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初めての飛び込み営業経験

セールス養成研修を受けてから
初めて飛び込み営業をしたのは
戸建住宅へのシロアリ駆除の
ローラー作戦でした。

3ヶ月間の研修で合宿所での
共同生活!

数名で一台の車に乗り込み
住宅団地へ向かい

角の家から順番にピンポン大作戦

内心は、ピンポンダッシュで逃げ出したかった!

「こんにちは奥様、いまこのエリアで無料床下点検を行っていまして
お隣様から順番に調査しています。〇〇様は○日と○日どちらにしますか?」と、
台本暗記しそのまま読み上げます。

インターホンのガチャ切り、はバタンと閉められるし
人はこんなにも冷たいものなのか、飛び込み営業マンには・・・
話を聞いてくれるだけでも嬉しかった。


その日は運良く話を聞いてくれる奥様にめぐりあい
床下調査を実施する事となりました。

キッチンの床下収納か和室の畳みを上げて入り口を作り
ツナギと長靴に懐中電灯とデジカメを持って、いざ進入!

床下を『ほふく前進』!  
目指すは、台所や水廻りの湿気の多い箇所!


シロアリの行動ルートには蟻道(ぎどう)と呼ばれる

土のトンネルを作って光や風に当たらぬよう移動します。

また蟻道が見当たらなくとも、
木材を叩いてみると中が空洞の音がするので
そのような木材箇所を剥がしてみることで食害の進行具合がわかります。

腐食や食害をデジカメで撮影して、テレビで状況を見せるのですが
中には自分のオシッコで水漏れがあるように装ったり

腐食した木材を持ち込み、あたかも食害があるかのように
見せたりしていた事も30年程前の
この業界では結構あったようです。

もちろんこのような行為はいけません
会社からも厳しくご指導頂きました。

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侵入口へ戻ったら、泥だらけのツナギや長靴は床下空間で脱ぎ

ビニール袋に入れ地上の空間には持ち込まぬように注意します。

そこから画像をテレビに映し出してからのクロージング。

押しが弱い僕を見かねて、先輩が契約まで持っていってくれました!



「ウチの息子と同じくらいの子が、泥だらけになって説明してくれたので、
前回の施工からずいぶん経っているから、やってもらおうかしら」

そんな優しい言葉までいただいて、契約1本決まりました!
翌日の朝礼で報告され、皆からの拍手は嬉しかったのを覚えています。

この成功体験が積み重なれば

飛び込み営業の面白さがわかったのかもしれませんが

3ヶ月で契約は一件だけでした。
同期の人達も多くて二件
決して良いとは言えぬ成績でした。

というのも、数名で車一台なので、ひとりサボり、ふたりサボり、

そのうち日陰に車止めて、みんなで昼寝!

駐車した向かいの住人からアイドリング音がうるさいと文句言われる始末!

やる気を出しても、ピンポン営業の辛さに打ちのめされて

みるみる ”HP” が減ってしまい、出るのはため息ばかりで

みるみるサボりが上手になりました。

当時の僕には、『セールス無理!」が刷り込まれ

人とあまり会話しなくとも良い

技術職の方が性に合っていると思い知らされました。


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