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「光る君へ」 第46回 刀伊の入寇
>扉絵
「艦長!都から不審人物が大宰府に潜入したそうです!宋人と共謀との噂!」
「なに!これから『刀伊の入寇』があるというのにか!せっかくの隆家の見せ場を邪魔する気だな!?よし排除に向かう!!」
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最近はガイド本あらすじの内容でフライングで先に扉絵を作るんだけど(趣味)うさぎ軍が向かうべきは大宰府ではなく渋谷区神南だったかもな(物騒)。
*・*・*・*・*・*・*・*・*
あと3回となった今回、過去イチ筆が進まなかった。
書きたいことがないんじゃなくて、ありすぎてまとならない方の進まなさ。
なので無駄に字数は多いです。。
これまでもさんざん一条天皇や行成など「枕草子」で親しんできた「こっち側」の人物に無理矢理絡む場面を見せられて来たけど、ちょっとこれは異次元のレベル。
フォレスト・ガンプかよ?
(※実在の有名人や出来事の場になぜか“偶然”居合わせる男)
ドラマ最終盤の隆家の見せ場であり、「刀伊の入寇」初映像化という記念すべき回に「隙あらばまひろ」と出がらしの「国際ロマンス詐欺」をぶつけてくるセンス。
どこからこんなトンチキ展開を思いつくんだろう。。
でも「濃い」「盛りだくさん」とは違うんだよな。
小さい箱にエアーピロー(緩衝材)を限界までぎっしり詰めた感じ。
量は多いけど中身はスッカスカ。
隆家とまひろ
政庁を訪れたまひろに隆家が気づく。
「太閤様からそなたを丁重にもてなし、旅の安全を図るようお達しがあった」
…ということは隆家は道長から、
①いつ着くかもわからない(政庁に行くかもわからない)
②使いの役目でもない
③乳母子などの縁者でもない
④ただの物見遊山の一介の女房
を「もてなせ」という命を受けたってこと?
道長のこんな妙なお達し(文)を読んだ隆家が「どういうことだ?」と訝しがるシーンを入れるべきだったな。
でも隆家はそんな雲を掴むような相手と奇跡レベルで会えたのに驚くでもなく「そういえば」程度のトーン。
隆家の「おっ!やっと着いたか。そろそろかと待っておったぞ」とかのセリフがあればまだ納得するんだけど。
…いや、ここは「あんな別れ方をした自分にこんな気遣いを…?」とまひろが感動するための場面だから細けーことなぞどうでもいいね。。
続いての隆家のセリフ。
「俺たちを追いやった「源氏の物語」を書いた女房をもてなせとは酷なお達しだ」
「俺たちを追いやった源氏の物語」…?
源氏物語が一条天皇を彰子の元に向かわせたから、って意味?
それをやったのは物語じゃなく道長でしょ。書かせたのも道長なんだし。
冗談にしろなんかモヤる。
言いつけ通りまひろを「もてなす」隆家。気の抜けたほのぼの謎BGM。
隆家から道長の出家と病を聞き、動揺し目をうるうるさせるまひろ。
周明はそれを見逃さない。
まひろ「隆家様は明るく頼もしきお仲間に囲まれておられるのですね」
こういう状況説明的セリフがこのドラマを幼稚に見せてると思うんだよな。
見ればわかる場面に追いセリフは余計。
隆家とまひろとのシーンはここだけだったけど、太閤様の命のうちたぶん一番重要だった「旅の安全を図る」は守られなかったという結果に。
周明とまひろ
なんか常にこの2人が画面にいなかった?
これが筆の乗らない一番の理由でもあるので、深く考えず書き出していく。
まひろと再会した周明の第一声が「俺を恨んでないのか?」はないよな。
別れた時とは縁もゆかりもない遠地で20年ぶりに会ったらまずは「どうしてここに!?」じゃないの。あんな別れ方をしたのに再会して数秒で夫だの妻だの世間話。
周明に誘われ政庁に一緒に向かうまひろ。観光客?
いつも出入りしてる周明が一緒だから一般人も気軽に入れちゃうの?まひろが自分の歳を自虐的に言う↔︎周明が若く見えるという謎シーンが2回もあったけど、なんか意味があるの?
