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長野市「秋山食堂」玉子どん

店名 秋山食堂
場所 長野県長野市小柴見375
電話 026-228-8431
ジャンル 食堂
バリアフリー ◯
駐車場 あり
食べたもの 「ニラ玉子どんとラーメン」780円

飲食店でのオーダーとはアラカルト、すなわち前菜、副菜、主菜、デザート、第一おやつ、第二おやつとその日の体調や気分よって注文するものなのだという。優雅な食事のひと時は、自ら構築するもの。考えてみれば当然のことであって、それ以外であってはならないはず。

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ところが、世知辛さというのはいつの時代にもつきまとうもの。世の中、時間やお金に余裕のある人などそうはいない。私のような最下層庶民などは常にあちらへこちらへと右往左往するのが日常であり、優雅なランチタイムなど望むべくもない。そこで登場したのがプリフィクスメニュー、すなわち定食ものとなる。前菜、副菜、主菜が決まっているか多少の選択肢がある程度決まっていて、いちいち選ぶ必要もない、厨房も合理化できるというじつに優れたシステムなのだ。

となれば、丼ものはもっと素晴らしくシステマティックに完成されたものなのかもしれない。定食は盆の上に置かれている関係上、ある程度の面積が必要だが、丼ものは文字通り丼ひとつで済んでしまう。ご飯の上に惣菜を乗せるだけ、場合によっては別に漬け物や汁物が搭載されるが、それでも相当な合理化が成されている。丼ものが成立したのは明治維新前後というから、革命は食卓にも起きていたのだ。

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合理的かつ革新的な私は当然丼ものを好んで食す。そんな私の統計を取ってみると、もっとも多いのがカツ丼だ。豚肉、鶏肉、牛肉など素材の別。玉子とじ、ソースがけなど調理法の別はあるが、衣をつけ油で揚げた肉を米飯の上に載せる、という形式のものと接する率が高い。それからずいぶん下がって親子丼、天丼という順になろうがひとつ確実につきあいの少ないジャンルがある、それは玉子丼。カツも鶏肉も豚肉も牛肉も天ぷらも入っていない、背骨のないようなもののどこが美味いのか。と、思っていたが、どんなものであろうか。


「秋山食堂」

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いつものレジェンド食堂。いつもの日替りを狙ってお邪魔したのだが、少し時間が遅かったためか品切れとの事。それは残念だが、ここは何を食べても美味いから問題はない。壁に掲げられた黄色い短冊を仔細に検討したどり着いたのがこれだ。

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「ニラ玉子どんとラーメン」780円

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セットメニューとは大抵の場合、どちらかがミニサイズになるのが普通であろうが、天下の秋山食堂はそんなヤワなものではないく、きちんと一人前サイズが登場する。

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煮干しの香り高いさっぱり醤油ラーメン。ネギ、メンマ、チャーシュー1枚にナルトの桃色がレジェンドの気高さを表現しているようだ。

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そして主役の玉子どん。玉ねぎと大量のナルトさえあれば肉など不要だ。甘いのは昔ながらの味わい、とろとろは近年の流行と今昔のハイブリッドといえる玉子どんだ。そういえばニラが入っていないけど、まぁ気にしない気にしない。

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玉子丼を自分の意志で注文し食べるという経験は初めてだ。これはこれで美味いものだ。これからはカツ丼玉子丼半々くらいで食べるようにしてみるか。

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