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元旦に遺言を書く・・・考えながら書く:1月1日

 毎年正月には遺言を書くことを習慣にしている。別に大きな財産があるわけではないが、自分自身にとっても意味があることだとわかり、毎年心がけていることである。2011年に父が亡くなって以来の習慣なので、今日で10回目になった。

 現役時代は経理の仕事をしていた父は特にお金の面は几帳面で、預金通帳や株式等の記録が整理されていた。そのため、父が亡くなった時に、法定に則った『遺産分割協議書』を作成するための証跡となる通帳などの資料が揃っていて、母親、姉、私の3名の相続人が合意するための書類作成は比較的容易で、何の揉め事もなく処理ができた。それ以前に、亡くなる7年前に父は脳梗塞で倒れ、コミュニケーションが取れなくなったので、私と姉とが後見人になる手続きをしたのだが、そのためにも預金等の記録があることは大変助かった。

 振り返って我が事と考えたとき、預金は全てオンラインバンキングなので通帳もなく、株式もオンライン証券で購入している。従って、どこに幾らあるのか、ログインしなければ子どもたちは何の情報も得られないことに気がついた。父の時には残っていた通帳をコピーすれば良かったが、私の場合は全く状況が異なる。子どもたちが相談に行く物理的店舗もない。サポートサービスに連絡したところでユーザ情報が求められる。従って、オンライン金融機関のログイン情報を確認して整理しておくことが大変重要であることに気づいたのだ。PWなどはたまに変更しているが、普段はGoogleのPWマネージャが記憶してくれるので、意識しないと忘れてしまう。其の意味でも、1年に一度、PWを確認して書き下せることは、自分自身にとっても良いことであると気づいた。

 また、ドメイン、ストレージ、WEB、クラウド会計、などの各種オンラインサービスも、クレジットカードに紐付いて自動継続・引き落としが大半だ。これも手続きをしなければ、少額とはいえ毎年勝手に引き落とされることになる。死ぬ以前に、認知症になった時に、自分自身で手続きができなくなる場合にも、誰か身内にサービスの停止処理をしてもらわねばならない。これらの login credentials は私自身以外は誰もしらないものであるが故に、整理しておく必要があることにも気づいた。

 更に、SNSなど今は便利に利用しているが、自分が死んだ後はあまり残って欲しくはない。これらのネットサービスを解約するためにも、login credentials を必要な時にわかるようにしておかねばならない。

 単に子どもたちに迷惑を掛けないように、と始めたことなのだが、実際やってみると、自分自身の頭の整理にもなり、何時事故にあっても、認知症になっても安心だ、という気持ちのゆとりも出来た。結構楽しみな習慣である。

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