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2012年大河ドラマ「平清盛」を見る〈13〉感想
最後に短く感想を。
面白かった!!
最終回も最終回らしくよかった。
滅亡、悲劇だけで終わらなかったのが特に。
清盛亡霊の一門ひとり一人への「贈る言葉」、最後の笑顔の全員集合はあれは反則でしょ…(滂沱)。
初めの記事にも書いたとおり、同じ平安時代と言ってもこの辺りのことは「平家物語」で断片的に知ってる程度。
放映当時はもうテレビ全般をほとんど見なくなっていて、今みたいに「大河ドラマだけは見る」という習慣もまだなかった。
当時の兵庫県知事の「画面が汚い」発言はネットで見て「アホなこと言ってんな」と思った記憶があるくらい。
Xなどでこの大河の話題が出るたび、いつか見たいと思っていた。
ちょうど年末年始休みの時期でもあるし、平安風味の大量投与にすっかり慣れた日常が終わった寂しさもあって年明け早々オンデマンドに登録、見始めた(視聴開始:1/1、終了1/20)。
ドラマの第1回が1118年(清盛誕生年)だったんだけど、藤原彰子没年が1074年。つい44年前まで彰子が生きてた時代。
平家というとどうしても鎌倉時代直前ってイメージが強いけど、全然平安時代なんだよな(今さら)。
一気見だからなのもあるけど、時代の流れ(俗にいう「うねり」というやつ?)がよく実感できた。
最初は小汚いカッコだった清盛が一門が増えるにしたがってどんどん立派な装束になって貴族と変わらない暮らしに変わっていく。
その成り上がりぶりを憎々しく思いながらもある時は協調、ある時は策謀めぐらす天皇周辺、摂関家。
その辺の駆け引きがよく描かれてたと思う(去年見られると思ってた)。
鳥羽院ー得子時代の策略、後白河vs清盛に胸焼けする回もあったけど、話の辻褄も登場人物たちの心の動きもちゃんと制作側の意図が伝わったし、去年1年感じたような「何を言いたいんだ?」的モヤモヤには悩まされなかった。
ホントになんで視聴率が低かったんだろう?
武士大河、特に戦国時代ものの視聴率が高い方が異常なんじゃ?
今作を見て「去年はとてつもなくライトな(曖昧表現)ドラマを見せられてたのでは」と思ってしまった。
「ソウルメイト愛」がメインテーマの大河がいかに異質だったか。
去年のと比べると今作は(使い古された表現だけど)いかにも「骨太な」大河に感じる。
「平家物語」準拠描写に不満な意見もあるらしいけど、物語にも史実にもそこまで詳しくないから“ドラマ”の中の展開に集中できた。
……やっぱりこれが大河の歴史面を「楽しく見る」秘訣か!?
まぁそこをあまり考えるのはやめておこう…w
あと少しいくつか挙げて終わりにしたい。
メインテーマの「遊びをせんとや生まれけむ」の曲がいろんな場所で楽器やアレンジを変えて何度も登場して自然に耳に残る。
一貫性がある。劇伴もガチャガチャうるさくない。貴族の平安メイクがいい!とにかくいい!
特に男性にも施したのは制作側も勇気が要ったと思うけど快挙。
バカ殿イメージを恐れなかったのは偉い!ただちょっと貴族が風見鶏で狡猾っぽく描かれてたのは残念。
まぁ主人公がそういう「貴族の世」に向かっていくのがテーマだから仕方ないし、理不尽なほどサゲられてたわけじゃないので許せる。オリキャラ悪目立ちせず。
登場人物たちそれぞれの背景、立場が明解なので、彼らが取る行動に納得がいく。
清盛って歴史上の人物としていいイメージが持たれない人だけど、失敗したとはいえ短期間でも一部でも遷都をやり遂げたのは本当にすごい(小並感)。
都↔福原の移動シーンが全くなかったので距離感がイマイチ。
最終回良かったけど、壇ノ浦の後の源氏の時代(義経を討つとか)のシーンはいらんかったな。
せっかくの平家滅亡の余韻が台無し。
政子が平家滅亡の報を知らせた場面に戻るぐらいでよかったのでは?
第1回冒頭「清盛なくして武士の世は来なかった」や第2回「剣の行方がわからぬと聞いて清盛だと思った」のシーンを再度やって、そこからエンドロールの海中でエスクカリバーする若き清盛〜絶頂期の幸せな全員集合場面〜清盛の笑顔で「完」がよかったな。
平家の面々の最期はナレで済ませないでもっとちゃんと描いてほしかった。
義経や弁慶の死こそナレでもよかったんじゃない。涙腺が緩くないことで定評のある(?)自分だが、最終回は泣いた。。
あのピアノ曲、確認したいことがあって見返したらとっくに1話から流れてたんだな(節耳?)。
最終回、悲しい回なのに「見たくない」とはならず、何度も見返せた。公式ガイドブック(ちなみに当時は「大河ドラマ・ストーリー」という名前だったらしく“平清盛 ガイドブック”で検索しても他社の本しかヒットしなかった)も古書を注文した!届くのが待ち遠しい。
いつもは演じる役者さんにはあまり興味ないんだけど、今回は役柄をどう捉えてたのかとか撮影秘話とか知りたいんだよなー。
(なんだろう、去年とのこの違いは…)
以上「平清盛」感想でした。
見るのを勧めてくれた方々、ありがとうございました!