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映画「ゴジラ−1.0」鑑賞

まだ公開したばかりですので、内容に触れないような範囲での感想になりますが。

ゴジラとは、突然であり、問答無用であり、圧倒的であるもの。
見ている最中に頭に飛来したことです。
ゴジラ映画はいくつか観ていますが、いつもそういうものであるというか、あって欲しいというか。
誰も逃れることも見逃してもらうこともできない。そういう意味ではとても平等で、天災とも神とも表現される所以でしょうか。
シン・ゴジラを観たときに生まれて初めて「今すぐ席を立ちたい、やばい」という感覚を味わったのですが、それを思い出しました。

念の為に申し上げますが、これは決して「つまらないから帰りたい」という意味ではなく、「ここにいたら命が危ない」という意味で脳が騙されたということです。
もちろん映画であることは解っていますから別に逃げる必要はどこにもないのですが、へんな汗をかいたというかなんというか、とにかく臨場感が半端なかったということかと思います。
怪獣が怖いとかじゃなく、ここにいたら死ぬという怖さ。
そんな圧巻の恐怖を感じたのがたシン・ゴジラ。

それからしばらくして初代の無印ゴジラを観ました。
こちらで印象に残ったのが戦争の怖さ。
これはですね、ストーリーもそうなんですが、この映画作品自体の中でも非常に感じ取りました。
町の壊れ方を見てもね。
今みたいにグラフィックで何でも作れるわけではないですから、当然セットやミニチュアなのですが、その作り込み方に本当の瓦礫の記憶を見た気がして、ぞっとしたのです。
そんな、人々の記憶にまだ地続きであろう恐怖の匂いを感じたのが初代のゴジラ。

そして今回の−1.0。
上記の2作の両方の良いところが上手くはまった!と思いました。
圧倒的な恐怖があり、忸怩たる人々の想いがあり、自然にドラマに見入ってしまう。とても見ごたえがありました。
軸になるのは、誰が彼を責められようという類の罪を背負って生きる敷島青年と、なんだかすげぇ女性典子の物語。(典子の何がすごいかはスクリーンでお確かめを)
他、脇に配されたキャラクターにおいても無駄がなく、よく練られた熱のある映画です。

ネタバレはなしとしますが、印象に残ったものとしてお伝えしたいシーンがひとつ。
物語終盤、とあるシーンで出発した敷島が、郊外の風景を見下ろし、続けて反対方向の空に視線を振るシーンがあります。
ここの表情の切り替えをぜひ見てほしい。
見逃さないように、この展開のあとに来るこのシーンのこの辺!とつぶさにお伝えしたいところですが、それは無粋というものなので我慢我慢。
とりあえず敷島を演じる神木隆之介さんが上手い。素晴らしい。

とにかく私としては満足度が高くて、いい時間を過ごさせていただきました。
これからじっくりパンフレットを熟読しますが、
もう1回くらいスクリーンで観ておきたいかな。
ロングランになれ。ロングランになれ。
現場からは以上です。


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