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論文まとめ576回目 SCIENCE 建築資材に年間160億トンのCO2を貯蔵できる可能性があり、地球温暖化対策の切り札となりうる!?など

科学・社会論文を雑多/大量に調査する為、定期的に、さっくり表面がわかる形で網羅的に配信します。今回もマニアックなSCIENCEです。

さらっと眺めると、事業・研究のヒントにつながるかも。世界の先端はこんな研究してるのかと認識するだけでも、ついつい狭くなる視野を広げてくれます。


 一口コメント

Wafer-scale monolayer MoS2 film integration for stable, efficient perovskite solar cells
ウェハースケールの単層MoS2膜を用いた安定かつ高効率なペロブスカイト太陽電池の開発
「太陽電池の新しい材料として注目されているペロブスカイトは、高い変換効率が期待できる一方で、すぐに劣化してしまう課題がありました。本研究では、原子1層分の薄さしかないMoS2という材料をペロブスカイト層の上下に挟むことで、劣化の原因となるイオンの移動を物理的に防ぎ、さらに化学的な安定性も向上させることに成功しました。この技術により、高い変換効率を保ちながら、高温多湿な環境でも1200時間以上安定して動作する太陽電池の開発が実現しました。」

Dietary breadth in kangaroos facilitated resilience to Quaternary climatic variations
カンガルーの幅広い食性が第四紀の気候変動への耐性を可能にした
「約4万年前、オーストラリアの大型動物の90%が絶滅しました。その半分以上がカンガルーでした。従来、この絶滅は気候変動による植生の変化が原因だと考えられてきました。しかし、本研究は歯の表面の微細な摩耗痕を分析することで、当時のカンガルーのほとんどが草食や葉食に特化せず、様々な植物を食べる雑食性だったことを明らかにしました。この柔軟な食性は気候変動への適応を可能にしたはずで、絶滅の主な原因は人間の活動だった可能性が高いことを示しています。」

Photonic axion insulator
光学的アクシオン絶縁体
「アクシオンという素粒子は、宇宙の謎を解く重要な粒子として理論的に予言されていますが、実際には見つかっていません。この研究では、特殊な結晶構造を持つ光学材料を使って、アクシオンの性質を持つ状態を人工的に作り出すことに成功しました。この成果は、未来の量子コンピュータの開発や、新しい光学デバイスの設計につながる可能性があります。」

Quadruple-band synglisis enables high thermoelectric efficiency in earth-abundant tin sulfide crystals
地球に豊富な硫化スズ結晶における4重帯同期による高熱電効率の実現
「身の回りの電子機器の冷却に使われる熱電材料は、これまで希少で高価な材料に頼っていました。この研究では、地球上に豊富にある硫化スズという物質の結晶構造を工夫することで、効率の良い熱電材料を開発しました。4つの電子の帯(価電子帯)を同時に活用することで、約50度の温度差を生み出せる高性能な冷却効果を実現。環境にやさしく低コストな次世代の冷却技術として期待されています。」

Building materials could store more than 16 billion tonnes of CO2 annually
建築資材で年間160億トン以上のCO2を貯蔵可能
「コンクリート、レンガ、アスファルト、木材などの建築資材に二酸化炭素を閉じ込めることで、年間排出量の約50%を削減できる可能性が示されました。これは従来の建築資材を、CO2を吸収・貯蔵できる新しい材料に置き換えることで実現します。特にコンクリートの骨材は大量に使用されるため、最も大きな効果が期待できます。この方法は、既存の建築インフラを活用できる点が画期的です。」

Sexually dimorphic dopaminergic circuits determine sex preference
性別により異なるドーパミン作動性神経回路が性的選好を決定する
「マウスの研究から、通常時はオスメスともに異性との接触を好むものの、恐怖や不安を感じる状況では同性との接触を好むように変化することが分かりました。この行動の切り替えには、脳内のドーパミン神経回路が重要な役割を果たしています。オスとメスでは異なる神経メカニズムで制御されており、この発見は社会的な絆形成や生存戦略における性差の理解に新たな視点を提供しています。」


