[高次脳機能障害]患者の知る権利 ー薬剤師の質問を遮る医師ー
[備忘録]交通事故から40日目
交通事故から40日目はじめて薬剤師が病室を訪れる
入院して40日経過しても薬の説明を受ける事が出来ないなど全くおかしな話なのだが…
薬剤師への質問を遮る医師
はじめて薬剤師が病室を訪れた。やっと薬の話が聞けると喜んだのも束の間。担当医が病室を訪れ、薬剤師との会話を遮った。そして、とうとう精神病院へと通告される。リハセンに断られたらもう精神病院しかないだろうと言わんばかり…。早く出て行ってくれという気持ちが体から溢れていた。
しかし、精神病院へとばかり言い立て、薬剤師との会話させまいとする姿勢はいかがなものか、何お薬を飲ませたか答えない看護師は恐らく、この医師の指示に従っていたのだと確信した。
こうした医師の態度により不安は更に膨れ上がった。患者と家族にに知らせたくない薬を飲ませているのではと疑う気持ちを禁じ得ない。しかし当時の私は医師の言うなりだった。病院を追い出されたくない一心だった。言葉遣いひとつ気を付け失礼のないように対応してきた。全て無駄な努力だったのは言うまでも無い。一体、何が起きているのか、何をされているのか全くつかめない。彼らは自分達に不都合な情報はとことん隠蔽し、精神病院へ送り込むのだ。
患者への人権侵害は想像すらしていなかった
今なら、医師に反論していただろう。それでもダメならこちらの論文を持って抗議しただろう。しかし当時の私にはそんな知識も知恵もなかった。「知識以上の医療は受けられない」そう聞いていた。ゆえにリハセンに行く前も書籍をむさぼるように読んでからいった。後遺障害や刑事裁判など後遺障害と交通事故に関わる書籍ばかりを読みあさり患者の人権までには考えが及んではいなかった。これも交通事故による二次被害 三次被害化と言える。
患者の情報を受ける権利
リスボン宣言
リスボン宣言では「患者は自己のあらゆる医療記録に記録された自己に関する情報の提供を受けるとともに、自己の健康状態について、容態に関する医学的な事実も含め完全な情報を提供される権利を有する。」と定めている。(中略)
「患者は、あらゆる検査や処置について、その目的は何か、その結果が何を意味するのか、そしてコンセントを撤回した場合いかなる結果が生じうるのかについてはっきりと理解すべきである。」逆に言えばはっきりと理解しない限りは処置を受け入れるべきではないと警鐘を鳴らしているのです。
(久保井,1996)
医療情報を患者から隠すことがいかに重大な人権侵害であるか(久保井,1996)
HIV薬害事件から
血友病患者たちは早くから非加熱血液製剤の危険をおそれ、繰り返し主治医にそのことを尋ねていたのに、正しい情報は隠蔽され、安全であるという誤った評価の下に、血液製剤は使われ続け、被害者を増やしていきました。当時の厚生省内部の資料が一部開示されるなどする中で、情報公開の重要性、憲法の保障する「知る権利」、そして医療における患者の情報を受ける権利の大切さが、いっそう強調されるようになってきました。
久保井(1996)は、インフォームド・コンセントの実践においては、医師にとどまらずひろく医療スタッフによる共同の作業が必要です。としている。
[引用文献]久保井 摂(1996)患者の権利と医療情報 病院図書室16(2):34-39,1996