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『Cities:Skylines』でリアルな日本が見られるかも?

 行政がシミュレーションゲームを活用する時代になるとはねぇ。

 国交省が突然ゲームのMod制作を検討しているのには訳がある。というのも、国交省は2020年より、「Project PLATEAU(プロジェクト・プラトー)」(以下、PLATEAU)を進めている。PLATEAUは、現実の都市空間を再現した3D都市モデルの、オープンデータ化を目指すという計画だ。
 内山氏によると、オープンデータ化といっても、ただ3D都市モデルやデータを公開するだけではないという。PLATEAUの一環としては、国交省自らがさまざまなユースケースを開発。地方自治体や民間サービスへの利用を促すため、きっかけづくりをしているのだそうだ。

上記記事より

 記事内で紹介されている「嘉瀬川ダムバーチャル見学ツアー」を実際に見てみると、ダムの構造をしっかり再現するなどの細かさがある一方で、建造物や構造物についてはまだ作り込みが必要だと感じます。バーチャルで街を観るといえば「GoogleMap」の3Dもありますが、衛星や航空写真を立体化しているのでパッと見だと本物っぽいものの、細かいテクスチャに関しては結構甘々です。もちろん、ビル一つとっても外階段や空調機器等がありますし、それらを全て処理していたらデータがいくらあっても足りません。簡略化しているのでしょう。

 そこで目を付けたのが『Cities:Skylines』で使われるMOD製作のノウハウだったようです。データとして扱いやすいうえにリアルさも有する。どこまでリアルに作れるかについては、下の動画を観ていただければ一目瞭然。
 この現実感と街としての美しさ、憧れます。

実際に遊んでみて分かる、その奥深さ。

 『Cities:Skylines』は自分も時折プレイしています。簡単に説明すると『シムシティ』の進化系といえますが、過去に初代スーファミ版→2000→3000→4で遊んだ身としては「ここまで出来るのか!」と驚くことしかりです。リアルさはもちろんですが、様々な要素と概念が増えた点にも注目です。

 開発したい土地を住宅地区・商業地区・工業地区といった基本的なエリアに分けて、電気・水道といったライフライン、そして道路やごみ処理といった生活インフラを整えながら街を成長させていく。ここまでは一緒です。
 ですが、このゲームは「人の流れ」「モノの流れ」という概念が実にはっきりとしていて、より良い街にするにはそれらを常に見極めて改善していく必要があります。

 住宅地区にいる「市民」は商業地区と工業地区の両方に移動します。一方で「モノ」は工業から商業へ、または市外へと移動します。これらの移動及び輸送を担っているのは基本的に「車」です。もちろん距離が近ければ「市民」は徒歩で移動出来ますが「モノ」はそうもいきません。必ず「車」が必要です。車は道路を走ります。やがて道路は市民とモノを載せた車で一杯になります。それを放置するとどうなるか?
 市民は商業・工業地区へ行けなくなるため失業し、さらには工業地区から商業地区へモノが送られなくなるため両者とも廃業します。最悪です。

 それを避けるためには「どこにどのようなエリアを設けるか?」そして「市民とモノの導線を上手く捌ける道路を、どこにどうやって敷設するか?」を同時に考える必要があります。
 加えて、市民やモノの移動手段は「車」だけではなく「公共交通機関」もあります。人のみが利用できるバスや地下鉄、人とモノ両方が輸送可能な鉄道と船舶、さらには空港もあります。これらを駆使して人とモノの流れを捌き、街を発展させていく……
 もちろん計画通りに事が進むとは限らず一筋縄では行きませんが、自分なりに考えた街だからこそ良い街にしたい。時には思い切った施策も必要です。これまで何百時間とプレイした中で、かなり大胆な地区移動も何度か実施してます。街作りに手順はあっても正解は無い、そんな風に思うのです。

 しかしこのゲームはさらに化けます。ダウンロードコンテンツが加わると、工業地区すなわち産業となる部分に「漁業」「農業」「石油業」「鉄鋼業」「林業」といった天然資源にかかわる要素が増え、それらをそのまま輸出するか、特殊な工場を設置し加工品にして消費or輸出することで市の財政を潤すことが可能になります。おまけに農業であれば「肥沃な土地」、石油業であれば「油田」といった地形的成約も入るため、ますます考慮する部分が出てきます。

 大変といえば大変ですが、ここまで来るともう楽しいです。今日はこの地域に手を付けようとか、バス路線を再構築して利便性の向上を図ろうとか、本気で考え始めたらキリがない。いくら時間があっても足りません。夕食後に始めたら日付が変わりかけてたなんてことも。まさに時間泥棒。

 オススメしますが、夜更かしにはご注意を。

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