 要約

 単層MoS2膜をペロブスカイト太陽電池に組み込むことで、高効率と安定性を両立させることに成功

https://www.science.org/doi/10.1126/science.ado2351

単層MoS2膜をペロブスカイト層の両側に組み込むことで、イオン移動を抑制し、高効率(26.2%)と高い安定性を実現したペロブスカイト太陽電池を開発した。

事前情報

  • ペロブスカイト太陽電池は高効率だが、安定性に課題があった

  • イオン移動が劣化の主要な原因の一つだった

  • 従来の対策では効率と安定性の両立が困難だった

行ったこと

  • 単層MoS2膜をウェハースケールで作製

  • ペロブスカイト層の上下にMoS2膜を配置

  • デバイスの性能と安定性を評価

検証方法

  • 光電変換効率の測定

  • 高温高湿条件下での安定性試験

  • イオン移動の抑制効果の分析

  • 化学的相互作用の解析

分かったこと

  • 最高26.2%の変換効率を達成

  • 85℃、85%RHで1200時間後も5%以下の効率低下

  • Pb-S結合による化学的安定化効果を確認

  • イオン移動の物理的ブロッキング効果を実証

研究の面白く独創的なところ

  • 単原子層材料を用いて物理的・化学的な安定化を同時に実現

  • 大面積化も可能な実用的なプロセスを確立

  • 高効率と高安定性の両立を達成

この研究のアプリケーション

  • 高効率ペロブスカイト太陽電池の商業化促進

  • 大面積太陽電池パネルへの応用

  • 他の電子デバイスへの応用可能性

著者と所属

  • Huachao Zai 北京大学材料科学工程学院

  • Pengfei Yang - 北京大学材料科学工程学院

  • Yanfeng Zhang - 北京大学材料科学工程学院

詳しい解説

本研究は、ペロブスカイト太陽電池における効率と安定性のトレードオフという根本的な課題に対して、革新的な解決策を提示しました。単層MoS2という原子1層分の厚さしかない二次元材料を、ペロブスカイト層の両側に配置することで、イオン移動を物理的に抑制し、さらにPb-S結合を介した化学的な安定化効果も得られることを見出しました。その結果、26.2%という高い変換効率を達成しながら、高温高湿条件下でも1200時間以上にわたって安定に動作する太陽電池の開発に成功しました。また、このプロセスはウェハースケールでの製造が可能であり、実用化に向けた重要な一歩となります。


 歯の細かい摩耗痕から判明した更新世のカンガルーの柔軟な食性が気候変動への適応を可能にした

https://www.science.org/doi/10.1126/science.adq4340

オーストラリアの更新世後期における大型動物の絶滅の原因を探るため、当時のカンガルーの歯の摩耗痕を分析しました。その結果、多くの種が予想以上に多様な食性を持っていたことが判明し、気候変動による植生の変化に適応できたはずだと結論付けました。

