病院勤務②
おっと、7月半ばを過ぎた。
大好きな浜木綿の花が咲き始めた。
この花を見ていると若い頃の夏を思い出す。
また記述が空いてしまった。
「病院勤務②」を書く。
前回とつながるかどうか判らないけれど。
病院勤務も3ヶ月ほど経つと、なんとなく仕事の中身がつかめるようになってきた。
レセプトの書き方も要領良くなった。特別な病気というのは少ないので、治療の内容もそんなに変わることがないことに気付いたのだ。
それを覚えると次はクスリの管理。いまのように医薬分業ではなかったので、クスリの在庫管理が重要であった。薬剤師がいるのだが、仕入とか在庫管理はボクの仕事になった。とくに仕入は病院経営に重要であった。
どれだけ安く仕入れるかの交渉を薬問屋としていく。薬仕入には「添付」という商売のシステムがあった。例えば、1000錠仕入れると200錠オマケが付いてくる。添付20%ということで、その部分が病院の利益となった。
いまで言うジェレニック薬品は極端に言うと100%の添付はざらであった。
だからと言ってそういう商品ばかりを仕入れていると薬剤師からクレームがつく。クランケ(この言葉が普通に使えるようになった)にはそれが判っている人がいてクレームがついたりしたのだ。それよりなによりドクター(医師をそう呼ぶ習慣も身についた)がそれにかなり敏感であった。
実はいまはそういうことは無いだろうが、カプセルがそのまま出てくるという話もあった。成分が同じでも製剤が劣る。そんな製薬会社があったのだ。薬九層倍という言葉もあったほど薬品業界は自由というか乱れている部分があったのだ。
同時にレントゲンフィルムの仕入れもするようになった。そして、ときどき、レントゲン写真の現像を手伝った。そうやって診療現場の近くを出入りしていると、白衣を着るように言われた。
やがて、クランケから先生と呼ばれようになった。初めは苦痛でたまらなかった。