もし、私が岩石鉱物を展示するとしたら【日記2022/12/19】
岩石って、興味ある人は少ないのではないだろうか?山登りをしていて、風景が違うとそこにある石も違っていて面白い。しかし、博物館に行っても資料集を読んでも、採掘された石を見るとどうしても面白みが無くなるのだ。
学芸員資格の授業で、岩石鉱物の展示についてアイデアを出す課題が出された。思い切って、ハードルを下げた企画展示寄りの展示方法を考えてみた。
展示タイトル
石から文明を築く―「ストーンワールド」で世界を救うのは君だ!―
趣旨・目的
・ 親子連れまた、中学の博物館から離れる年代層を狙う
・ 岩石や鉱物がどのように活用されるのかを来館者が体感できる展示を行う
・ 「見つける」という行為を行うことによって、より岩石や鉱物を見つける楽しさを知ってもらう
・ 古来、岩石や鉱物を人々が利用して発展してきた、地球や文化の歴史を知るきっかけになる
・ 探検形式にすることによって、ただ石を見るだけだった来館者も時間をかけて学習することに繋がる
・ 親子や友人など複数人の単位で見学することによって、対話が生まれ、より深い学習に繋がる
・ 理科教育において岩石や鉱物の単元は暗記が多く、中学理科で躓くところでもある。そのため、「楽しかった」また「実生活に結び付いている」という記憶を来館体験によって生み出し、今後の学習の意欲に繋がると考えられる
内容
アニメにもなった、週刊少年ジャンプで掲載されている漫画「Dr. STONE(ドクターストーン)」で取り上げられている鉱物や岩石に焦点を当てた岩石鉱物標本を展示する。来館者には漫画の主人公の助人になってもらい、実際に展示会場に隠された岩石や鉱物を探してもらう。展示会場は、なるべく漫画の舞台のような装飾や環境を整える。ターゲットとなる岩石や鉱物には一般的な展示パネルを設置しない。その代わり、石に手をかざすと解説アニメが上映される仕組みになっている。アニメでは物語の登場人物がその鉱物を使って何を作るか、また利用方法について説明した内容を上映する。
展示を考えた経緯
一般的な鉱物展示は学術的意義に趣を置いた展示方法になっていると考えられる。常設展示の場合、コストや管理を考えると良いのかもしれないが、化石標本などに比べ来館者の滞在時間は少ないと思ってきた。また、岩石に興味がある人口も現実問題少ない。そのため特に理科を学ぶ世代になじみやすいように、現在人気の漫画を利用した展示方法を考えた。この漫画では岩石や鉱物の名前だけでなく、その活用方法や化学反応をより生活に結び付けた内容になっている。また、見学だけではなく自分たちで探す体験型やハンズオン展示、また来館者同士の対話が生まれる展示方法にすることによって深い経験になると考えた。
あまり、漫画に頼りすぎるのはスキではないが、特に岩石については「面白い!」と思わなければ円遠い存在だ。実生活で姿かたちを替えて関わっていることを知ってもらえるきっかけになったらなあと思ったり、学術的要素が少なくなる展示に対して反対する人もいるんだろうなあと思ったり、実際、博物館経営の部分をあまり考慮しないで考えているため、企画として現実もっと詰める要素はあるよなと思ったり。
まだまだ、科学技術コミュニケーション手法や技術について自分の発想や経験を磨かなくてはと思った今日この頃だった。