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最新戦法の事情 【居飛車編】2022年11月~2023年1月合併号 豪華版

どうも、あらきっぺです。

タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。

前回の内容は、こちらからどうぞ。

※ お知らせ ※

今回は三ヶ月分の内容をまとめているため、普段よりも分量が2倍近くになっております。つきましては、お値段を500円に変更させて頂いております。ご理解頂けますと幸いです。


最新戦法の事情 居飛車編
(2022.10/1~12/31)


調査対象局は291局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。


◆角換わり◆
~スライド形は、どちらの味方?~



93局出現。出現率は、前回の期間から24.1%→32.0%と大いに上昇しました。現環境の相居飛車におけるトップメタに君臨しています。

これほどまでに角換わりが増えた要因の一つとして、スライド形が先手良しという見解になったことが挙げられます。具体的には、▲4五桂と跳ねていく仕掛けの評価がうなぎ登りですね。

なお、これが先手良しである理由については、以下の記事をご参照頂けますと幸いです。

【スライド形が先手良しの理由】
https://note.com/arakippe/n/n1da6009020f1#c607bd4d-4caa-4e1b-88d3-a72c35eb3035

という訳で、現環境の先手は、これを目指すことを念頭に置いて駒組みを進めています。

ただし、ここで一つ問題があります。というのも、この形は普通に指すと誘導することが出来ません。なぜなら、上図の局面はお互いが手損することなく進めると到達しないからです。

よって、先手はデフォルトの状態から一手ズラすことで、スライド形を目指すことになります。その具体案が、基本形から▲7九玉→▲8八玉と囲わず、あえて▲6九玉と指す手法ですね。これで手番を調整することで、スライド形を目指すという訳です。

まずは、これをテーマ図にして解説を進めましょう。


■ 【基本形 → ▲6九玉の調整 VS △6三銀型】

なお、話が少し前後しますが、もし先手が▲6九玉ではなく、▲7九玉と指すとどうなるのか、ということに少し言及しておきます。

この場合、△5二玉▲8八玉△4二玉と進むのが自然ですね。そして、これは後手が誘導したい局面なのです。(参考図)

先手は仕掛けるなら▲4五桂になりますが、この形で桂を跳ねてもリードを奪えません。上図のスライド形ように、先手は△5四銀・▲8八玉型のマッチアップで▲4五桂を跳びたいのです。ゆえに、ここは仕掛けを決行する条件が悪いのですね。

ちなみに、この局面で先手の仕掛けが上手くいかない理由については、以下の記事をご覧くださいませ。

【△4二玉・△6三銀型に▲4五桂が上手くいかない理由】
https://note.com/arakippe/n/nf17084507e55#wb9mc

そうした背景があるので、先手は▲6九玉を指している意味もあるのです。

すなわち、ここで△5四銀だと、▲7九玉△5二玉▲8八玉△4二玉と進んだとき、参考図と手番が一手ズレています。ゆえに、今度は▲4五桂で成功するという仕組みですね。

要するに、先手はスライド形を、後手は参考図を目指すために、手番を調整しているのですね。

後手が▲6九玉の手番調整に対応するためには、[△4二玉⇆△5二玉]のような二拍子のパスではなく、三拍子のパスが必要です。

案の一つに、△4一玉▲7九玉△3一玉と待機するのが一策です。まずは、それを掘り下げましょう。(第1図)

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