人(にん・じん・ひと)の読み分け【気になった日本語】
こんにちは、あらたんごです。
今日は、【人】の読み分けについて調べたことをまとめました。
先日、フィリピン人の学生に「『日本人』は『じん』って読むのに、『管理人』は『にん』って読むのはなんで?」と言われました。またしてもちゃんと説明できませんでした。
どんな規則があるのか一緒に見ていきましょう。
1『~ひと』と読む「人」
「人」を、漢字熟語にしない(単独で使用する)場合、『ひと』と読みます。
例えば、「通った人、あの人、女の人」などです。
どれも「人」の前の語が修飾の役割を果たしています。
→これは比較的に簡単なルールです。
2『~ニン』と読む「人」
⓵和語と結合するとき
②動作をあらわす語と結合するとき
が、主に『~ニン』と読みます。
⓵和語と結合するとき
例えば、「預かり人、遊び人、受取り人、支払い人、怪我人」などです。
これらはすべて「人」と結合する語が動詞の連用形になっています。「怪我」は体言の性質を持っていますが、「怪我する」という用言の性質もあるので「ニン」とよめるのでしょう。
②動作をあらわす語と結合するとき
例えば、「案内人、支配人、通行人、苦労人」などです。
これらはすべて「人」と結合する語が「~する」「~している」「~した」のように動作をあらわしています。
3『~ジン』と読む「人」
〈所属〉・〈状態〉をあらわす語と結合するときに「~ジン」と読みます。
〈所属〉「〇〇の人」
国名:中国人、韓国人
地域:外国人、異国人、火星人
領域:経済人、一般人、民間人
時間:原始人、現代人
〈状態〉
「〇〇な人」:器用人、自由人、野蛮人
「〇〇のある人」:知識人、常識人
「〇〇である人」:普通人、君子人
「〇〇人」:未亡人
「〇〇する人」:読書人
「〇〇した/している人」:帰化人、渡来人
一見して主に体言と結合している。これが「ニン」との大きな違いです。
説明しなければいけないのは、「読書人」「帰化人」「渡来人」です。
まず「読書人」は、「読書する人」という意味の繋がりにしても「ニン」とは結び付きません。もし、「ニン」と読むと〈読書をする役割〉を担うという感じがあります。「読書する人=知識がある人」という層に属するという意味で「ジン」が選ばれているそうです。
次に「帰化人」「渡来人」についてです。
「帰化」「渡来」は「〇〇する」という用言のはたらきも兼ねて言います。また、「〇〇した/している」にも置き換えられるので、「ニン」に分類した「苦労人」と比較します。
「苦労人」の「〇〇している」は〈経験〉・〈経歴〉を意味しています。それに対して「帰化人」「渡来人」は、〈結果状態〉をあらわしています。つまり「帰化」「渡来」は〈状態〉の意味で「人」に結合しているので「ジン」と言えるのでしょう。
4例外
一人(ひとり)・二人(ふたり)
暇人(和語であるが「ジン」と結合する)
5まとめ
「ニン」と結合するもの
・和語 ・数詞(1と2を除く) ・〈動作〉をあらわす語
「ジン」と結合するもの
・体言
〈場所〉などの〈所属〉をあらわす語
〈状態〉をあらわす語
いかがでしたでしょうか?
着目してみれば意外と深いですよね。
ほかにも気になる日本語があれば随時調べていきたいと思っています。
最後までお読みいただきありがとうごさいました。