「光る君へ」 第30回 つながる言の葉
気づけばもう30回。
ガイド本後編も終盤(35話まで収録)。※9月末完結編発売
48話完結とするとあと18話か。
ちなみに過去18回で何年分描かれたかというと、第1回/貞元2(977) 年〜第18回/長徳元(995)年で、18年分だった(18話で18年は偶然)。
寛和元~2(985~986)年の2年間を第7回~第12回まで6週に渡ってやってたのには驚く。
確かに寛和の変の前後、兼家一家には重要な年だったし直秀もあったけど、ちょっと時間かけすぎ?
でもこの頃もいろいろ文句言ってたけど今よりはまだ「大河」然としてたよなぁ(相対評価)。
やっぱり諸悪の根源はソウルメイトの恋愛パートだな!
どうでもいいけど、道長とまひろの逢瀬、見事に出先オンリーで笑う。
今回の舞台が前回から3年後の寛弘元(1004)年。
ちょっとネタバレになるけど、第35回が寛弘4(1007)年。
残り13話で道長死去の万寿4(1027)年までの20年をやるんだろうか?
その死が最終回かもわからないし、途中数年飛んだり上記のように同じ年が数回に渡ることもあるので予測できないけど。
三条期は道長を漂白するのは無理なので軽くやって後一条~望月に飛ぶ?
いずれにせよ、もうかなりのとこまで進んでるんだよな。
なのにいまだに「道長像」の輪郭がはっきりしてない。ボヤけてる。
脚本家は道長をどういう人物に描きたいんだ?
イメージを変えたいだか何だか言ってたような気がするけど、それって当然、悪→良っていう意味なんだよね。
いくら史実を漂白しても、ドラマの道長は何一つ自分で決められない男っていう印象しかないんだけど、これイメージアップ戦略としていいの…?
それとも「無欲だけど幸運と周囲に恵まれて上り詰めた男」としてあえてああいう風に描いている?(好印象とは?)。
今回は特に「道長君、相談しまくるの巻」だった。
【今日の行成】
全然触れられてなかったけど、前回敦康を彰子に育てさせることになった長保3(1001)年8月、行成は蔵人頭苦節6年の末ついに参議昇進を果たしてる。
今日は黒い袍は着てたけど、冒頭の参議勢揃いのところにはいなかった。
そして長保4年10/16、14年連れ添った妻が亡くなっている。
隆家からは睨まれ、行成は行成で「あの男は信用するな」と道長に注進。
この二人にそんな牽制し合う出来事なんかあったっけ?
それにしてもこの行成はほんとに道長の腰巾着すぎて…化けて出ていいぞ。
今日イチむかついたのが羹次の場面。
「枕草子の力はますます強まっております」って言ったあのイヤそうな顔!!
「枕草子より面白い読み物を」だと!?
よりによってキミがそれを言う(言わされる)とはね…。
もしや脚本家は視聴者に枕草子読者も多いことわかってない…?
わかってたら作中であれだけ仲良しエピがある行成をこんな風に描けないよな。
このドラマ自体が虚構だって証明してるようなもの(実際虚構だが)。
なぜことごとくわざわざ捻じ曲げてつまらなくする?
心情的には中関白家寄りだけど、仕事上道長サイドともうまくやらなくてはいけない、でも主上の立場もわかる…っていう行成でいいじゃん。
なんで道長一辺倒の崇拝者に描かれないといけない?
…しょせん道長の賛美者モブの一員だから枝葉を省いて単純化か。不憫。
さて例によって雑な感想を。
冒頭。主上の雨乞いが失敗したことになってるけど、成功してるから!(7/12〜14降雨)
ただそれでも旱魃は収まらないんで改元したんだよ。
実際は都のド真ん中で民が水に困ることはまずなかったらしい。道長、また晴明を頼る。
このドラマではほんとに世界の真の支配者は晴明なんだな。
そして晴明は天気も操る。陰陽師じゃなくもはや神。
主上の祈祷を失敗したことにしたのは、道長が世のために自分の寿命10年も惜しまず差し出したってことを描きたいがため?ハイハイ公任宅での和歌教室。公任の妻(ここでは敏子)初出。
このドラマでは前回の伊周妻もそうだけど、モブの妻の出自がまったく語られないんだよな。
父は村上天皇の皇子昭平親王、母は兼家の異母弟高光の娘でのちに道兼の養女になっている。結婚は正暦元(990)年なので結構前。
公任は「道兼の姻戚になったことで道隆から疎んじられ、官位の昇進も停滞することになった」(小町谷照彦「藤原公任」)。正暦3年には定頼誕生。昔の雅信邸での女子会みたいだけど、どういう人たちなの?名前もなし?