松浦に向かうまひろに船越の津まで一緒に行くという周明。いいの?
恵清「…コマル」
隆家に「通事のお前がおらなかったゆえ〜」って言われてたのに。途中、どこかの小屋で一夜を明かす一行。
てか、周明がいなかったら乙丸と2人でどうしてたのよ?
こんな場所で、というか「刀伊の入寇」をタイトルに冠した回でこんな恋バナに長々と時間使う意味がわからない。
なんとこのシーン、6分もあったんですよ!(詳しくは後で)
周「なぜ妻になれなかったのだ」
ま「…」(→まひろが断ったからでしょ?)
周「弄ばれただけか?」
ま「…」(→むしろ弄んだのはまひろの方じゃないか?)
やましいことは無言でやりすごすまひろさん。
この後の会話がまた例によって「意味ありげだけど何を言ってるかわからん」禅問答もどきなのでまひろのセリフだけ書き起こしてみる。
「偉くなって世を変えてとあの人に言ったのは私なのに本当に偉くなってしまったら…むなしくなってしまったの。そういうことを思う己も嫌になって都を出ようと思ったの」
「でも離れたかった」
「もう私には何もないもの」
「これ以上あの人の役に立つことは何もないし都には私の居場所もないの」
「今は何かを書く気力も湧かない」
「私はもう終わってしまったの…」
「終わってしまったのにそれが認められないの…」
「書くことが全てだったの。違う生き方なんて考えられないわ」
道長の栄華は自分のおかげと言わんばかりだよな。「ワシが育てた」?
頂点を極めた道長自身が「むなしく」思うのならわかるけど、ハッパかけてたまひろがなぜむなしくなる?
手の届かない人になったと寂しく思うならわかるけど。
「むなしくなって」離れたのは自分なのに居場所がないとか終わってしまったとか何急に被害者モードになってるの?
前回、浜辺の全力疾走で「解放を表現」したまひろはどこへ?
さすがにここの整合性のなさはまずくない?
そして「書くことが全てだった」には驚き。いつから!?
ビジネスライターだったよね。クライアントからの指示で書いてたよね。
「初めは頼まれて書いてただけだったけど」とかの前置きがあればわからんでもないが。。
6分間いつもの「何を見せられてるのだ…」だった。船越の浜。
周明が思わせぶりに「戻ったら話したいことがある」…ハイハイ、フラグフラグ。
まひろも何か予感したように頷く。
そこへ賊に追われた村人が逃げてくる。
転んだまひろを助け起こそうとした周明の胸に矢が。一連すべてが様式美。
…しつこいようだけど、今日のタイトル「刀伊の入寇」だったよね?
そこでタイトルに偽りないか検証!(暇人)。
今日のタイムテーブル(あくまで素人が雑に計ったものです)
00′07″ まひろ、周明に遭遇
01′27″ OP
04′12″ まひろ・周明思い出話
06′15″ まひろ・周明政庁へ
09′43″ 隆家・まひろ・周明(茶、宴会)
15′48″ 月、まひろ・周明
17′55″ 月、道長・倫子
18′44″ 政庁、市、まひろ・周明・乙丸(松浦に出発)
20′48″ 常覚、刀伊の入寇開始
30′08″ 倫子・赤染衛門(土御門殿)
32′17″ 博多警固所
33′57″ まひろ・周明・乙丸(船越への途中の小屋)
39′28″ 警固所
40′02″ まひろ・周明・乙丸(船越の浜)
42′28″ 予告
42′56″ 紀行
44′29″ 終了
計算するとおおよそ
・まひろと周明が一緒にいる場面→25分!!
・刀伊の入寇→12分
・道長・倫子・赤染衛門→3分
・OP→3分
25分て!
確かに体感も「大宰府での再会〜刀伊の入寇を添えて」って感じだったもんな。
46話でこの後絡むこともないオリキャラとのシーンに放映時間の半分以上を使うって。。
周明役の俳優さんの事務所に弱みでも握られてるの?
