『ガメラ -Rebirth-』～ガメラ対怪獣、そしてガキンチョ達の一大冒険譚！
驚いた。少しずつ観るつもりが、一気に鑑賞してしまうほど面白かった！
ガメラ、復活ーー。
— 『GAMERA -Rebirth-』公式 (@gamera_rebirth) September 6, 2023
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『GAMERA -Rebirth-（#ガメラリバース）』
いよいよ本日【日本時間：9月7日16:00】Netflixにて世界配信が開始。
傷つきながらも戦う #ガメラ。
そして少年たちは伝説を目撃する。#ガメラリバース祭 のタグにて、質問・感想などお待ちしております。 pic.twitter.com/fIBA0dC6A2
「9/7配信開始」というから『ゴジラS.P』のように毎週１話ずつ流すのかと思いきや、一気に６話全部公開だった。それなら１話ずつ観ていくつもりでいたが、そうならなかった。というか、そうさせてくれなかった。
ざっくりとだが書いておく。
１：キャラクターについて
ボコ、ジョー、ジュンイチ、そしてブロディ。もともと前者３人で秘密基地を作って遊ぶような仲良しグループに、どういういきさつで外人少年が加わるのかと思っていたが、ギャオスの出現及び遭遇、襲撃で図らずも彼等は行動を共にするようになった。やがてギャオスは別の怪獣＝ガメラによって倒されるが、その激闘の一部始終を見届けた直後「ユースタス財団」に所属するという二人の男女と出会う。ここまでが第一話。出だしこそジュブナイルものだが、全編通しで観ると物語はこの第一話ラストからが本番だといっていい。
さてその子供達４名に目を向けると、いずれ劣らぬ生意気なガキンチョ要素満載で、かつそれぞれの身辺に複雑な事情を抱えているという、一筋縄ではいかない子供ばかりだ。勉強勉強とウルサイ親がいたり、訳アリの父子家庭だったり、はたまた父親が将軍だったりと様々だ。とりわけボコとジョーがまるで兄弟のように接しているが、そこにもきちんとした理由があり、さらには第一話のアバンタイトル部にも繋がるとは。まさか、である。
一方でそういったものを全く感じない何とも自由人なジュンイチが実は……というのも全く想定外だった。個人的にはコレが一番驚いた。え、お前そうだったの？ 大のオカルトマニアで機械いじり大好き、４人のガキンチョの中で大人顔負けの知識を展開させて一番ませてると思ったが、そう来るとは。
以前この記事でも書いた通り、劇中の子供達がクソガキだからこそガメラ映画は痛快で面白いのである。今回の『ガメラ-Rebirth-』もその要素を存分に含んでいたので安心した。
その一方で大人達も何一つ負けてはおらず、生意気なガキンチョを十分跳ね返すほどの力を持つ癖者ばかりだ。ボコの母親やブロディの父はもちろんだが、とりわけユースタス財団のタザキとエミコに関しては、先の４人と行動を共にするがゆえ、理解者にもなりかつ対立し合う立場にもなってしまう。大人は子供達の自由奔放さに振り回されると同時に、子供達が大人達の事情に振り回されることもある。まさに両者一歩も引かずだ。
しかし「財団」の真の目的が明らかになると、今度はその「大人達の事情」が末恐ろしいものになってくるのだ。加えて、ここでもやはり想定してなかった展開が待っている。中盤から終盤にかけてのどんでん返し、と書くとネタバレになるかもしれんが、そんな要素を一切感じさせることなくサラリと恐ろしいキャラへと変貌する描写には本当にやられた。しかしその行く末はやはりというか、である。ここは今回登場しなかったバルゴンにおける某登場人物にも通じるトコがあっただろう。
２：怪獣達について
PVだと作画タッチがいかにも人形チックで、怪獣もやはりそうなのだが、それでも十分怪獣プロレスをしていたと思う。昭和に登場した怪獣達が現代にブローアップして復活したのはやはり嬉しい。
ギャオスはもう平成期に散々出てきたからとりあえず置いといて（許せ）、それ以外のジャイガー、ジグラ、ギロン、バイラスもガメラを苦しめる強敵として大暴れし、見せ場を作りつつしっかりガメラとガチバトルをする。昔と同じ能力ではないが、陸の怪獣、海の怪獣、武器のような怪獣、そして……という具合に、人間同様の個性はあったと思う。とりわけギロンに関しては本当に全身が刃物で、見たまんまのインパクトを残しつつ、ちゃんと昭和リスペクトな能力まで披露する。この設定が心憎い。
ならガメラはどうなんだ？ というと、そんな個性的な怪獣に負けない戦いっぷりを十分すぎるほど見せてくれる。ガメラのやられっぷり（つまり敵怪獣の持つ能力）と、そこからの大逆転はやはり観ていて痛快だ。これが怪獣プロレスでなくてなんなのか。あとはガメラの飛行スタイルについても書きたいが、これもネタバレになってしまうか。でも「アレ」をここぞという時にやってくれたのは本当に良かった。やはりガメラはアレでないと。
ジュブナイル要素は『小さき勇者たち』に近いものの、全体を通してみると昭和ガメラシリーズから平成ガメラ三部作まで網羅している細かな設定が嬉しい。元ネタを探すだけでも楽しいが、それを知らずとも奇想天外な一大怪獣絵巻であり、かつほんのささいなことがきっかけで始まった少年達の冒険譚にもなっている。ガメラを知らずとも楽しめるだろう。
正直どうなるものかと不安も抱いていたが、良い形で復活させてくれた制作陣に感謝したい。裏切ってくれてありがとう。
＜追記＞
エンドロールでもやってくれた。そうだよな、ガメラだもんな。