黒よりも暗い -31-

 目が覚める。いや11時を過ぎている。昼と言っていいだろう。頭が痛い。目の奥が痛い。ガンガンする。昨夜酒を飲んだわけではない。普通の生活でこうである。起きた途端絶望的な気分に襲われる。泣きたくなる。泣きたくなるサインで自分は限界なんだとわかるのである。あぁ鬱なのだなと。別に病院に行った訳でも無く、自分に病名をつけたいわけでもない。ただ、自分自身を状態を説明するのが面倒くさく、伝えるなら鬱の一言が分かり易い。別に分かってもらおうと思っているわけでもないが今更世の中認知されている言葉を避ける必要もないと思う。肩も痛い。体全身も痛い。心身共にボロボロである。戦争に赴ったわけではない。死闘を繰り広げたわけでも無い。なのにボロボロである。この状態である理由のひとつは目の使い過ぎだろう。つまり就職活動が原因である。長時間ネットで求人検索をしている。自分自身が思っている以上に目を酷使している。目の神経が高ぶっているのだろう。さらに個人的にはこの疲労を回復させるには目を使用した分の休憩が必要である。例えば仕事をしている身では現実的ではないだろう。しかし、この状態は仕事をしていた時も同様であった。つまり就職活動だけが原因ではなく、単純に目の酷使が悪因なのかもしれない。もう一つはストレスである。仕事が決まらないストレス。応募や面接をしてからいつ結果が来るのだろうという中途半端な状態に身を置くのでこれも心身共に負担がかかっていると思われる。仕事を実質クビになってから、一時はかなり心身ともに落ち込んだ時期があった。辞めて間もない時は意外に今までの生活リズムで行動できていた。しかし少し時が経つと朝起きれなくなる、体全身が重くダルくなる。気晴らしに散歩するがその時も憂鬱さが凄まじく増す。家に帰る頃には希死念慮の上昇気流が凄いことになっている。それでも耐える。耐えるコツなんて無い。ただ耐える。辛いが耐えるしかない。そうやって20年過ごしてきた。おそらく病院に行けば鬱病と診断されてもおかしくないだろう。ただ行く気はないのである。理由は例えば風邪のように病院にいって2、3日休んで治ったなんて話聞かないし、そもそも治らないなんて話も聞く。ともにネットの情報だが。おそらく症状を軽減する対処はあるのだろうと思う。話が脱線してしまった。元に戻すと、仕事を辞め一時期心身ともに悪化したが、少しずつ体調が良くなってきたのであった。一番大きいのは肩こり解消なのではないかと個人的に思っている。肩から肩甲骨あたり。背中の方と言ってもいいかもしれない。ここを意識的に解す。イメージでいうと猫背の状態から背筋を伸ばす。これを常に意識するだけで心身の辛さが改善されていった。背筋を伸ばすと肩の周りが痛いのがわかると思う。言わばストレッチである。かなり久しぶりに体がラクになっていったのがわかってきた。しかし、仕事を探さなければいけない。ネット求人を見る。なかなか良さげな求人がなく絶望的になる。やっとこさ見つけ応募準備に取り掛かる。人事の方とメールのやり取りをする。履歴書等を作る。これをしているだけでずっと同じ姿勢なんだろう。ずっと緊張しているんだろう。ずっと目を使っているんだろう。これだけでおそらく心身の疲労は限界に達しているのだと思う。それで次の日目が覚めると心身ともに破壊されてような状態になっているのだと思う。それで忘れてならないのが腰痛である。仕事探しのストレスの時、必ずと言っていいほど腰痛になる。過去にも経験している。過去には原因不明の腰痛となり、複数の病院にいっても原因不明と診断がくだる。どんな態勢をとっても激痛である。四六時中激痛。脂汗、冷汗をかきっぱなしである。このまま下半身不随になる怖さも経験した。話を聞くと精神ストレスが腰に来るようである。体の反応はわかりやすいものである。つまり体全身辛いので心も全ていっぱいいっぱいなのだろう。これを20年間過ごしてきた。別に不幸自慢をする気はさらさらなく、このつまらない20年間でも記録に残したいと思っただけである。こんな人生なんて過ごしたいわけがない。人に話したくもない。情けなさ過ぎて涙もでるし死んで詫びたいような気分にも常に襲われる。だからと言って自分をくだらない人間とは思っていない。自分を卑下したくない。過去の職場でも毎日虐めや八つ当たりをされた。その人の価値基準が強者(先に勤めている)であれば斧として振り上げることができるのである。フラッシュバックで蘇ってくる。それも求人を探す時合わさってストレスとが増大するようである。仕事探しではなく、いつの間にか過去職場で受けた辛い記憶を思い出し、悲しんだり怒りに震えたりするのである。だが、これらに囚われたりしてはいけないと何度も気持ちを切り替える。何度でも。何度もフラッシュバックはやってくる。何でも何でも振り払って気持ちを立て直すしかないのである。辛い過去を消し去る方法なんてない。とにかく思い出したらすぐ忘れる努力をするしかない。これでも20年間生きてこれたのである。

 そして、肝心なのはこれからのことである。仕事がみつからないのである。アルバイトさえ。なかなか仕事探しが難航しさらに仕事探しをするので心身の負担は嵩む一方。さて、どうしたらよいものか。まずは肩こりだけでも解したい。あとは目の使用も少し減らしてみようか。こんなものである、私の人生なんて。それでも生きるのである。

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