事前情報

  • オーストラリアでは約4万年前に大型動物の90%が絶滅し、その半分以上がカンガルーだった

  • 絶滅の原因として気候変動説と人間活動説があったが、結論は出ていなかった

  • カンガルーの生態についての理解が不十分だったため、原因の特定が困難だった

行ったこと

  • オーストラリアの更新世の最も豊かなカンガルー化石群から歯の標本を収集

  • 歯の表面の微細な摩耗痕を最新の技術で分析

  • 現生種との比較を行い、当時の食性を復元

検証方法

  • 歯の微細構造をタンデム走査型共焦点顕微鏡で観察

  • スケール依存性フラクタル解析を用いて摩耗痕のパターンを定量化

  • 統計解析により現生種との比較を実施

分かったこと

  • 多くの種が頭蓋骨や歯の形態から予想されるより多様な食性を持っていた

  • ほとんどの種が草食や葉食に特化せず、混合食性だった

  • 食性の幅広さは気候変動による植生変化への適応を可能にしていた

研究の面白く独創的なところ

  • 最新の歯の摩耗痕分析技術を用いて、化石種の実際の食性を明らかにした

  • 形態学的特徴から推定される食性と実際の食性が異なることを示した

  • 絶滅の原因について新しい視点を提供した

この研究のアプリケーション

  • 古生態学における食性復元の新しい方法論の確立

  • 現生種の保護戦略への応用

  • 気候変動と種の適応能力の関係についての理解促進

著者と所属

  • Samuel D. Arman Museum and Art Gallery of the Northern Territory & Flinders University

  • Grant A. Gully - Flinders University

  • Gavin J. Prideaux - Flinders University

詳しい解説

本研究は、約4万年前にオーストラリアで起きた大規模な大型動物の絶滅の原因を探るため、当時のカンガルーの食性に着目しました。従来、気候変動による植生の変化が絶滅の主要因と考えられてきましたが、本研究は歯の微細な摩耗痕の分析という新しい手法を用いて、この仮説に疑問を投げかけました。分析の結果、多くのカンガルー種が予想以上に柔軟な食性を持っており、気候変動に伴う植生の変化に十分適応できたはずだということが明らかになりました。これは、絶滅の主な原因が気候変動ではなく、人間の活動にある可能性を示唆する重要な発見です。


 光を使って理論上のみ存在するアクシオン粒子を結晶内で再現し、未来のコンピュータへの応用の可能性を開いた研究

https://www.science.org/doi/10.1126/science.adr5234

3次元フォトニック結晶を用いて、これまで理論的にのみ存在が予測されていたアクシオン絶縁体状態の実験的実現に成功した研究。

事前情報

  • アクシオンは素粒子物理学における未発見の粒子で、暗黒物質の有力候補とされている

  • アクシオン絶縁体は特殊な位相的性質を持つ物質状態として理論的に予測されていた

  • これまでの実験的研究は主に2次元系に限られていた

行ったこと

  • 3次元フォトニック結晶を設計・作製

  • 結晶内での光の伝搬特性を詳細に測定

  • アクシオン絶縁体特有の位相的性質を実験的に検証

検証方法

  • マイクロ波領域での透過・反射測定

  • エッジ状態の観測と特性評価

  • 理論計算との比較検証

分かったこと

  • 表面に半整数のチャーン数を持つ状態の実現

  • 一方向性のカイラルなヒンジ状態の観測

  • 3次元での位相的輸送現象の確認

研究の面白く独創的なところ

  • 光学系でアクシオン絶縁体を初めて実現

  • 3次元系での位相的性質を直接観測可能に

  • 複雑な光の経路制御が可能になった

この研究のアプリケーション

  • 量子コンピューティングへの応用

  • 新しい光学デバイスの開発

  • トポロジカル物性の研究プラットフォーム

著者と所属

  • Gui-Geng Liu 南洋理工大学物理・応用物理学部門

  • Subhaskar Mandal - 南洋理工大学物理・応用物理学部門

  • Baile Zhang - 南洋理工大学物理・応用物理学部門

詳しい解説

本研究は、理論物理学で予言されていたアクシオン絶縁体という特殊な量子状態を、3次元フォトニック結晶を用いて初めて実験的に実現したものです。アクシオン絶縁体は、表面に特殊な電子状態を持ち、内部は絶縁体という性質を示す物質です。研究チームは、精密に設計された3次元フォトニック結晶を用いて、この状態を光学的に再現することに成功しました。特に重要な成果として、結晶の表面での半整数チャーン数の観測や、エッジに沿った一方向性の光の伝搬の実現が挙げられます。この研究は、将来の量子技術や新しい光学デバイスの開発に重要な知見を提供するものとして注目されています。


