最新戦法の事情【豪華版】振り飛車編(2020年5・6月合併号)
どうも、あらきっぺです。
タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋を見ていきましょう。
なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。
前回の内容は、こちらからどうぞ。
最新戦法の事情 振り飛車編
(2020.4/1~5/31)
調査対象局は57局。それでは、戦型ごとに掘り下げて行きましょう。
__________________________________
◆先手中飛車◆
~初期設定が面白くない~
5局出現。3月では少し増加傾向があったものの、4・5月は低調で、めっきりと姿を見かけなくなりました。
居飛車の対策は、後手超速(3局)と一直線穴熊(2局)に二分されています。ただ、振り飛車側にとって怖いのは前者のほうですね。後手超速は先手中飛車を真っ向から潰しに行く戦法なので、これの対策は死活問題と言えます。(第1図)
2020.4.30放映 第28期銀河戦本戦トーナメントDブロック8回戦 ▲青嶋未来五段VS△中村太地七段戦から抜粋。(棋譜はこちら)
後手超速はいろいろな形がありますが、第1図のように[△6一金・△8五歩型]で銀を繰り出すのが最強だと見ています。理由は、先手から▲5四歩と動かれたときに、この配置が最も対応しやすいからです。詳しい内容は、こちらの記事をご覧くださいませ。
さて。ここは先手にとって作戦の岐路と言える局面です。オーソドックスな対応は、▲6六銀型か▲5六銀型に構えることですね。
ただ、現環境ではどちらの組み方も問題を抱えており、振り飛車はそれらの将棋を避けている傾向があります。詳しくは、以下の記事で解説しております。
そういった背景があるので、実戦は▲6六歩と指しました。これは△6四銀なら▲6五歩△同銀▲6七銀と進めて、後手の攻めを受け止める意図ですね。
しかし、そうは問屋が卸しません。後手は△7五歩▲同歩△8六歩で歩を突き捨てて、攻めに弾みをつけるのが賢い手順です。(第2図)
ここから先は
¥ 300
今後ともよろしくです!