最新戦法の事情【振り飛車編】(2022年1月号 豪華版)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋の最新型を解説したいと思います。
なお、当記事の注意事項は、こちらをご覧くださいませ。
前回の内容は、こちらからどうぞ。
最新戦法の事情 振り飛車編
(2021.12/1~12/31)
調査対象局は66局。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。
◆先手中飛車◆
~存亡の危機?~
10局出現。盛んに指されている訳ではありませんが、出現率は15.2%であり、低い数字ではありません。ただ、はっきり言って、現環境では苦戦気味ではあります。
先手中飛車の旗色が悪い理由は、後手超速に苦しめられていることが最たる理由です。従来は▲6六銀型で対抗すれば悪くない風潮でしたが、現環境では居飛車に桂の活用を優先する攻撃特化の駒組みを採られると、どうも芳しくない情勢になりつつあります。(基本図)
この組み方をされると、振り飛車は不利になりやすい変化に誘導されてしまいます。詳しい解説は、以下の記事をご参照くださると幸いです。
そういった事情があるので、現環境では▲6六銀型ではない駒組みに活路を求める動きが出ています。今回は、その工夫を取り上げたいと思います。(第1図)
■ ▲6八銀型から▲5四歩
▲6六銀型は力強い構想ではあるのですが、角が使いにくくなることがデメリットでもありました。この▲6八銀型から▲5四歩と動く指し方は、角道を止めないことを最大限に活かした指し方です。▲6六銀型とは趣旨が真逆のプランと言えるでしょう。
基本的に、超速という戦法は、△7五歩と突っ掛けて振り飛車の角を目標にすることが狙いです。ゆえに、振り飛車は目標物である角をさっさと捌いていまう方が対処しやすいと踏んでいる訳ですね。
なお、この作戦の実例としては、第80期順位戦B級2組8回戦▲北浜健介八段VS△飯塚祐紀七段戦(2021.12.8)が挙げられます。(棋譜はこちら)
ひとまず、ここから△同歩▲同飛は妥当な進行でしょう。そこで居飛車が何をするかです。(途中図)
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