 地球に豊富にある硫化スズの結晶において、4つの価電子帯の同期により高い熱電効率を実現

https://www.science.org/doi/10.1126/science.ado1133

硫化スズ(SnS)結晶において、セレン添加とSnS2の導入により4つの価電子帯の同期(シンギリシス)を実現し、室温付近で高い熱電性能指数(ZT)〜1.0、300-773Kでの平均ZT〜1.3を達成。実験的な効率は約6.5%で、冷却装置では353Kにおいて最大約48.4Kの温度差を実現した。

事前情報

  • 熱電材料は、テルル化物など希少元素に依存

  • 広いバンドギャップを持つSnSは有望な結晶材料

  • 価電子帯の制御による性能向上が課題

行ったこと

  • セレン(Se)を添加したSnSにSnS2を導入

  • 4つの価電子帯の同期による電荷輸送の最適化

  • 実用的な熱電冷却デバイスの作製と性能評価

検証方法

  • 理論計算による電子構造解析

  • 熱電特性の温度依存性測定

  • X線回折・吸収分光による構造解析

  • テラヘルツ分光による電荷輸送特性評価

分かったこと

  • Sn空孔とSeの添加で4価電子帯同期を実現

  • キャリア輸送が大幅に改善

  • 室温で高いZT値と冷却性能を達成

  • 実用的な温度範囲で安定した性能を示す

研究の面白く独創的なところ

  • 4つの価電子帯を同時に制御する新しい方法論

  • 地球に豊富な材料で高性能を実現

  • 理論と実験の両面からメカニズムを解明

  • 実用レベルの冷却デバイスを実証

この研究のアプリケーション

  • 電子機器の効率的な冷却

  • 環境負荷の少ない熱電変換デバイス

  • 低コストで持続可能な熱管理技術

  • 廃熱回収システムへの応用

著者と所属

  • Shan Liu 北京航空航天大学材料科学工程学院

  • Shulin Bai - 北京航空航天大学材料科学工程学院

  • Li-Dong Zhao - 北京航空航天大学材料科学工程学院

詳しい解説

本研究は、地球上に豊富に存在する硫化スズ(SnS)を用いて、高効率な熱電材料の開発に成功しました。従来の熱電材料は希少なテルル化物に依存していましたが、この研究ではセレン添加とSnS2の導入という独自の方法で、4つの価電子帯を同時に制御することに成功。これにより、室温付近での高い熱電性能と、実用的な冷却性能を実現しました。特に、353Kにおいて約48.4Kという大きな温度差を生み出せる冷却デバイスの開発は、環境にやさしい次世代の熱管理技術として大きな可能性を示しています。


 建築資材に年間160億トンのCO2を貯蔵できる可能性があり、地球温暖化対策の切り札となりうる

https://www.science.org/doi/10.1126/science.adq8594

建築資材をCO2貯蔵能力のある代替材料に置き換えることで、年間約166億トンのCO2を貯蔵できる可能性を示した研究。これは2021年の人為的CO2排出量の約50%に相当する。材料の貯蔵能力よりも使用量が重要な要因となることを明らかにした。

