見出し画像

現代における「いき」の探求:明日から「いき」に生きるためには?


こんにちは。今日は日本の伝統的な美意識「いき」について、現代的な視点から考えてみたいと思います。

「いき」とは何か

「いき」は江戸時代に生まれた美意識のことです。

九鬼周造の『「いき」の構造』によると、その本質は以下の3つの要素から成り立っています:

  1. 【媚態】: 男女間の駆け引きに発する美意識

  2. 【意気地】: 自己に対する誇りと信念

  3. 【諦め】: 状況を冷静に受け入れる能力

特に【媚態】については、「つかず離れず」の関係性や、過不足のない緊張感が重要とされています。

ちなみに難解さに定評がある『いきの構造』ですが、解説文がついた「ビギナーズ版」がおすすめです。

現代の「いき」を探る

では、この「いき」の概念を現代に当てはめるとどうなるでしょうか?私なりに解釈してみました。

現代の「いき」な人物像

寅さん(映画「男はつらいよ」シリーズの主人公)

「いき」といえば江戸っ子。江戸っ子といえば寅さん。

妹思いで男気あふれる寅さんですが、毎回マドンナに振られるというちょっと情けない姿ももはや定番です。


大谷翔平選手

礼儀正しいことが有名な大谷選手ですが、時に強気な発言もする姿も。そのバランスがかっこいいですよね。水原一平元通訳の事件のときは、大谷選手の毅然とした対応が話題になりました。


このふたりを「いき」の構造にあてはめるとどうなるでしょうか。

寅さん
【媚態】:庶民的な魅力、人懐っこさ
【意気地】:自由奔放な生き方、義理人情
【諦め】:失恋を受け入れる態度、人生の浮き沈みへの達観

大谷選手
【媚態】:礼儀正しさと謙虚さ、二刀流の独特な魅力
【意気地】:前例のない挑戦への強い意志、自己の可能性への信念
【諦め】:挫折や不測の事態への冷静な対応、常に改善を求める姿勢

両者とも、飾らず野暮でもない絶妙なバランスで「いき」を体現していますよね。寅さんは庶民的魅力と人情味で、大谷選手は現代的な理想と挑戦精神で、それぞれの時代における「いき」を表現しています。


現代の「いき」な生き方

  1. 人間関係で適度な距離感を保つ

  2. 自己肯定と謙虚さのバランスを取る

  3. 変化する状況に柔軟に対応しつつ、信念を持つ

  4. 上品すぎず、下品すぎない言動を心がける

  5. 自分の弱さを認めつつ、堂々とした態度を保つ


こういった姿勢が「いき」を体現している生き方なのだと思います。

逆に連日メディアで報道されるような、スキャンダルで炎上している著名人たちの振る舞いは「いき」とは真逆なんだろうなとXを眺めながらボンヤリ考えるわけで…

執着せず、潔く生きていこうっと(・ε・`*)



まとめ:「いき」を現代に活かす

「いき」の概念は時代とともに変化します。

『いきの構造』では「姿がほっそりして柳腰であることが【いき】のあらわれ」と言っていたり、

「まず、横縞より縦縞のほうが【いき】である」なんて言っていたりします。

現代で「細身が正」なんて断言したらXでど炎上するでしょうし、ストライプのシャツもいいけどセントジェームスのボーダーTシャツなんて名品だし憧れよね、と個人的に思います。


現代の日本では、多様化や海外の美意識などが現代の「いき」を構成していくわけです。

しかしその本質的な価値観はまだ現代にも通用しています。

上品すぎず下品すぎない、派手でも野暮でもない、自分の弱さを認めつつ堂々としている姿勢。これこそが、現代における「いき」な生き方の一つの形ではないでしょうか。

この「いき」の精神を意識することで、より豊かで魅力的な人間関係や生き方を実現できるかもしれません。

とはいえ「いき」の解釈は人それぞれ。固定観念にとらわれず、自分なりの「いき」を見つけ、実践していく生き方が素敵だと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

ara
サポートしていただけるととても嬉しいです! サポート金額は、しばらく眺めます。