反応性と選択性を評価
生成物の構造を核磁気共鳴(NMR)分光法や X 線結晶構造解析により決定
反応中間体や遷移状態を密度汎関数理論(DFT)計算により解析
分かったこと
IDPi 触媒を用いることで、高収率・高エナンチオ選択的にシクロプロパンの不斉開裂が進行する
反応はシクロプロパン環のプロトン化により進行し、シクロプロポニウムイオン中間体を経由する
触媒の立体障害と静電相互作用により、高い立体選択性が発現する
研究の面白く独創的なところ
これまで困難だったシクロプロパン環の不斉開裂を高選択的に実現
長年議論されてきたシクロプロポニウムイオン中間体の存在を示唆
計算化学的手法により詳細な反応機構を解明
この研究のアプリケーション
医薬品や機能性材料の合成に有用な光学活性化合物の効率的合成
天然物合成における新しい不斉合成法としての応用
触媒設計の新しい指針の提供
著者と所属
Ravindra Krushnaji Raut 北海道大学 化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)
Satoshi Matsutani - 北海道大学 大学院総合化学院
Nobuya Tsuji - 北海道大学 化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)
詳しい解説
本研究では、強力な酸触媒であるイミドジホスホリミデート(IDPi)を用いて、シクロプロパン環の不斉開裂反応を高選択的に進行させる新しい手法を開発しました。シクロプロパン環は高いひずみエネルギーを持つため反応性が高く、様々な合成反応に利用されてきましたが、その対称性のため不斉な開環反応を制御するのは困難でした。
研究グループは、空間的に制御された強力な酸触媒IDPiを設計・合成し、様々なシクロプロパン誘導体に対して不斉開裂反応を適用しました。その結果、高収率かつ高いエナンチオ選択性で目的のキラルなアルケンを得ることに成功しました。
反応機構の詳細な解析により、反応はシクロプロパン環のプロトン化により進行し、長年議論されてきたシクロプロポニウムイオン中間体を経由することが示唆されました。触媒の立体障害と静電相互作用により、高い立体選択性が発現することも明らかになりました。
この新しい不斉合成法は、医薬品や機能性材料の合成に有用な光学活性化合物を効率的に得る手法として期待されます。また、天然物合成における新しいツールとしての応用も考えられます。さらに、本研究で得られた知見は、新しい触媒設計の指針を提供するものとして重要です。
ダーウィンフィンチの嘴の進化が鳴き声を変え、種分化を促進する可能性を実験的に示した研究
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adj4478
ダーウィンフィンチの嘴の大きさと鳴き声には関連があり、干ばつによって嘴が大きくなると鳴き声も変化する可能性がある。この研究では、干ばつによる嘴の変化をシミュレーションし、それに伴う鳴き声の変化が種の認識にどう影響するかを調べた。
事前情報
ダーウィンフィンチの嘴の形態と鳴き声には相関関係がある
干ばつは嘴の大きさに影響を与える可能性がある
生態的種分化は適応的な形質の変化が生殖隔離を引き起こす現象である
行ったこと
連続的な干ばつイベントによる嘴の変化をシミュレーション
シミュレーションに基づいて予測される鳴き声の変化を作成
変化した鳴き声に対するオスの反応を野外実験で調査
検証方法
干ばつイベントごとの嘴の変化を予測し、それに応じた鳴き声の変化をシミュレーション
シミュレーションした鳴き声を野外で再生し、テリトリーを持つオスの反応を観察
文化的進化や音響適応による変化とも比較
分かったこと
6回の干ばつイベント後の鳴き声に対する反応が大幅に低下
反応の低下は文化的進化や音響適応による変化よりも顕著
嘴の形態変化に伴う鳴き声の変化が、種の認識に影響を与える可能性が示唆された
研究の面白く独創的なところ
将来起こりうる進化の過程をシミュレーションし、その結果を現在の個体で検証した点
形態の適応が鳴き声を介して生殖隔離につながる可能性を実験的に示した点
生態的種分化の過程を具体的に可視化した点
この研究のアプリケーション
気候変動が種分化に与える影響の予測
生態的種分化のメカニズム解明への応用
保全生物学における種の定義や管理方法への示唆
著者と所属