事前情報

  • 気候変動対策には排出削減だけでなく、CO2除去技術の導入が必要

  • 建築資材は大量に使用され、数十年単位で使用されるため、CO2貯蔵に適している

  • 従来の建築資材生産は年間3.5〜11ギガトンのCO2を排出している

行ったこと

  • コンクリート、レンガ、アスファルト、プラスチック、木材などの建築資材のCO2貯蔵ポテンシャルを分析

  • 各材料の単位質量あたりのCO2貯蔵量と年間使用量を調査

  • 必要な資源の利用可能性を評価

検証方法

  • 2016年の材料使用量をベースに計算

  • 材料中の炭素は大気由来と仮定

  • 貯蔵は恒久的と仮定

  • 使用段階の排出は無視できると仮定

  • 様々な実装レベルでの感度分析を実施

分かったこと

  • 年間最大166億トンのCO2貯蔵が可能

  • コンクリート骨材が最大の貯蔵ポテンシャル

  • 材料の貯蔵密度より使用量が重要

  • 必要な資源は現状でも十分確保可能

  • 2025年までに実装すれば2100年までに1380ギガトンのCO2貯蔵が可能

研究の面白く独創的なところ

  • 建築資材全体のCO2貯蔵ポテンシャルを包括的に評価した初の研究

  • 材料の貯蔵密度より使用量が重要という意外な発見

  • 既存のインフラを活用できる実用的な提案

  • 細かい技術的課題も具体的に指摘

この研究のアプリケーション

  • 建設業界のカーボンニュートラル化への貢献

  • 新しい建築資材市場の創出

  • 政策立案への科学的根拠の提供

  • コスト効果の高いCO2除去技術の実現

著者と所属

  • Elisabeth Van Roijen カリフォルニア大学デービス校

  • Sabbie A. Miller - カリフォルニア大学デービス校

  • Steven J. Davis - スタンフォード大学

詳しい解説

この研究は、建築資材のCO2貯蔵能力に着目し、その可能性を定量的に評価した画期的な研究です。特に重要な発見は、材料自体のCO2貯蔵密度よりも、その使用量が全体の貯蔵ポテンシャルを決定する主要因となることです。例えば、コンクリート骨材は単位重量あたりのCO2貯蔵量は少ないものの、使用量が膨大なため、最大の貯蔵ポテンシャルを持っています。研究チームは、技術的な実現可能性に加えて、必要な資源の利用可能性も評価しており、現実的な実装に向けた課題も明確にしています。この成果は、建設業界のカーボンニュートラル化に向けた具体的な道筋を示すとともに、費用対効果の高いCO2除去技術としての可能性も示唆しています。


 生存の危機に直面すると、オスもメスも同性との社会的接触を好むように脳内ドーパミン回路が変化する

https://www.science.org/doi/10.1126/science.adq7001

マウスを用いた研究により、通常時と生存の危機に直面した時で社会的な性的選好が変化することを発見し、その神経メカニズムを解明しました。オスとメスで異なる神経回路を介して制御されることを明らかにしました。

事前情報

  • 社会的な相互作用は生存と繁殖に重要

  • ストレス下での社会的選好の神経メカニズムは不明

  • 腹側被蓋野のドーパミン神経は報酬と動機付けに関与

行ったこと

  • マウスの社会的選好の行動実験

  • 神経活動の光ファイバー記録

  • 化学遺伝学・光遺伝学による神経操作

  • ドーパミン放出の測定と受容体機能の解析

検証方法

  • 三室式社会的選好テスト

  • 恐怖条件付けによるストレス負荷

  • 特定の神経回路の活性化・抑制実験

  • カルシウムイメージング

分かったこと

  • 通常時は異性選好だが、危機時は同性選好に変化

  • オスでは異なる投射経路の競合で制御

  • メスではドーパミン放出パターンの変化で制御

  • 性別特異的な神経回路が存在する

研究の面白く独創的なところ

  • 社会的選好の状況依存的な切り替えメカニズムの発見

  • オスとメスで異なる制御機構の解明

  • ドーパミン系による柔軟な行動制御の実証

この研究のアプリケーション

  • 社会不安障害の治療法開発

  • ストレス関連精神疾患の理解

  • 性差に基づく個別化医療の発展

著者と所属

  • Wei A et al. 西安交通大学

  • Kang X - 西南医科大学

  • Wang C - 西安交通大学

詳しい解説

この研究は、マウスの社会的な性的選好が状況に応じて柔軟に変化することを示しました。通常時はオスもメスも異性との接触を好みますが、生存の危機に直面すると同性との接触を好むように変化します。この行動変化を制御する神経メカニズムは性別により異なり、オスでは腹側被蓋野から側坐核と内側視索前野への異なる投射経路の競合によって、メスでは側坐核へのドーパミン放出パターンの変化によって制御されています。これらの知見は、社会的行動の柔軟性とその性差に関する理解を深め、関連する精神疾患の治療法開発に新たな可能性を提供します。


最後に
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