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ロンドン回想③夫婦で退去してそれぞれのその後の話

(この記事は2021年5月までのイギリスにいたときのことを思い出しながら、妻が書いています)
前回ロンドンFlatで入居していた時の記事を書きました。

前回からだいぶ時間が経ちましたが、今回はついに退去の話について書いていきます。

前回触れました通り、妻の私はワーホリビザなのでロンドンでの生活が続きますが、夫はビザ無し短期滞在なのでビザ無しで入れるMAXの6ヶ月を迎えたら次の国に行くことになっていました。

5月の頭にその期限が来るので、3月ごろからそれぞれ次の準備を始めていくことに。
妻サイドとしては、今住んでいる部屋は1人で住むには家賃が高いので次の家探しを始めます。
最初の家は日系の掲示板で日本人とのシェアハウスで始めたので、最後は他の国の人とも住んでみたいと思い、シェアフラット探しのアプリで家を探して連絡する日々に。
ロンドンでの家探しも3回目なので慣れるかと思いきや、やっぱり返信率が低いという苦行を受けて、しかも家賃相場上がっていってて、選択肢が少なくて返信くれるところにはどこでも即レスくらいの勢いでやっていました。
夫サイドとしては、次どこいこうかな〜とGoogle flightなどで安い航空券を探し、魚介がそろそろ食べたいな〜とスペインにすることに。

4月のイースター休暇にはフランスの友達の実家に遊びにいくことになっていたので、何も考えずにイースターを迎えたい気持ちから、
ついに妻の家探しも勢いで決めることに。

ロンドン新居(シェアフラット)を決める妻

本当はバス通勤のほうが利便がいいので(ロンドンは地下鉄が圏外なので読書が捗る)、多少家賃が高くてもバスで通えるエリアで、と思っていたのですが、なぜかすぐに内見できた家は隣の駅のエリアで、当然電車通勤に。
それでもその日のうちにすぐ内見の予約が取れたし、行ってみたらまあ住めるかなと思える程度の1ルームと4人の女の子のシェアとのことだったので、そこにすることに。
実はこの時、2nd floorの20代女の子だけでの部屋、もしくは1st floorの男女30-40代のカップルも住んでるような部屋のどちらかを選べるよ、と案内を受けたのですが、上の階のほうが安全かなーと思い前者を選ぶことに。
のちに、上の階はリアル・テラスハウスの女子部屋のように女の子同士の共同生活あるあるなバトルが始まり、下の階のおっちゃんおばちゃんゲイカップルたちとは週末BBQをしたり家の近所で出会うたびに世間話するレベルに仲が良くなるとはこの時は知る由もなかったのでした。。
家のクオリティなどは正直微妙に感じた部分もあったのですが、
実は歩いていける近所にハロウィンパーティーで知り合った友達の彼女が住んでいることがわかり、よくカップル同士で遊んだりもしていたので、前回の家同様最後の決め手は近所の友達で選ぶことにしました。

退去前のフランス旅行

イギリス滞在の最後の思い出として南仏の友達の家に遊びにいきました。
友達とは夫が渡英前に私だけ参加していたボランティアで出会ったフランス出身の女の子と香港出身の女の子なのですが、
一緒にハロウィンパーティーに行く時に「ところで、来月から夫が来るんだけど一緒にどこか遊びにいかない?」と言ったら
「え!結婚してたの?!てかいくつなの?!」とびっくりされてそれ以来夫が来てからも仲良くしてくれる、はちゃめちゃに陽気な2人です。
数回28歳だと説明したけどいつも彼女たちは私を18歳くらいだと思ってる(彼女たちは26歳)

今回の旅ではフランスのお母さんにもお世話になって、
南フランスのカラッとした天気の太陽、美味しいワインやチーズとお母さんのおいしい料理を楽しんだり、お昼下がりにレモンのなる木がある庭で太陽を浴びながらお昼寝をするゆっくりした時間を過ごしました。

お母さんにフランスはいいところですね、というと、
「Dolce Vita(イタリア語で甘い生活)」という言葉を教えてもらいました。
あくせく働いたり忙しくするばかりではなく、ゆったりとした時間を過ごす生活に夫婦共にいつかこんなふうに過ごしたいものだなあと思いました。

