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あれもこれも比喩表現【気になった日本語】

こんにちは、あらたんごです。


今日は、比喩について掘り下げていきます。


比喩は、物事を類似または関係する他の物事を借りて表現することです。



比喩には、直喩〈シミリ〉・隠喩〈メタファー〉・換喩〈メトミニー〉・提喩〈シネクドキー〉・諷喩ふうゆ〈アレゴリー〉があります。


今回は、隠喩〈メタファー〉・換喩〈メトニミー〉・提喩〈シネクドキー〉についてまとめます。


1.隠喩〈メタファー〉

隠喩〈メタファー(metaphor)〉とは、類似性の連想に基づき、あるカテゴリーに属する何かを、別のカテゴリーに属する他のもので示すことです。


例えば、「晴れ晴れとした気分」や「曇った表情」などの表現は心情をや表情をとほかのカテゴリーである「天気」との類似性に基づいた隠喩です。


隠喩の特徴は、具体的な分かりやすいものを用いて、より抽象的な分かりにくいものを表すことです。


ほかにも、「パソコンが凍った」という表現は、”氷のように固まって動かなくなる”という様子から、プログラムやキーボードが動かないことを表しています。

具体的でわかりやすい  →  抽象的でわかりにくい
 凍る              パソコンが凍る
 晴れる             心が晴れる
 曇る              表情が曇る​


2.換喩〈メトニミー〉

換喩〈メトニミー(metonymy)〉とは、あるものに関連の深い物を言い換えて、その本体の物を表すことです。


例えば、「一緒に鍋を食べに行こう」の鍋は、容器のことではなく鍋の中に入っている具材を指しています。


換喩の特徴は、容器→中身、全体→部分、作者→作品、場所→そこにいる人、などの隣接な関係の物を言い表します。


容器     →  中身
鍋と食べる     鍋の具材
全体      →    部分
全米が泣いた       全米の人々
作者      →     作品
ショパンを聞く       ショパンの曲を聞く
場所        →    そこにいる人
会社が会見する        会社にいる人


他には、「みかんを食べる」は、みかんの皮の中の房を指しています。「バナナやスイカを食べる」などもほとんどの人が中身を指すのですが、野菜や果物は皮ごと全部食べる人もいるので、比喩の線引きはなかなか難しいです。


3.提喩〈シネクドキー〉

提喩〈シネクドキー(synecdoche)〉は、「~のカテゴリーに含まれる○○」など、上位概念で下位概念を指したり、下位概念で上位概念を指したりする場合があります。


例えば、「花見に行く」では、「花」という上位概念で、下位の「桜」を指し、「コーヒーでも飲みに行こう」では、「コーヒー」という下位概念で、上位の「飲み物」を指しています。したがって、誘った本人はコーヒーではなく紅茶を飲む可能性もあります。


上位概念  花見に行く     飲み物
       ↓上位で下位    ↑下位で上位
下位概念   桜        コーヒーでも飲みに行こう



ほかにも、「お茶しませんか」(お茶以外も飲む可能性がある)や「白いものが頭に積もってきた」(雪を連想させる)などがあります。



小説やニュースでは、重複を回避するために「黒いコートを着たサラリーマン」を「男」という表現をします。「黒いコートを着たサラリーマン」を連呼すると文章がしつこくなってしまうので、包括関係である「男」に言い換えています。


4.まとめ

比喩を活用した意味の拡張は、あらゆる場面で使われています。

うまく活用して表現力豊かになりたいです。



最後まで読んでいただきありがとうございました。



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