Jeffrey Podos マサチューセッツ大学アマースト校 生物学部および生物・進化生物学大学院プログラム
Katie M. Schroeder - マサチューセッツ大学アマースト校 生物・進化生物学大学院プログラム
詳しい解説
本研究は、ダーウィンフィンチにおける生態的種分化のメカニズムを実験的に検証したものです。ダーウィンフィンチは、ガラパゴス諸島の環境に適応して多様な嘴の形態を進化させたことで知られています。これまでの研究から、嘴の形態と鳴き声には密接な関係があることが分かっていました。
研究チームは、干ばつによって嘴が大きくなるという過去の観察に基づき、連続的な干ばつイベントによる嘴の変化をシミュレーションしました。そして、嘴の変化に応じて予測される鳴き声の変化を計算し、音声を作成しました。
次に、これらの音声を実際のダーウィンフィンチの生息地で再生し、テリトリーを持つオスの反応を観察しました。その結果、6回の干ばつイベント後に予測される鳴き声に対する反応が大幅に低下することが分かりました。この反応の低下は、文化的進化(学習による変化)や音響適応(環境音に適応した変化)による変化よりも顕著でした。
これらの結果は、環境変化による形態の適応が、副産物として生殖隔離を引き起こす可能性を示しています。つまり、干ばつによる嘴の変化が鳴き声を変え、それが種の認識に影響を与えるという生態的種分化の過程を実験的に示したのです。
この研究の独創的な点は、将来起こりうる進化の過程をシミュレーションし、その結果を現在の個体で検証したことです。これにより、通常は長い時間をかけて進行する種分化の過程を可視化することに成功しました。
本研究の結果は、気候変動が種の進化や多様性に与える影響を理解する上で重要な示唆を与えています。また、保全生物学において、種をどのように定義し管理するべきかという問題にも新たな視点を提供しています。
ゲノム編集の新手法により、長距離にわたる連続的な変異導入が可能に
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adn5876
ゲノム配列と機能の関係を解明することは、ゲノミクスの大きな課題です。この研究では、内在性ゲノムの標的領域に長距離の連続的変異を導入できる新しい技術「HACE (Helicase-assisted continuous editing)」を開発しました。HACEは、CRISPR-Cas9システムを用いてヘリカーゼ-デアミナーゼ融合タンパク質を特定のゲノム領域に誘導し、1000塩基以上にわたって連続的に変異を導入します。この技術を用いて、薬剤耐性に関わるMEK1遺伝子の変異、スプライシング因子SF3B1の機能的変異、免疫関連遺伝子CD69の制御領域の変異などを解析しました。HACEは、コーディング領域や非コーディング領域の機能解析、新たな生物学的機能の進化的探索など、幅広い応用が期待されます。
事前情報
ゲノムの配列と機能の関係を解明することは、ゲノミクスの重要な課題
既存の手法では、内在性ゲノムの特定領域に長距離の変異を導入することが困難
ヘリカーゼは長いDNA領域を移動できる酵素として知られている
行ったこと
CRISPR-Cas9とヘリカーゼ-デアミナーゼ融合タンパク質を組み合わせたHACEシステムを開発
HACEを用いて、MEK1遺伝子、SF3B1遺伝子、CD69遺伝子の制御領域などに長距離の変異を導入
導入された変異の機能的影響を解析
検証方法
シーケンシングによる変異導入の確認と解析
MEK1変異体の薬剤耐性試験
SF3B1変異体のスプライシングパターン解析
CD69制御領域変異体の遺伝子発現解析
分かったこと
HACEにより1000塩基以上の領域に連続的に変異を導入可能
MEK1遺伝子に薬剤耐性をもたらす新規変異を同定
SF3B1遺伝子の変異がスプライシングに与える影響を解明
CD69遺伝子の制御領域における重要な調節モチーフを特定
研究の面白く独創的なところ
ヘリカーゼの特性を利用して、長距離の連続的変異導入を可能にした点
内在性ゲノムの任意の領域を標的にできる柔軟性
コーディング領域と非コーディング領域の両方に適用可能な汎用性
連続的な進化実験への応用可能性
この研究のアプリケーション
タンパク質機能のシステマティックな解析
非コーディングDNAの機能解明
新規薬剤標的や耐性メカニズムの探索
遺伝子制御ネットワークの解明
細胞内での進化実験や新機能獲得
著者と所属