夫のFarewellと妻のBirthday Party

先ほど旅行を一緒にした友達は1月と2月生まれで、
2人とも誕生日が近づくにつれ、自分の誕生日会をセルフホスティングして場所を押さえ、招待する友達をアレンジするなど、誕生日の主役が一番忙しくして誕生日を祝われていました。
(誕生日当日には「今日までうまくいくかとってもナーバスだったの..!」と2人とも言っていた。)
4月生まれの私は20代も後半なのに頑張るつもりはなかったのですが、今回は夫もお別れなのでイギリスで友達になったみんなとのお別れパーティーと誕生日パーティーとしてアレンジすることにしました。
来てくれたのはワーホリ友達のTちゃん、最初のフラットメイト、
これから家が近所になるハロウィーンで出会ったカップル、
夫が来てから2回目参加したボランティアで出会ったカップル、
語学学校の友達カップル、と意図せず2人組ずつの皆様が多くて連絡が取りやすくありがたい。
一緒に旅行に行った当の2人はなんとその日に別のBBQとかぶってしまい、次の日にピクニックでお祝いしてくれることに。

当日は現在近所に住むワーホリ友達のTちゃんがうちに来てくれて、
一緒に会場まで行くことになったのですが、
来ていく予定のワンピースがしわしわでどうしたものかと。
隣のおばちゃんがたまたま廊下で出会したのに乗じて、「Ironもってない?」と聞いたら貸してくれました。ありがたや。

当日、会場に着くと、フラットメイトにBirthdayバルーンをもらったり、
それぞれ初めましてでもみんなでおしゃべりしたりして楽しく過ごしました。
偶然、ハロウィーンカップルの友達が同じ店でお別れパーティーをしていて、途中そちらとも合流する流れに。
そこでも連絡先を交換したりして、のちにそこで出会った人とはボートBBQすることになるのですが、それはまた後の話。

Birthdayバルーンを持って嬉しい写真

farewellパーティーをアレンジして気づいたのですが、「パーティーはパーティー、また数人でゆっくり集まろう!」とそれきっかけで最後にもう一回ご飯に行ったりしたくなるので、本当に出国する1週間くらい前にこういう場を設けたのはよかったなあと思いました。
(そしてそのナレッジは自分の本帰国の際にも活かされました)

される側の内見。「突撃!隣の晩ごはん」

退去の連絡を出すと、不動産屋は次の住民を探し始めます。
イギリスの内見は人が住んでいてもお構いなしに家を見に来るとのことで、
不動産屋から「この時間に行くね」と連絡があって家に訪問されます。

うちに来たのはアジア系の方が別々に2人とラテン系のカップル1組。
不動産屋のAgentの営業マンとそれぞれ訪問してきます。
時間はまちまちですし、もてなす訳ではないのでうちは家で大人しく待っているしかありません。
Agentの営業マンは靴のカバーを持っていて、入る時に内見する人にスリッパみたいに被せてから入ってくれます。
アジア系の方はどちらも丁寧にガスや水圧を確かめたり、質問したりして、慎重に決めている様子。
「インターネットはどうしてますか?」と質問があるなどしましたが、
営業マンはチラリと私たちをみて、助けを求める目。
え。あなたの仕事では?と思ったりしましたが、
「ここにインターネット引けるところがありますよ。うちは契約期間の問題で携帯SIMで動くWiFiルータを使ってますが..」など説明しました。
一方、ラテン系のカップルはスタバのカップを持って内見していて、
一通り全ての部屋を見た後にAgentに一言、
「OK、いつから入れる?」と軽く聞いて終えました。
おそらくですが、そのカップルの後から内見ツアーは終わったので、
この2人がすぐに入居申し込みをして埋まったんだと思います。
前の家の次の人を探す際にも思ったのですが、
色々事前に質問をされたりすると、回答のために時間がかかったりしてしまい、結局即決する人のスピードで負けてしまったりするんですよね。。
内見する際に事前にある程度知っておきたいのは山々なのですが、
これくらいスピード感もっておかないと内見後の申込競争で負けてしまう、というのをこのカップルから学びました。

退去に向けた大掃除

イギリスのフラットは退去時の清掃(Professional cleaning)が借主の責任になり、掃除が不足の部分がある場合は入居時に払うDepositから差し引きがされます。
専用の業者を呼ぶ場合もあるそうですが、少しずつやれば自分たちでも終わるんじゃないか、と自分たちで頑張ることにしました。

掃除が終わった!の図

オーブンの汚れ、キッチンの油よごれ、窓の汚れなどは洗剤で割と綺麗に戻りましたが、特に大変だったのは硬水のシャワーの水垢汚れ(lime scale)で、いろんな洗剤を試しましたが最終的にはお酢を使って溶かすように落としました。
最終的には床の水拭きもしてどちらも納得がいくまで清掃を終えることができましたが、ドキドキの退去後の結果によると…