そもそもどんな経緯でまひろを講師として呼んでるんだろ。
羹次の場面で公任は「面白い物語を書く女がおるようだぞ」という言い方をしてるので公任が招聘したわけではない感じ。
和歌の「学びの会」っていうけどほとんどまひろの物語の朗読会では。あかね(和泉式部)が現れる。元夫の橘道貞は権記にもよく登場する。行成はしばらく道貞邸に住んでたこともある。
為尊親王は長保4年に薨去してるので、この時のあかねのお相手の「親王」は弟の敦道だけど「親王様」呼びなんだ。「宮様」じゃないのはなぜ。
和泉式部を脚本家のフィルター通すとああいう“いかにも”な解釈になるのか。
わかりやすいお色気過多なイメージ。
そういや俊賢と隆家に和泉式部との噂あったけど、少なくとも俊賢は違う気がw
このドラマの隆家なら五分に対処?できそうだけど。
あかねと敏子に「枕草子」は面白くなかったと言わせてるけど、これは脚本家の代弁なんだろうな。ほんとに他をサゲる手法しかないんだな。枕草子を読み返し定子様を想う主上。
伊周が殊勝に主上に定子様を忘れないよう説く横で隆家は怪訝な顔。
この時点で皇子は敦康だけで彰子が子を産む状態にないんだから、敦康の次期東宮を条件に居貞親王に譲位しようとは思わなかったんだろうか。敦成が生まれるまでの間、主上さえ思いきったら敦康を東宮にする道はあったと思うんだよなぁ。道長が黙ってないだろうけど。内裏で彰子の元にいる敦康を訪ねる主上。敦康に定子様の面影を見る。
倫子が几帳の影で赤染衛門に愚痴る。
「中宮様が何をなさったというの?」ってそれ、主上に非があるとでも?
主上が望んで入内させたのならともかく「いけにえ」として無理やりねじ込んできたのはおたくらでしょ?文句は夫に言いなよ。
「いけにえ」がいい扱いをされないからって嘆くのおかしくない?
挙句、倫子は道長と一緒に参内し主上に直訴する。
主上が冷たく言い放つのはごもっとも。もっと言ったれー!
この頃、倫子は従二位とはいえ、あんなに気軽に内裏に行けるもんなのか?
主上に対面、直訴はもちろん論外だと思うが。あかねの奔放さを見て「あかね様のように思いのまま生きてみたかった」というまひろ。いや〜十分思いのまま生きてると思うよ?
為時の頼通教育。前年に元服済。頼通が聡明とは初耳。
道長が何気に自分の子とは思えないと笑ってたけど、え、もしや頼通も(倫子の)不義の子なのか!?(違3年飛んでも伊周は呪詛中。
意外とコツコツ継続できるタイプなんだね?
もしや道長自身を呪ってるんじゃなく道長の大事なものを奪う方向で頑張ってる?…なら一番はまひろのはずなんだがまだ効果出てないね。
詮子、倫子、彰子…ではそこそこ結果出てる感じ?
この場面、直衣が同じだったので一瞬道隆に見えた。道長、悩み事がある時は晴明のところへGO!!
ほんとにこの道長は自分で何一つできない男だな。
そこで「光に会え」と示唆される。
道長、まひろに会いに行く大義名分GET!羹次。道長、主上の目を彰子に向けさせる方法を三納言に問う。
そんなミウチの話を?部下(参議)を姉ちゃん代わりにするな。
寛和の変の頃は斉信が経緯聞いてもダンマリだったのに今はやけにオープンじゃん。ここでもまた道長は人に意見を聞くばかり。
まひろの噂を聞いてピクっとなる。晴明に言われた直後だしさらに会いに行く理由ができたな!「枕草子」・中関白家の敵扱いは三納言の共通認識なのか。。
華やかな定子様サロンを懐かしむ雰囲気もあったのに。
斉信が枕草子=ききょう作ってことも知らないなんてありえないだろ。
「枕草子」の扱いがほんと雑でイヤになる。
まぁ「源氏物語」も同じか。ただの主上おびき寄せの道具(そういう側面ももちろんあるけど)扱いだもんな。それにしてもまひろがラフに書いてるその紙、どこから?越前から個人的なツテでもあるのか?
まひろ、賢子にやたら厳しくない?放火はいただけないが。
だってソウルメイトとの子なんでしょ。もっと大事にするんじゃないの。
賢子を見る場面でもそのことを思うそぶり全然ないよね。
主上が敦康に定子様の面影見たみたいに「道長様に似て来た…」って場面でも入れたら?それにしても雨降っておいてよかったわ。
【今日のソウルメイト】
冒頭のシーンで実は偶然の再会してるんだけど、すれ違い。
だいたい炎天下、まひろは何してんの?果物調達?お方様自ら?
ガイド本斜め読みしてたので「今度は賀茂の社で再会&逢瀬か!」と思ってたんだけど、違ったw
地味なジジくさい狩衣(変装?)で道長登場。…て道長この時39歳。なら当時の年相応?
第31回予告 「月の下で」
なんか唐突に「源氏〜」を書き始めるっぽい?
そしてこれまた唐突に直秀を思わせるセリフ。
あれから20年近く経ってるんだがよく覚えてんな。
源氏〜が実際の出来事をモデルにして書いたものって解釈になるみたいだけど、それでいいの??
主上が自分らがモデルみたいな悲しい結末ありの話を読みたいと思うかな。
楽しかった思い出を反芻できる枕草子と真逆じゃん。
道長から越前の“上質な”紙が大量に届けられるらしい…紙ならもうふんだんにあるみたいだけど?今の紙もそんなに質が悪くは見えなかったが。
次週8/11はオリンピックで休止。
書きかけで放置してた記事を投稿しようと思ってます。
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