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ランチェスター戦略とは?弱者が強者に勝つための戦略・五分で解説

ビジネスの世界で最も良く使われているマーケティング理論の一つである「ランチェスター戦略」について解説していきます。

弱者が強者に勝つことは至難の業です。

でも、ランチェスター戦略を実行することで弱者が強者に勝てるかもしれないのです。

ランチェスター戦略には弱者の戦略強者の戦略の二つがあります。

どんな企業にも役立てることができるのでしっかり身に付けていきましょう。

それでは解説していきますね。


ランチャスター戦略とは?

第一次世界大戦をきっかけに、航空機の空中戦の損害状況を研究したイギリスのフレデリック・ランチェスターが提唱した数理モデルです。

同じ武器なら勝敗は兵士数で決まるという法則、ランチェスターの法則を生み出しました。

このランチェスターの法則をアメリカのコロンビア大学教授バーナード・クープマンによって軍事戦略モデルとして改良されました。

1970年代に高度成長に陰りが見え始めた日本で、コンサルタントの田岡信夫先生が、いかにして販売するかという企業競争に役立つ科学的で論理的なマーケティング理論、ランチェスター戦略を生み出したのです。

ビジネスに応用して販売戦略として展開することになり、現代でも多くの企業が活用しています。

トヨタやパナソニック、武田製薬、ソフトバンクなどといった超一流企業やその他の多くの中小企業も取り入れていますよ。

ランチェスター戦略における強者と弱者とは?
強者は、ある市場で一位
弱者は、ある市場の二位以下すべて
いくら有名でも売り上げがあっても二位以下は弱者となります。


ランチェスター戦略は二つに分かれる

ランチェスター戦略は下記の二つに分けられます。

戦力が劣る「弱者の戦略」と、戦力が勝る「強者の戦略」
弱者の戦略は第一法則、強者の戦略は第二法則となります。

それでは一つずつ解説していきます。

弱者の戦略・第一法則

弱者の戦略の第一法則を解説します。まずは戦い方からです。

一対一で戦う一騎打ち
狭い範囲で戦う局地戦
敵と近づいて戦う接近戦

このように昔の戦国時代のような原始的な戦い方をします。

武器は竹やりのようなものをイメージすれば分かりやすいですね。

法則にすると、戦闘力=武器効率×兵力数が成り立ちます。

「同じ武器効率(竹やり)で兵力数が50人いる側と30人いる側では、
50人側が20人残り、30人いる側は全滅となります。
計算式は、50-30=20ですね。
同じ武器効率なら兵力数が多い方が勝ちとなり、
同じ兵力数なら武器効率が高い方が勝ちとなります」

弱者が強者に勝つためには差別化戦略で武器効率を上げることも重要です。

差別化とは、情報の質やサービス・商品は勿論の事、人材、会社の独自性や優位性の事です。

縦軸と横軸で言うと、縦軸が同じ分野での優劣だとして、
横軸が違うサービスなどの差別化となります。

いかにして横軸の展開を考えていくのかが勝敗を決めます。


強者の戦略・第二法則

強者の戦略・第二法則を解説します。まずは戦い方からです。

広い範囲で戦う広域戦
敵と離れて戦う遠隔戦
同時に複数の相手と戦う確率戦

このように第二法則は集中効果の法則とも呼ばれます。

弱者の戦略とは対象的で、近代的な兵器(マシンガン)を使う集団とイメージすると分かりやすいですね。

法則にすると、戦闘力=武器効率×兵力数の二乗となります。

この二乗の効果が非常に重要です。

「同じ武器効率(マシンガン)で兵力数が100人いる側と50人いる側では、100の二乗で10000、50の二乗で2500となります。
100人いる側が四倍の力となります。
計算式は、100×100ー50×50ですね。
10000ー2500=7500
50人側が全滅してしまいました。
同じ武器効率で、兵力数が二乗になるため、兵力が多い方が圧倒的に有利になります」


強者の基本戦略にミート戦略というものもあります。

これは、弱者の差別化戦略を封じ込める戦略です。同質化に持ち込むことで兵力数で勝負していきます。


ランチェスター戦略の3つの原則


ランチェスター戦略には3つの原則(ルール)があります。

ビジネスの世界では、売上げを伸ばす為には同業他社から顧客を奪う必要があります。

むやみに奪い合いをしても効率が悪く生産性も悪いですよね。そこで具体的に敵を狙い撃ちしていく必要があるのです。

まずは足下の敵・攻撃の原則から解説していきます。

足下(そっか)の敵・攻撃の原則

足下の敵攻撃の原則とは、自社のワンランク下の競合他社(足元の敵)を攻撃(狙い撃ち)して売り上げを奪うという考え方です。

理由として、自分より強い敵と戦って傷を負うより、勝ちやすい敵から戦った方が勝ち目があるからです。奪いやすいところから奪っていく考えですね。

「自社の市場占有率が30%で、ワンランク下が20パーセントだとします。
ワンランク下を狙い撃ちして5パーセント奪ったとします。
すると自社が35パーセントになり、ワンランク下が15パーセントにダウンします。
始めは10%の差が、20パーセントの差になりました。
この攻撃で確実に上位を狙っていきます」

このように勝ちやすいワンランク下から攻めて自社の売り上げを伸ばしていきましょう。

ナンバーワン主義

ランチェスター戦略の最終目的は、ナンバーワンになることです。

ナンバーワンになって二乗の効果を得ることです。

そして、圧倒的に2位を引き離して強者になることです。

二位以下は弱者と言う考えの基、総合的なナンバーワンも大事ですが、まずは、ある市場において一位になることが重要です。

ランチェスターの一位の定義
2社間競合や、客内単品シェアのような局地戦の場合、
1位と2位との差は3倍。
それ以外の場合は、1位と2位との差は、約1.7倍となっています。


突然ですが、日本の一番高い山は富士山ですが、2位を答えられますか?

答えは、北岳です。1位は覚えられますが2位はなかなか出ないですよね。

1位の知名度って本当に重要です。

1点集中主義

1点集中主義は、攻撃目標を1点に集中させ、達成するまで攻撃を続けることです。

足下の敵の攻撃原則で徹底的に攻撃を仕掛け、ある市場でナンバーワンを獲得するのです。

集中するべき分野を決めて、競合他社より人・物・資金・時間などの経営資源を集中投資しましょう。

特定の地域や販売経路、顧客ターゲット、商品等、事業領域を細分化することで1位になるべき分野を見つけることからが重要です。
自社の強みや伸ばすべき分野が見えてきたら、集中攻撃を仕掛けましょう。


まとめ

ビジネスの世界で最も良く使われているマーケティング理論の一つである「ランチェスター戦略」について解説してきました。

弱者の戦略・強者の戦略、そして、ランチェスター戦略の3つの原則を徹底的に実行することで今と違った売り上げを確保することができるでしょう。

間違っても弱者なのに強者の戦略を使ってはいけませんよ。

弱者は弱者のやり方で攻めていきましょう。

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