退去後のクリーニングレポート
(不動産屋が雇った第三者企業が調査する)

いやいやいや、めっちゃ細かい!!
床とか指でスッとするくらい細かすぎる調査で、これはデポジット返ってこないのでは、、と怯えました。
ただ、よく見ると入居時からの汚れや傷がほとんどで、それについて不動産屋にメールし、埃とか髪の毛は申し訳ないにせよそこまで酷いとは思われなかったようで、デポジットは無事全額返金されました。

退去。妻は引っ越し、夫は出国

退去数日前に大きな荷物は引っ越し先に運び込みを終えました。
今回の引っ越しは初めて使うタクシーアプリの初回クーポンで2ポンドくらい(300円くらい)で一気に荷物を運び込み終えました。

ロンドンのBlack cabは向かい合わせに人が座れるので足元が広い。
これで全ての荷物を運び込みました。

部屋についてみると、入居の日なのに部屋が普通に汚いし、
前の入居者が壊した棚が残っていたり、入居に際して用意してくれるはずの机がなかったりなど散々な状態でした。
これも不動産屋にメールすると、数日内にクリーニングや机の用意をしてくれるとのことと、50ポンドくらい次回の家賃から引く、とのことで返信が来ました。ふう。

ついに夫も帰国の退去の日、最後の清掃も全て終えて、最後にご近所に挨拶に。

2階に住むおばちゃんたち2人とは夜の冒険もした仲ですし、すこしおしゃべりも長くなりました。片方のおばちゃんは次の私の部屋には冷凍庫がないんだというと、知り合いが単身用の冷蔵庫譲り先探しているから繋いであげるよ!ちょっと待ってて、とすぐに電話をして交渉してくれました。
残念ながらその人知り合いは連絡したけれど返信をしてくれなくて、
どうやら誰か他の人が見つかったようです。
そして私も冷凍庫がなくてもなんとか乗り切ってしまうのですがこれは後の話。

1階に住む老夫婦にも挨拶を。お二人とも親切にしてくれて、私たちが最後まで使った清掃用の洗剤やたわしなども快く引き取ってくれました。

挨拶も済み、夫と一緒にヒースロー空港へ。
冬物の荷物はまとめて日本へ郵便したりするので、スーツケース1つとバックパック1つです。
空港でのお別れは前回私がロンドンへ旅立つときに羽田空港でしたぶり。
羽田空港ではワーホリに1人でいく不安で別れがとても寂しかったけれど、
次はきっとスペインで会えるね、と、希望を持って別れることができました。

その後の話、妻のロンドン暮らし

さて、ワーホリが続く妻はというと、
英語100%の共同生活が始まり、Flatmateの女の子から誘われて教会のイベントに行ったり、ボランティアで会った友達の友達など、暇な分どこでも行って楽しんでいました。
そろそろアメリカの予定もビザもみえてきたので、イギリスにいる時間やれることをやらねば、と平日の仕事終わりに語学学校に通ったり、
ミュージカルや旅行の予定を入れながらすごしてました。

その後、夫のノマド暮らし

スペインに移動した夫はAirbnbでスペインのおばちゃんのお家に滞在したり、ポルトガルに旅行に行ったり、イギリスと違った地中海気候を楽しんだりしていました。途中妻もスペインに旅行しにきました。

夫がスペインで滞在していたAirbnbの部屋

スペイン滞在の次はフィンランド経由でタイへ。トランジットのわずかな時間にヘルシンキでサウナに入るスケジュールにしたようです。

タイの滞在中もイギリスで仲良くなった友人がタイ旅行することになり合流して遊んだり、タイに住む妻の語学学校の友人と遊びに行ったり、妻のワーホリ生活も旅のお役に立てたようです。

そして、ふたり再び合流へ

2022年夏、ついにアメリカビザ用の提出書類の準備もでき、
大使館面接の予定も見えてきました。
そこで必要書類として揃っていないのは妻のパスポート。
妻はワーホリ合格の際に旧姓のパスポートだったので、今後のことも考えると新姓のパスポートに切り替えてパスポートを提出することにしました。
面接までの期間も考え、妻のワーホリは一区切りをつけて日本に帰ることに。

