最新戦法の事情【振り飛車編】(2020年12月号 豪華版)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋の最新型を解説したいと思います。
なお、当記事の注意事項は、こちらをご覧くださいませ。
最新戦法の事情 振り飛車編
(2020.11/1~11/30)
調査対象局は72局。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。
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◆先手中飛車◆
~抜群の柔軟性~
7局出現。出現率は9.7%でした。10月では19.7%だったので激減しています。このところ採用数の波が激しく、振り飛車が見送っているのか居飛車が避けているのか、よく分からないところはありますね。
居飛車の傾向としては、11月上旬では左美濃系統の作戦が散見されました。これは、後手超速を選ぶと以下の局面に誘導されたときに課題があることが理由だと推察されます。(第1図)
こういった局面になったとき、居飛車は△3三銀→△4四銀と繰り出すのがお馴染みの指し方ですね。しかし、それでは上手くいきません。詳しい理由は、以下の記事をご参照ください。
そんな経緯があったので居飛車は左美濃系統の作戦に鞍替えしていたのですが、11月下旬に新たな作戦が登場しました。今回は、それを解説しましょう。
まず、第1図から△5二金右▲2八玉△4四歩▲4六歩△4三銀と穏やかに駒組みを進めます。ここまでは昔から見かける指し方ですね。(途中図)
振り飛車は6九の金を囲いにくっつけたいので、▲7八飛→▲5八金左→▲4七金と進めるのが自然。対する居飛車も金を4筋に寄せて、囲いを強化していきます。
先手は高美濃を作ったあとは、▲5九角と引いて敵陣を揺さぶるのが常套手段ですね。次に▲7五歩があるので、後手が△7二飛と寄るのも妥当でしょう。すると、以下の局面になることが予想されます。(第2図)
途中図から手なりで指せばこうなると言った局面ですね。先手としては、ここからの構想が考え所です。
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