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心の色
いつも感じることがある。
人の心には色があって、いつもゆらゆらとその色を変えている。
目には見えないけど、その人の時々の感情で色が揺らめいているのを感じる。
穏やかな人は、ほんのりとした暖かい色。
怒った人は、チリチリするような熱い色。
悲しみにくれた人は冷たい色。
心が荒んでいる人は重たい鉛色。
恋をしている人は桜色?
ただ見ているだけじゃなくて、人と向き合った時は、その人の心の色をもっと強く感じる。
優しい気持ち
悲しい気持ち
楽しい気持ち
怒った気持ち
恥ずかしい気持ち
愛おしい気持ち
まるで熱を感じるように、冷気を感じるように伝わって来る。
それはお互いに向かい合っていなくても、ネットの向こう、電話の向こうにいたって感じることが出来る。
全ての感情をくるくると色に変えておたがいの気持ちが交錯するけれど、二人の心が同じ時、その色は輝きを増して二人を包む。
二人の心の色がひとつになって、ゆらゆらと混ざりながらも二人でひとつの色を紡ぎ合う。
それぞれに違う色を纏いながら、たくさんの男と女がそれぞれに心を絡め合っている。
出逢ったときは、おずおずと。
少しずつ、お互いの色に染まりながら熱い想いを色に変えて。
やがてはお互いの色が静かに同じ色になっていく。
情熱が去っても、まだ二人がそこにいたならどんな色になっているだろう?
優しくて暖かく、お互いを包む柔らかな色だったらどんなに素敵だろう?
激しく揺らめく情熱の色は褪せても、炭火のようにかすかに燃えて、いつ消えるのかもわからない、そんな色になっているのだろう。
命の炎が燃え尽きるまで、やわらかな心の色に包まれているのだろう。
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