1年2ヶ月のワーホリで仲良くなった友人達と最後に送別会みたいに会うこともでき、最後ハグしてバイバイした友人とはきっとどこかでまた会えるね。とさよならをしました。
その言葉は社交辞令ではなく、そうなる気がしていて、
学生時代に一緒にいれて楽しいけれどそこまで親密になれなかった同級生に対して「きっと卒業したら会うことはなくなるんだろうな」と寂しく思っていた過去の自分とは違う、
いつかどこの国かわからないけれどどこかで会うことができるという海外で人と出会えて感じた感覚でした。

帰国便は散々夫からタイの飯テロをうけていた影響でタイ経由で。
先に夫と遊びに行ってくれてた語学学校の友人がバンコクを案内してくれました。

タイを1回経由したことで気分はすっかりアジアの夏。
成田で夫と合流して、やっと帰ってきた、という気持ちになりました。
成田から一番近い極楽湯銭湯で汗を流し(1年2ヶ月ぶりの湯船)、
東京で寿司を食べ、東京で初めて住んだ場所の近くのキッチン付きビジネスホテルで数日泊まりました。

さてさて、1年少しそれぞれで暮らした成果はどのように出たかと言いますと、妻は着いて翌朝寝言で英語話すくらいに英語づけ。
英語圏じゃなかったのになぜか夫は普通に初めて受けたTOEICでいい点数とってて妻は1年くらいじゃなあと思い知らされたとさ。

次の行き先はアメリカ

帰国中は月単位で借りれるレンタカーを借りて、
妻の地元でパスポートを更新したり、夫の地元で書類をまとめたり、
東京の米国大使館での予約が急にとれたので夜通しでドライブして朝イチで面接を受けに行ったりなどして、順調にビザの準備ができました。
東京で暮らしていた頃の荷物の整理も大仕事でしたが、運良く、イギリスで知り合った友人が2人も東京に引越してきていて、家具や家電や細々したものを引き取ってくれました。
(イギリスの賃貸は家具付きが多いのでベッドや洗濯機も揃えるのは大変だったみたいでお役に立ててよかった。荷物の引き渡しがなくても、イギリスで仲良くなった友人と東京でも会えたのはとても嬉しいことでした。)

ビザが取れて、アメリカ行きの準備も整ってきました

(おまけ旅行)日本にいるうちに関西と韓国へ

アメリカのビザも無事に取れ、パスポートが戻って来ましたので、
せっかくアジアにいるうちに友達との観光も。
大学の友人と宝塚→大阪USJ→神戸の詰め込み2泊3日旅行をして、
そのまま夫と友人と韓国へ1週間という弾丸ツアーでした。
夫と友人とはそれぞれの場所の空港から韓国で合流です。
宝塚舞台やニンテンドーランドが入ったUSJ、しゃぶしゃぶとアフタヌーンティー体験は大学にいる頃と変わらずのたくさん食べる笑う女子旅を楽しみました。
韓国では毎日韓国の美味しいものを食べて途中辛いものを食べ続け「もっとあの辛みが欲しい…!」というストイックな思考になってしまいました。韓国サウナのチムジルバンに行くと「もっとあの熱々の熱さが欲しい…!」と帰国ギリギリまでサウナを求めてしまいました。(私は1週間で3回も行ってしまいました。)そんなストイックな刺激を追い求める私たちは北朝鮮との非武装地帯DMZへのツアーにも行ってみて、北朝鮮側から掘られた長い坂のトンネルを歩く経験をして直近まで国境を感じるなども経験してみました。

ついに出発、アメリカへ

日本での準備を整え、最後は車を返却する中部国際空港からアメリカにでることに。出発は早朝便なので前日に愛知の夫の実家を出て、空港敷地内のホテルに荷物も全てカートに入れた状態で泊まってそのまま出発です。
前日には夫の家族とお別れをして、フライト当日は私の家族と乗り継ぎの羽田でお別れの時間を持てました。

出発前夜、フライト・オブ・ドリームズで日本滞在を締めました

長いアメリカへのフライト中、2人でそれぞれの生活をしていたそれまでの時間を思い出し、やっと2人の生活を組み立てられる、というわくわくを感じていました。結婚した頃、三ツ池公園で「アメリカで生活してみたい」と話した頃からここまでくるのは傍目で見たら遠回りの道のりかもしれませんが、私たちにとってはどれも必要な旅程だったように思います。

さてさてアメリカでの生活もあっという間に1年が経ちました。
アメリカでの生活についてはまたいずれ、noteに更新しようと思います。

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