Xi Dawn Chen: Gene Regulation Observatory, Broad Institute of MIT and Harvard
Zeyu Chen: Gene Regulation Observatory, Broad Institute of MIT and Harvard
Bradley E. Bernstein: Gene Regulation Observatory, Broad Institute of MIT and Harvard
Fei Chen: Gene Regulation Observatory, Broad Institute of MIT and Harvard
詳しい解説
この研究で開発されたHACE (Helicase-assisted continuous editing) システムは、ゲノム編集技術に新たな可能性をもたらす画期的な手法です。従来のゲノム編集技術では、特定の場所に限定的な変異しか導入できませんでしたが、HACEは長い領域にわたって連続的に変異を入れることができます。
HACEの核心は、CRISPR-Cas9システムとヘリカーゼ-デアミナーゼ融合タンパク質の組み合わせにあります。CRISPR-Cas9が特定のゲノム領域を認識し、そこにヘリカーゼ-デアミナーゼ融合タンパク質を誘導します。ヘリカーゼはDNAの二重らせんをほどきながら移動し、それに伴ってデアミナーゼがDNA塩基を変異させていきます。これにより、1000塩基以上にわたる長い領域に連続的に変異を導入することが可能になりました。
研究チームは、このHACEシステムを用いてさまざまな遺伝子や制御領域の機能解析を行いました。例えば、MEK1遺伝子に対してHACEを適用し、がん治療薬への耐性をもたらす新しい変異を同定しました。また、スプライシング因子SF3B1の変異がどのようにスプライシングパターンに影響するかを詳細に解析しました。さらに、免疫関連遺伝子CD69の制御領域に変異を導入し、遺伝子発現制御に重要な配列モチーフを特定しました。
HACEの大きな利点は、その汎用性と柔軟性にあります。コーディング領域と非コーディング領域の両方に適用でき、任意のゲノム領域を標的にできます。また、連続的に変異を導入できるため、進化実験のような応用も可能です。これにより、タンパク質の機能解析、非コーディングDNAの機能解明、新しい薬剤標的の探索、遺伝子制御ネットワークの解析など、幅広い研究分野での応用が期待されます。
HACEは、ゲノム編集技術に新たな次元をもたらし、生命科学研究に革新的なツールを提供しています。この技術の更なる発展と応用により、ゲノムの機能解明や新たな生物学的機能の探索が大きく進展することが期待されます。
海洋生物の排泄物である「マリンスノー」には、これまで見えなかった粘液の尾があり、炭素の海底への沈降を遅らせている。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adl5767
海洋生物が排出する有機物の塊「マリンスノー」には、これまで見えなかった粘液の尾があることが発見されました。この尾はマリンスノーの沈降速度を大幅に遅くし、結果として海洋における炭素の隔離効率を低下させていることが明らかになりました。この発見は、海洋の炭素循環に関する従来の理解を根本から覆す可能性があります。
事前情報
マリンスノーは海洋生物の排泄物や死骸などからなる有機物の塊で、大気中の二酸化炭素を吸収して海底に沈める重要な役割を果たしている。
これまでマリンスノーの沈降速度は主にその大きさや密度によって決まると考えられていた。
海洋の炭素循環を正確に理解することは、気候変動の予測と対策に重要である。
行ったこと
海洋調査船を使ってメイン湾で実際のマリンスノーを採取した。
新たに開発した垂直追跡顕微鏡を用いて、マリンスノーの沈降を詳細に観察した。
トレーサービーズを用いて、マリンスノー周辺の流れを可視化した。
マリンスノーの3次元構造を観察するため、共焦点顕微鏡やホログラフィック顕微鏡を用いた。
マリンスノーの沈降に関する理論モデルを構築した。
検証方法
100個以上のマリンスノー粒子について、沈降速度と周囲の流れを詳細に分析した。
マリンスノーの3次元構造を観察し、内部の不均一性を明らかにした。
構築した理論モデルを用いて、粘液の尾がマリンスノーの沈降に与える影響を定量的に評価した。
分かったこと
マリンスノーには、これまで見えなかった粘液の「尾」が存在することが明らかになった。
