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「光る君へ」 第39回 とだえぬ絆

>扉絵(㊗️CSサヨナラ勝利記念)
いい気分だったのになぜか18時からモヤモヤしてきたな。
気分転換にちょっと体動かすかー!
シャドーピッチングじゃ感じが出ないからボール持って、と。
なぜか素振りにも力入るな!
でもテレビの近くでは気をつけないとな!(棒)
あーあーあー(棒)

*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*

今回、いろいろ盛りだくさんだったけど、やっぱり長かったな。
ソウルメイトシーンは少なかったけど、まひろファミリーの場面が主因。
あとは次回以降火種になりそうな話の匂わせいくつか。


朝廷には結構大きな出来事があった回だったのに尺はまひろファミリーに割かれ、ほぼあっさり。以下。

  • 寛弘6年11月25日、第三皇子敦良誕生。

  • 寛弘7年正月28日、伊周薨去。

  • 寛弘7年2月20日、妍子東宮妃。

  • 寛弘7年頃、顕光女延子、敦明親王妃。

  • 寛弘7年7月17日、敦康元服。

  • (朝廷外)寛弘8年、惟規死去。

黙って見てたらいまいち時間の流れがわからないドラマだけど、今話は3年間の出来事だったんだな。
この中からいくつか見ていこう。


伊周薨去

なんか、あっさり。
あれだけずーーーっとしつこく呪詛やらせといて、死ぬシーンあれだけ?
今までさんざんいかにも悪事を企んでるかのような描写や常軌を逸した様子で描いてきてあれで終わり?
何のためにあそこまで悪様に描いてきたの?
ちなみに道長は「御堂〜」に伊周薨去のことはいっさい書いていない。

隆家が竹三条宮を訪ねる場面でいきなり成体脩子様になってて驚いた。
相関図予告になかったよね。。
※放映後、次回相関図予告ページにやっと登場。

妍子

彰子の元を訪れた妍子が18歳年上の居貞親王への入内を愚痴る。
父上は帝の皇子も東宮様の皇子も自分の孫にして権勢を盤石になさろうとされるお方。私たちは父上の道具にございます」
この妍子の言い分、まったく正しいじゃん。
そこにまひろがしゃしゃり出て、諌めようとする。
恐れながらそのようなお言葉はご自身をおとしめられるばかりかと存じます」
何様?ソウルメイトを悪く言われて黙っていられなかった?
入内前とはいえ、相手は左大臣家姫(従二位)だぞ?継母にでもなった気なの?
妍子にうるさいと言われて当然。
相変わらず、彰子のそばにはまひろしかいない(学習中とはいえ)。

そして出たよ、トンデモ創作。
舞う敦明に御簾越しに熱い視線を送る妍子……なに?何を見せられてるの?
どこからこんなゲスな話を思いつくんだろう?
そしていったい何のために?
この脚本家さん、ほんとにこういうの多いよな。伊周でもそう。
貴重な尺さんざん使って後で「あれはなんだったの?」となる無駄なシーン。
妍子が彰子より派手好きで軽薄というイメージを強調したい→敦明に迫ることにしたろ!なんて普通浮かぶか?

まひろファミリー

賢子の裳着祝いの品を前に惟規が言う。
やっぱり自分の子はかわいいんだな」
まひろもいとも特に制するでもなく会話を続ける。。。
そしてただ一人、知らなかった為時が驚く。
そんなあっけらかんと、大っぴらにする話なの?
…何を見せられてるの?この場面はコメディ??
一応「不義の子」なんでしょ?
その後ろめたさや後悔を物語に投影してたんじゃないの?
…なんかこういうところが、情緒が合わないっていうのかなぁ。
周波数が合わないんだよな。
音楽もふざけた感じで、ほんとなんなの?

為時も惟規も昇進し、いとの「上向いてまいりましたよご運が」はもう壮大なフラグでしかなかったな。
今回、惟規の最期があったから家族のシーンが長かったけど、今回だけでなくこれまでもどうもまひろが家族を想っている様子が感じられないんだよな。
だからああいうアットホーム場面もなんか醒めて見てしまう。

敦康

う〜ん、なんで今回から成人キャストに変わる必要があったの?
ちょっと…いやかなり不自然というか、違和感あったな。

彰子の手を握って離さない敦康の元に割り込む道長。
まひろ局で「お前の物語にかぶれている」だ!?
被れてるのはキミでしょ。
いや、そもそも源氏物語に準えて史実を曲げてるのはこのドラマでしょうが。
なのに道長にあんなセリフを言わせる滑稽さ。
敦康に史実以上の理不尽な印象を植え付けるのはやめてほしい。
道長は行成に竹三条宮への移御を命じるけど、こんな事実はなし。
主役は創作、主役以外はテキトー、どこが大河ドラマなのよ。

敦康の御在所についてだけど。
前回、10月4日に一条院(ドラマでは藤壺)が焼亡し翌日敦康と脩子様が伊周邸(室町第)に避難してたけど、実際はその4ヵ月も前の6月28日、敦康はすでに「七間屋ななけんや」というところに遷御している。
権記にも御堂にも残ってるのに公式X君はスルー。
このあたりのことについて少し長いが、下玉利先生の『枕草子周辺論 続編』から引用する。

