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最新戦法の事情 【居飛車編】(2022年1月号 豪華版)

どうも、あらきっぺです。

タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。

前回の内容は、こちらからどうぞ。


最新戦法の事情 居飛車編
(2021.12/1~12/31)


調査対象局は85局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。


◆角換わり◆
~守備の銀の効率に差をつける~


17局出現。出現率は20%。トップメタの座は相掛かりに譲っていますが、多くの支持を得ている戦型ですね。

相変わらず腰掛け銀系の将棋が多数派ではありますが、現環境の相腰掛け銀は、後手の△9三歩型が強敵です。

この戦型は、後手が攻勢に出やすいことが特徴の一つです。先手は悪くないものの、明確なリードを奪うことも容易ではない印象ですね。

なお、△9三歩型の詳しい解説につきましては、以下の記事をご参照くださると幸いです。

【△9三歩型の攻防】
2021年11・12月合併号

そこで、先手は腰掛け銀ではなく、早繰り銀を採用して良さを求める動きも出ています。今回は、その将棋を掘り下げて行きましょう。(第1図)

■ 相早繰り銀

相早繰り銀 角換わり

先手が早繰り銀を選んだ場合、後手には大きく分けると

(1)腰掛け銀で迎撃する
(2)自分も早繰り銀を選ぶ

という二通りのプランがあります。

そして、分かりやすいのは(2)の相早繰り銀ですね。何しろ、先後同型を保って行動すれば良いのですから。これで互角をキープできるのであれば、非常に対応が楽と言えます。

相早繰り銀 角換わり

さて、先手はいつ▲3五歩を決行するかですが、何はともあれ▲1六歩は必要です。これは2四の地点で銀交換を行った際に、△1五角の王手飛車を消す意味がありますね。同様に、後手も△9四歩で追随するでしょう。

そこで先手は方針を問われますが、そのタイミングで▲3五歩と仕掛けてしまうのが最もシンプルではあります。(第2図)

なお、この指し方の実例としては、第35期竜王戦1組ランキング戦 ▲渡辺明名人VS△豊島将之九段戦(2021.12.24)が挙げられます。

相早繰り銀 角換わり

ここから△同歩▲同銀は必然。その局面で後手は3五の銀を追い払えないので、△8六歩▲同歩△8五歩と反撃します。こういった継ぎ歩の反撃は、対早繰り銀における常套手段ですね。(途中図)

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