この粘液の尾は、マリンスノーの見かけの大きさを実際の2倍以上に増大させ、沈降速度を大幅に遅くしている。
粘液の尾の存在により、マリンスノーが海中の表層付近に留まる時間が従来の推定の2倍近くになることがわかった。
マリンスノーの内部構造は非常に不均一で、これも沈降速度に影響を与えている。
粘液の粘弾性特性が、マリンスノーの沈降挙動に大きな影響を与えていることが明らかになった。
研究の面白く独創的なところ
これまで見えなかったマリンスノーの「尾」を発見し、その重要性を明らかにしたこと。
新たに開発した垂直追跡顕微鏡を用いて、実際の海洋環境でマリンスノーの詳細な観察を行ったこと。
マリンスノーの沈降に関する新しい理論モデルを構築し、粘液の影響を定量的に評価したこと。
マリンスノーの3次元構造を詳細に観察し、その不均一性を明らかにしたこと。
この研究のアプリケーション
海洋の炭素循環モデルの精度向上につながり、気候変動予測の精度が向上する可能性がある。
海洋を利用した二酸化炭素除去技術の効率評価に影響を与える可能性がある。
マリンスノーの沈降を制御することで、海洋の炭素隔離効率を向上させる技術開発につながる可能性がある。
海洋生態系における物質循環の理解が深まり、海洋生物の保全策の立案に貢献する可能性がある。
著者と所属
Rahul Chajwa - Department of Bioengineering, Stanford University
Eliott Flaum - Department of Bioengineering, Stanford University
Kay D. Bidle - Department of Marine and Coastal Science, Rutgers University
詳しい解説
この研究は、海洋の炭素循環において重要な役割を果たす「マリンスノー」の性質に関する従来の理解を大きく覆す発見をもたらしました。マリンスノーとは、海洋生物の排泄物や死骸などからなる有機物の塊で、大気中の二酸化炭素を吸収して海底に沈める働きをしています。
これまで、マリンスノーの沈降速度は主にその大きさや密度によって決まると考えられてきました。しかし、この研究では新たに開発された垂直追跡顕微鏡を用いて実際の海洋環境でマリンスノーを観察した結果、これまで見えなかった粘液の「尾」が存在することが明らかになりました。
この粘液の尾は、マリンスノーの見かけの大きさを実際の2倍以上に増大させ、沈降速度を大幅に遅くしています。その結果、マリンスノーが海中の表層付近に留まる時間が従来の推定の2倍近くになることがわかりました。これは、マリンスノーが微生物に分解される時間が長くなることを意味し、結果として海底に到達する炭素量が減少する可能性があります。
研究チームは、マリンスノーの3次元構造も詳細に観察しました。その結果、マリンスノーの内部構造が非常に不均一であることが明らかになり、これも沈降速度に影響を与えていることがわかりました。さらに、粘液の粘弾性特性がマリンスノーの沈降挙動に大きな影響を与えていることも明らかになりました。
これらの発見に基づいて、研究チームはマリンスノーの沈降に関する新しい理論モデルを構築しました。このモデルを用いることで、粘液の尾がマリンスノーの沈降に与える影響を定量的に評価することが可能になりました。
この研究結果は、海洋の炭素循環に関する我々の理解を根本から変える可能性があります。海洋の炭素循環モデルの精度向上につながり、気候変動予測の精度が向上する可能性があります。また、海洋を利用した二酸化炭素除去技術の効率評価にも影響を与える可能性があります。
さらに、この研究はマリンスノーの沈降を制御することで、海洋の炭素隔離効率を向上させる技術開発につながる可能性も示唆しています。例えば、粘液の性質を変化させることで、マリンスノーの沈降速度を制御できるかもしれません。
また、この研究は海洋生態系における物質循環の理解を深めることにも貢献しています。これは、海洋生物の保全策の立案にも役立つ可能性があります。
総じて、この研究は海洋科学と気候科学の分野に大きなインパクトを与える画期的な成果であり、今後の関連研究の発展が期待されます。
ヨーロッパの森林植物が予想外に西方へ分布を拡大し、窒素沈着がその原因である可能性が示された。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.ado0878