寛弘6年6月28日条
『権記』
内裏に参った。今日、一宮は七間屋に遷御された。亥剋であった。

『御堂関白記』
「一の宮(敦康親王)は、西室(一条院西対西廂)に移られた。戌剋のことであった」ということだ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎ ⚫︎

…翌廿八日に至り、「一宮」に関して固く口をとざしていた『御堂関白記』は、前年四月十九日「祭御見物」以来、満一年二か月余の沈黙を破って「親王御在所の移動」を特筆する。
(中略)
それは果して何処に存在した如何なる建物であったろうか?現存「三記」に徴する限り、当該関係記事、廿七・八両条にしかあらわれない名称であり、一条院内主要殿舎をはじめ、附属建造物についてみても、確認は全く不可能である。
敢えて臆測を逞しくすれば、それは、「別納」内、西部に位置する「七間」の建造物と見做すことが、最も妥当ではなかろうか。
(中略)
件の「七間屋」が別納に存在する場合はもとより、かりに百歩譲って一条院内別殿を意味するとしても、この時点において、帝は何故たわやすく道長の慫慂しょうよう(強い勧め)に従い、「親王の移御」を許諾されたのであろうか。
(中略)
しかし、彰子懐妊、若宮ともども退下という偶然の契機がもたらした、天与ともいうべき愛子との「円居」を確保するための努力なく、空しく左府に屈しられたのは何故か。
極言すれば、それは摂関政治完成期の潮流における、天皇対政務執行者の力関係のアンバランス、加うるに繊細さ故、時として優柔不断に陥る一条帝のウィーク・ポイントに乗じた道長の老猾に由来するといって過言ではない

若宮を擁し得た今、彼にとって、一宮はもはや利用価値なき”不用品”となった。しかしなお彼は、敦康に及ぼす「養祖父権」を抛棄ほうきしはしない。否、若宮の行手をおびやかすこの皇長子を、絶えず牽制し束縛するていの、ネカティヴな「養祖父権」を発動し続けるのである。「七間屋移御」はその一端にすぎない。ここでは悲願に裏うちされた天皇の「父権」は、かかる政略の具として計算された「養祖父権」に、はるかに及ばないのである。

下玉利百合子『枕草子周辺論 続編』

行成と道長で移御の時間が微妙に違う。
そして道長のは伝聞(立ち会ってない)。
一宮(敦康)についてこの日の記述が1年2ヵ月ぶりというのに驚く。
『御堂〜』に敦康の記事が途絶えた寛弘5年4月19日以降何があったか。
この翌月からあの金峯山詣のための長斎に入ってるんだよな。
で、12月頃懐妊。翌寛弘6年9月11日敦成誕生。
そりゃあ敦康のことを考える暇はないし、考えたしても帝から遠ざける方法とかだったろうな。
せっかちな道長のことだから彰子懐妊がわかった時点でもう動いてたのかも。
権記でも27日に翌日の移御の前に七間屋を「巡検した」と唐突に出てきただけでその経緯は書かれていない。
いずれにしろ皇子が生まれるかどうかもわからない時点ですでに道長は敦康を遠ざける策を練っていたということ。
これが当たるところがこいつの強運なところなんだよな(悔)。

その逆が敦康。
どうしても主上いかんで敦康の人生はもうちょっとどうにかなったんじゃないかと思ってしまう。東宮→天皇になるのが幸せかどうかは別問題として。
主上崩御後、敦康は御在所としていた一条院別納から二条第へ(一条院を敦成の御領とするため)、二条第から枇杷殿へ(二条第を威子の里第とするため)など道長家の都合によって移御を余儀なくされる。。

でも敦成が生まれて敦康を邪魔にするのは最高権力者としては当然のこと。
荒唐無稽な女性週刊誌ネタ的「継母への許されない想い」なんていらんのよ。
もはや道長漂白関係なく、単にこういうネタが好きでねじ込んでるだけでしょ。


前回の主上と彰子の御帳台での場面。
「道長が敦康を元服させて帝から遠ざけようとした。それに心を痛めている帝にとって彰子の愛がどれだけありがたかったか」みたいなポストを見かけた。
これ、脚本家の意図がストレートに感情に届いてる感想だよな。
こういうふうに“正しく”キャッチできる人こそ制作側が求めてる視聴者なんだろうなぁ。

美術展ナビ」のチーフプロデューサー氏の記事。
この記事の中の楽しげな「制作サイドとファン」の話がまさにこれ。
P氏、創作ストーリーと「思い」(感情)についてしか語ってない。
「歴史」はどこ?平安時代が舞台である必然性はどこ?
このPにしてこの脚本家あり。最強(凶)タッグだったんだな。
まぁ、でもすごく腑に落ちた。
ならああいうドラマになるのも当然。
そして自分とは相容れないのも当然。


第40回予告 「君を置きて」
……これは。
どういう解釈をする気なのか。
わざわざタイトルにしておいて解釈スルーで『ナレ)帝は…という歌を残した』でお茶を濁されたらちょっとキレるぞ。
彰子宛ってことにしてもキレるけど。
・行成がついに…道長の甘言に騙されて哀れ。。
・双寿丸、本格登場?(⏭️スキップタイム〜)


おまけ

テレビに罪はないことに気づくも時すでに遅しの図


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