視聴者があの2人のシーンをそれほど望んでると思ってるのか、単に脚本家が強く望んでるのか知らんけど、どちらにしてもピントが相当ズレてるとしか思えない。
ストーリー内の2人の関係や会話の内容、周明が大宰府に戻ったまひろに何を言いたかったのかなどについてはどうでもいい興味がないので特に書くことなし。
刀伊の入寇
事件の経緯やあらましは概要くらいしか知らないんだよな。
ましてや隆家や配下の武士たちの装備などについてはあれが歴史的に妥当なのかそうでないのか判断する知識がない。
だからイメージ話になってしまうんだけど「出陣」って言葉にはちょっと違和感があったな。
とにかく言いたいことは、国際ロマンス詐欺話の合間に細切れに差し込むんじゃなく1話全編これに集中して欲しかった。
こういときこそナレや地図での補足説明があるべきじゃないのか。
大宰府、博多、能古島の位置関係や都との距離感とかが知らない人には全く伝わらなかったのでは?
時間経過もよくわからなかった。
実はそれっぽく描けてりゃよくて本気で描く気ないでしょ?
こういうのがこのドラマは恋愛>歴史ドラマなんだなと実感するとこなんだよな。
2回都のシーンが挟み込まれたけど、あれ今回必要だったか?
いや、もっとも不要なのは別のパートだけども。。
web芸能記事のSNSの落穂拾いぶりにはムカつくだけだから見たくないんだけど、仕事用win機のタスクバーにマウスオーバーすると勝手に出て来て目に入ってしまうんだよな(オフにしろ)。
うっかり読んで顎が落ちた記事をいくつか。
Buzzfeed。前回のリアル剃髪シーンについての「ネット反響」について。
「大河ドラマ史に残る名シーン」
「それを地毛でやってしまう柄本さんカッコいい」
「柄本佑くんの役者魂を感じました」
「地毛!役者さんってすごいな!って思いました」
…どこの「ネット」の話だろう!?
書のシーンは確かに役者さんの努力の賜物だと思うけど、、、髪の毛だよね?
ただ生理現象として伸びたものを剃るのに魂が関係あるの。。
どこかメモるの忘れたけど『柄本が実際に涙を流していることが分かる。これも、計算したものではなく、その間過ごしてきた時間を振り返ったからこそ流れた涙だったに違いない。』という記事も見た。
役者なら計算してくださいよ。
役者さんがこの2年間の撮影のいろいろを想って感無量になるのはわかる。
でも道長を演じてる最中に役者個人の感情が思わず漏れた涙が賞賛されるのはちょっと違うと思うな。
スポニチの記事。僧形の道長をF4が訪ねる場面。
『一条天皇と道長の間で板挟みになり、一時は大宰府赴任も願い出た懐刀・行成。感謝と労いの言葉に感涙した。』
そしてSNS上のコメントとして
「行成の涙にもらい泣き」
「行成くんが報われて本当によかった」
「行成の気持ちになって泣けた」
「ただただ行成様の涙が尊い」
「F4の絆に泣いた」
….…あんなので(コラ)?
史実の行成の生涯を知ってるから「ケッ!」としか思えないだけで、もしあのドラマの行成しか知らなかったら泣けるんだろうか.…?
「行成の気持ちに」なれるほどの行成の人となりの描写も存在感もなかったけど。
制作側としては、このテのわかりやすいパフォーマンスに素直に、感情的に反応してくれる視聴者がありがたいんだろうなぁ。
今回の周明SPも反響がすごいことになるの…?
「こちらの意図を的確にキャッチしていただいた」ってことになるのか。
こういう「ネットの反応」記事を見るたび、自分は「制作側に歓迎されない(or想定外の)視聴者」だったんだなと思う。
平安時代を知らない人の方が楽しめる“平安大河”とは何だったのか。
まひろよ「むなしい」っていうのはこういう時のことを言うの!
第47回予告 「哀しくとも」
・刀伊の入寇続き
・入寇絡みで朝廷ドタバタ
・予告の公任のセリフは『これまでお前(道長)が隆家を敵視してたから俺も同調して来たのに今さら違うと言うのか!?』な感じ?
・行成の反対は私怨のためにされる?
・道長の頭の中は、まひろ>入寇による被害