じっと目をみる怖い人
自閉症スペクトラム障害の特性に
人の目をみない
というのがある。
これは自閉症スペクトラム障害にとって
基本中の基本特性。
が、一方で
人の目をみすぎる
という真逆の特性をもつ当事者が一定数いる。
わたしがそのひとりだ。
いつぞやの記事にもかいたが
飲食店で客の入り具合を観察する、とかいた。
これは私の特性である
じっとみる
という特性の延長線にある行動だ。
この、じっと見る、ことが発達障害の特性であると知ったのは
私がアスペルガーと診断された40代前半のとき。
それまで自分が人をじっと見ていることにさえ気づいてなかった。
それが発達障害の特性であると知った日から
私は、人を、人の目をじっと見ることは、やめた。
見ないようにする、という意識をもってして見ないようにするほどに、
私は今まで無意識に人をじっとみてきたのだろう。
気持ち悪いな、自分。
そう考えてみると、私は今までの人生
かなりの場面で、人をじっとみてきた。
私が高校生のとき。
クラスの女子5人が家庭科室によびだされた。
なにをやらかして家庭科の女性教師に怒られたのか忘れたけど
家庭科室のアイロン台の横に5人が並び
女性教師のお説教を粛々とうけていた。
とつぜん先生がどなった。
まつしまさん!さっきから反抗的な目を私を見て!どういうつもり⁉
言いたいことがあるなら、言いなさい!
私は、へっ?と言葉にするほど、へ?なできごとだった。
へっ?と言っちゃったから、もっと怒られた。
こんなことが2~3回あった。
そののち、私は
この国では人に怒られているときは下を向いていなくてはならないというルールがあることにやっと気づいた。
社会人になってからお酒を飲む席に座ることが増えた。
(私は飲酒はしない)
社会にでると人間関係も広がる。
このくだりはあえて詳しく描写することは控えるが
簡単に言うと
私が異性の目をじっとみてコミュニケーションするもんだから
こいつイケると異性に思わせてしまうことが多々あり
エ、ワタシソンナツモリアリマセンデシタスミマセン
みたいなトラブルがいくつかあった。
若いときのはなし
けしてモテていたわけではないことは、書き添えておく。
このような異性間のトラブルは、発達障害の女性の多くが体験している。
年齢を重ねながら、人をじっと見ないスキルを身につけた。
ただ、ひとつをのぞいては。
私は今でも、美容師さんをじっと見てしまう。
しかも何も話さないで。
私はなにかの作業をしている人を見るのが好きだ。
美容師さんが髪をサラサラを切っていくその様をじっと見てしまう。
美容師さんの仕事を鏡越しにじっとみる客って、どうよ?
怖すぎるだろってはなしで
美容院の2時間はあえてずっと下を向いて本を読んでいる。
美容師さんを見ないようにずっと下を向いているとき思い出す。
高校生のときに気づいた
この国では人に怒られているときは下を向いていなくてはならないというルール。
社会にはいろんな場面で下を向くコミュニケーションが必要なんだと思いふける2024夏の終わり。
ちなみにカウンセラーという職業は、来談者のお顔をじっと見ることがあるていど許されているので、私には天職。
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