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アスペの縄張りにはさみ8本
テリトリー=領域。
アスペはテリトリーにこだわりがある。
アスペは自分の領域に他者が入ることをとてもイヤがる。
アスペは自分ひとりの空間、ひとりの時間をとても大切にする特性がある。
私のカウンセリングルームには、アスペ系の夫をもつ、カサンドラ妻さんも来談する。
カサンドラ妻さんの困りごとのなかには
夫がすぐ自室に入ってしまう
夫は自室に家族が入ってくることをとてもイヤがる
夫の私物を家族が触ると怒る
という相談が多い。
カサンドラ妻さんのアスペ夫の困りごとについて
私は自分のなかのアスペを召喚して、アスペの立場からアスペの行動を説明。
アスペの立場から改善プロセスの提案をしている。
客観的立場でカウンセラーの仕事をしながらも、
私は、アスペ夫の気持ちがわかるな、とも思う。
私は家に自分の仕事部屋がある。
私にも自室ひきこもり特性がある。
その特性で家族を悲しくさせてしまうアスペ夫のケースを多く見てきた。
だから私は、私のルールとして、仕事部屋にいる時間を決めている。
アスペはひとり上手である。
ひとりの空間にいると時間を忘れて、ずっとそこにいてしまう。
自分のやりたいことをずっとやり続けてしまう特性がある。
私の場合はアスペの過集中で、ずっと仕事部屋にこもって仕事をし続けてしまう傾向がある。
私には家族がいる。
家族を悲しませたくない。
だから、私には
家族と一緒に過ごすという時間をあえて意識することが必要だ。
仕事はこの時間まで。
ここからは家族との時間と決めて日常のルーティンとしている。
こんなふうに意識を向けなければ家族とのバランスがとれないなんて
なんだかちょっと自分が情けないなと思いながらチョコバッキーをバキバキする。
アスペにとって、持ち物もテリトリーの一部だ。
自分の持ち物を触られたくない、という特性もアスペあるある。
なぜ、持ち物を触ってほしくないのか。
誰かが持ち物を触ってしまうと場所が変わってしまうのではないか、という不安がある。
要するに、物の場所、位置に、病的なこだわりがあるのだ。
アスペは物をキレイに規則的に並べる。
自分が決めた物の位置がずれる、場所が変わるのがとてもイヤだ。
これを私は、物の住所、とよんでいる。
というか、家のなかで
ここにあったはずのハサミがここにない
探したらこんなとこにあった
たぶん子どもがここで使ってここにおいたんだろう
そんなとき、ふつうの人は、どう思うの?
ふつうの人の夫にきいたら
あーもーこんなとこにおかないでーちゃんともとの場所にもどしてーって生ぬるく言うだけだって教えてもらった。
ほんとにそうなの?
ふつうの人って、物が移動しても気にならないの?
ふつうの人ってすごい。
私だったら、全身つかって、な・ん・で・こ・こ・に・あ・ん・の?って
コンテンポラリーダンスでいら立ちを表現するわ。
わかってる、わかってる
私のつまらない位置のこだわりで家族に負担をかけてはいけない。
そんなわけでうちにはハサミが8本ある。