最新戦法の事情 【居飛車編】(2020年11月号 豪華版)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。
なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。
最新戦法の事情 居飛車編
(2020.10/1~10/31)
調査対象局は114局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。
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◆角換わり◆
~桂ポンにどう対処するか~
26局出現。出現率は約22.8%。9月と比べると5%ほど増加しています。これは桂を軽やかにポンと跳んでいく作戦が有力であることが浸透し、先手番が積極的に角換わりを志向していることが原因だと推察されます。
なお、桂をポンと跳んでいく作戦とは、以下の将棋のことを指しています。現環境では、これが優秀と見られていますね。(参考図)
この作戦の趣旨は、キャプションに記したように[△6二金・△8一飛型]に組まさないことです。「受けの布陣が整う前にやっつけてしまえ」という意図があり、即効性理論に則った作戦だと言えるでしょう。
現環境では参考図の局面になると、先手のほうが勝ちやすいと認知されている傾向を感じます。ゆえに、ここ最近の後手は、少し駒組みの形を変えて対抗するようになりました。(第1図)
参考図と瓜二つではありますが、△9四歩を省いて駒組みを進めているのが後手の工夫です。端歩をお付き合いすると[△6二金・△8一飛型]が間に合わないので、この一手を切り詰めようという訳ですね。
これに対して先手がじっくりとした展開を選ぶなら、▲9五歩から位を取って腰掛け銀に組むことになります。けれども、後手は△9三歩型の腰掛け銀になっても大いに戦えるので、その進行なら不満はありません。
なお、△9三歩型の優秀性については、以下の記事をご参照ください。
そういった背景があるので、やはり先手としては速攻の姿勢を貫きたいところです。したがって、ここでは▲3五歩と突っ掛けるのが作戦の趣旨に沿った一着だと言えるでしょう。(途中図)
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