キャプテンウルトラ第18話「ゆうれい怪獣キュドラあらわる」
ゆうれい怪獣だけにホラー回だったが、この18話に関しては宇宙の青さにも一切気にならないほどの恐怖と絶望を描いていた。
今まではピンチの時にキャプテンがシュピーゲル号で駆けつける展開だったが、前回17話でシュピーゲルはバクトンに対し捨て身の特攻を行ったため喪失。脚本でその設定を引き継いだのか偶然なのかはともかく、今回はSOSを呼べないという状況で登場人物たちを恐怖と絶望に追いやっていく。そしてホラー界で描かれたのは怪物の怖さよりもその恐怖と絶望であり、これこそが今回の肝だったうえに鏡や小窓、ドアの隙間を活かした演出も上手い。
一方で怪獣キュドラは死んだ人間の魂を餌にしているというが、ならば単に遭難者を自ら襲えばいいはずだ。なのにそうしないのはおそらくキュドラの意図的な行為で、どうせ彼らはいずれ野垂れ死んで自分の懐に入るのだから、その前に恐怖と絶望で弄んでからにしようと違いない。何とも性格が悪い怪獣である。
そんな状況下においてもなお希望というか、最後まで諦めないのがキャプテンの凄さだった。単に明るい言葉で励ますのでなしに
「こんな子供をこんなところで死なせられるか! 俺はこの子供を連れて必ず宇宙へ帰る!」
と自らの決意を叫ぶ。護るべきものがあるから戦う、だからいかなる時でも勇気を失ってはならないことを訴えて、皆を絶望の淵から救わんとするキャプテン。本当に頼もしい。
ところでキュドラの名前は「ドラキュラ」に由来してるとの話もあるが、物語ではそこに引っ掛けた倒され方なのも実に「ゆうれい怪獣」っぽさがありましたな。
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