ヨーロッパの温帯林の下層植生の分布変化を調査した結果、予想に反して北方ではなく西方への移動が顕著であることが判明した。この西方シフトは気候変動よりも窒素沈着によってよく説明できることが示された。生物多様性の再分布パターンは複雑で、気候変動単独の影響よりも複数の環境変化の相互作用によって引き起こされている可能性が高いことが示唆された。
事前情報
気候変動に伴い、多くの生物種が極方向や高標高へ分布を移動させていると考えられてきた。
大気中の窒素沈着などの他の環境変化も生物の分布に影響を与える可能性がある。
ヨーロッパの森林生態系は長期的な環境変化の影響を受けている。
行ったこと
ヨーロッパの温帯林における約3000地点の植生調査データを数十年の時間スケールで再調査・分析した。
下層植生の種ごとの分布中心の移動方向と距離を計算した。
分布変化と気候変動、窒素・硫黄沈着、森林構造の変化などの環境要因との関連を解析した。
検証方法
種ごとの分布中心の移動を地理的に計算し、主要な移動方向(北・南・東・西)の頻度を比較した。
分布変化と環境要因との関連性を統計モデルで解析した。
種の生態的特性(窒素要求度など)と分布変化パターンの関係を調べた。
分かったこと
北方への分布シフトよりも西方への分布シフトが2.6倍多く観察された。
西方シフトは気候変動よりも窒素沈着とよく相関していた。
生息地全体で高い窒素沈着を経験した種ほど、局所的な絶滅が多く新たな生息地への定着が少なかった。
過去の酸性化沈着からの回復が、窒素を介した西方への移動を促進した可能性がある。
研究の面白く独創的なところ
気候変動による北方シフトという一般的な予想に反する結果を示した点。
大規模な長期データを用いて、複数の環境要因の影響を包括的に分析した点。
種の生態的特性と分布変化パターンを関連づけて解析した点。
この研究のアプリケーション
生物多様性保全のための効果的な戦略立案に貢献する。
大気汚染物質の生態系への影響評価に新たな視点を提供する。
気候変動以外の人為的環境変化が生態系に与える影響の重要性を示す。
長期的な生態系モニタリングの重要性を示す。
著者と所属
Pieter Sanczuk (ゲント大学)
Kris Verheyen (ゲント大学)
Jonathan Lenoir (ピカルディ・ジュール・ヴェルヌ大学)
詳しい解説
本研究は、ヨーロッパの温帯林における植物種の分布変化を大規模かつ長期的に調査した画期的な研究です。これまでの一般的な理解では、気候変動の影響により多くの生物種が北方や高標高へ移動すると考えられてきました。しかし、この研究では予想に反して、西方への分布シフトが北方へのシフトよりも2.6倍も多く観察されました。
研究チームは、約3000地点の植生調査データを数十年の時間スケールで再調査し、下層植生の種ごとの分布中心の移動を詳細に分析しました。その結果、西方への移動が最も顕著であることが判明しました。さらに、この西方シフトは気候変動よりも窒素沈着とより強く相関していることが示されました。
興味深いことに、生息地全体で高い窒素沈着を経験した種ほど、局所的な絶滅が多く、新たな生息地への定着が少ないという傾向が見られました。これは、窒素沈着が種の分布変化に複雑な影響を与えていることを示唆しています。また、過去の酸性化沈着からの回復が、窒素を介した西方への移動を促進した可能性も指摘されています。
この研究の独創的な点は、気候変動による北方シフトという一般的な予想に反する結果を示したことです。また、大規模な長期データを用いて、気候変動、大気沈着、森林構造の変化など複数の環境要因の影響を包括的に分析した点も評価できます。さらに、種の生態的特性(窒素要求度など)と分布変化パターンを関連づけて解析することで、より深い生態学的洞察を得ることに成功しています。
この研究結果は、生物多様性の保全戦略に重要な示唆を与えています。気候変動対策だけでなく、大気汚染物質の削減など、複数の環境要因を考慮した総合的なアプローチが必要であることを示しています。また、長期的な生態系モニタリングの重要性も再確認されました。
今後は、この研究で明らかになった西方シフトのメカニズムをより詳細に解明することや、他の生態系や地域でも同様の現象が見られるかを検証することが課題となるでしょう。また、この知見を生かして、より効果的な生態系保全策を立案・実施していくことが期待されます。
最後に
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