32歳、はじめてのMOUSSY
私が何者で、どんな人間であるか、さらに好みのファッションについてなど、この世の誰にも興味のないことなのは承知の上で、私が最近購入したダウンジャケットの記録をここにしたいと思う。
だって、あのMOUSSYで買い物をしたんですから。
バロックジャパンリミテッド社の看板ブランドであるMOUSSY。渋谷系ブランドの1つとして、2000年に設立され、瞬く間にギャルたちの憧れであり、渋谷系ブランドの代表格に成長。しかし、このブランドを着こなせる層は、ただのギャルではない。ウエストが細くて背が高く、生まれたころから流行に敏感なネイティブギャルだけなのである。
小学生のころには「BETTY’S BLUE」や「ANGEL BLUE」の筆箱を持ち、中学生では「ONE WAY」「BLUE MOON BLUE」「COCOLULU」のファッションを楽しみ、厚いプリクラ帳を片手に放課後は教室でおしゃべりをしていたクラスの最先端女子たちが、高校生になると口を揃えて「MOUSSYのデニムしか履けない」と言い出したのだ。私はそこでMOUSSYを覚えた。
私はというと、学生時代のお小遣いは自由にお菓子が買える程度で、親の承諾なしに服を買うなんて、まして渋谷に行くなんて簡単にできたことではなかった。厳しい運動部に入り、短髪で眉毛もフサフサ。ギャルとは縁遠い暮らしをしていた。でも、なぜか、ギャルの友だちはいつもいた。
彼女たちは、ファッション誌を読み込んで、ファッション、メイクを100%再現し、服を綺麗に着こなすために日ごろからダイエットに励み、運動部でもないのに家で筋トレをしている。給食のおかわりなんて絶対にしない。体育の持久走だって、ダイエットだと励ましあって一生懸命取り組んでいたプロのギャルだった。その彼女たちが惚れ込むMOUSSYである。
十数年の時が経っても、私にとっては、眩しくて輝かしい若者のブランドであり、店舗スタッフのスタイルをみても、相変わらず、ウエストが驚くほど細い。標準体型の野暮ったい私が簡単に近づける店ではない。
なのになぜ、この大人になってから店舗に足を踏み入れ、購入したのか。その葛藤と購入後の思いは、次回のブログで。