今日の科学 6月6日
6月6日は、楽器の日です。
1970年に、楽器メーカー、楽器卸商、楽器小売店の協会団体である全国楽器協会によって制定されました。「芸事の稽古はじめは、6歳の6月6日にすると上達する」という習わしがもとになっています。
音は空気の振動によって伝わります。弓の弦を弾く、何かを叩くなどといった方法で音は簡単に出ます。楽器は、狙った高さの音をしっかりと出せるようにしたものといえます。
西洋音楽で使われている音律は、1オクターブを12の音に分けています。この12音の音律の歴史は古代ギリシャの哲学者であり数学者のピタゴラスにまで遡ります。ピタゴラス学派は、数が万物の根源であると考え、音律を
数学や物理学の対象として研究していたようです。
ピタゴラスたちは、共鳴箱の上に弦を一本張って音を出すモノコードという楽器を発明ました。そして、弦を押さえないモノコードと、3分の1のところを押さえたモノコードの音を同時に聞くと、心地いいことに気がつきました。今で言う、ハモりの音に気がついた感じです。
そして、最初の音となる主音の周波数を3倍にして2で割るといった操作を繰り返し、1オクターブを12に分けていったそうです。このようにつくられた音律をピタゴラス音律といい、15世紀頃まで西洋音楽の標準的な音律となっていました。
音楽は数学とも関係が深いからか、楽器の演奏を楽しむ科学者もたくさんいます。その中でも代表的な人が、アルバート・アインシュタインです。彼はバイオリンやピアノを演奏し、「物理学者にならなければ、音楽家になっていた」とも言っていたそうです。
音楽家であったウィリアム・ハーシェルは、音楽だけでなく、天文学にも取り組み、1781年に天王星を発見しました。また、アメリカの物理学者リチャード・ファインマンは、打楽器のボンゴ演奏にのめりこみ、演劇やバレエの公演でも演奏したそうです。