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お風呂の時間をもっと安全快適に!〜転倒事故やヒートショックなどを防ぐポイント

入浴は一日の疲れを癒す大切な時間で、私も湯船に浸かるひとときを楽しみにしています。しかし、特にご高齢の方にとっては家の中で最も事故が多い場所のひとつでもあります。政府広報オンラインによると、入浴中の事故による死亡者数は交通事故の約2倍にのぼり、特に転倒や冬場のヒートショック、体調不良が多く発生しているといわれています。

政府広報オンラインの記事

今回は、福祉用具プランナーのひとりとして、自分の体験や介護現場での経験を踏まえ、入浴時のリスクを減らすための環境づくり便利なサポートアイテムの活用法を少し解説できればと思います。


1. 入浴中に起こりやすい事故とは?

お風呂はリラックスできる場所である一方、次のような様々なリスクが潜んでいると考えられます。

事故の主な原因

転倒(濡れた床や浴槽の出入りで滑り転倒)
ヒートショック(浴室と脱衣所の温度差で血圧が急変)
長時間の入浴による体調不良(のぼせや血圧低下で意識を失う)
体力消耗(入浴後に立ち上がれなくなる)

このような事故を防ぐためには、環境の整備と適切なサポートが重要です。


2. 安全に入浴するための環境づくり

転倒を防ぐ

滑り止めマットを敷く(濡れても滑らないものを選ぶ)
手すりを設置する(浴室、浴槽の出入り口・洗い場・脱衣所に設置)
浴槽の縁が高い場合はステップやスノコを固定し使用

ヒートショックを防ぐ

脱衣所と浴室を暖める(暖房器具やシャワーの湯気を活用)
お湯の温度は41℃以下に設定(熱すぎると血圧が急変)
入浴前後に水分補給(脱水症状を防ぐ)

体調不良を防ぐ

お湯につかる時間は10分までを目安に(長風呂を避ける)
半身浴(胸より下までの湯量)を心がける
入浴中は家族が様子を確認できるようにする(「5分ごとの声掛け」などルールを決める)


3. 安全快適な入浴をサポートする便利アイテム

安心して入浴できるように、便利なサポートアイテムの数々を活用することも大切だと思います。

浴室用手すり:浴室、浴槽の出入りをサポート→浴槽の縁・洗い場・脱衣所に設置
バスボード:座ったまま浴槽をまたげる→足を高く上げず、安全に入浴可能
シャワーチェア:立ち座りの負担を軽減→滑り止め付きのものが◎
浴槽用滑り止めマット:浴槽内での滑りを防ぐ→転倒防止に効果的
介護用シャワーヘッド:軽量で水圧調整が可能→使いやすく負担が減る
浴槽リフト:電動で浴槽内に入るサポート→自力での入浴が難しい方に

これらのアイテムは、介護保険の適用対象でもあるため、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談することも検討しましょう


4. 100円ショップやホームセンターで買える「お風呂の安全対策グッズ」

「本格的な福祉用具は導入しにくいけど、未然に事故を防ぎたい、何か対策したい!」という方には以下のグッズもおすすめです。

浴室用の滑り止めシール(床や浴槽に貼るだけで転倒防止)
湯温計(お湯が熱すぎないかチェック)
防水タイマー(入浴時間の管理)
吸盤式の取っ手(仮設手すりとして使える)

手軽に取り入れられるこれらアイテムを使うことで、低コストでの安全対策が可能ではないかと思います。


5. 忙しい人でも無理なく続けられる入浴サポート

家事や育児、仕事など忙しい日々の中で、ご高齢の方などが安全で安心して入浴できるためには、無理のない工夫が大切だと思います。

デイサービスや訪問入浴サービスを活用(プロのサポートを取り入れる)
入浴時間を調整し、無理なくサポートできる環境を整える
安全対策をしっかり整えておくことで、介助の負担を軽減する

介護されるご家族が「自分がいないと入浴できない」と感じることは負担になりがちなことですが、環境を整え、適切な支援を導入することで、介護の負担を減らすことができるものと思います。


6. まとめ:お風呂の安全対策は「できることから」

入浴中の事故(転倒・ヒートショック・体調不良)を防ぐ対策を取る
手すりやバスボード、滑り止めマットなどサポートアイテムを活用する
100円ショップやホームセンターのアイテムで手軽に安全対策も可能
家族のサポートや訪問入浴サービスの活用で負担を減らす

大丈夫だと思っていても、事故は突然起こるものです。事前の準備が、安心そして快適な入浴時間を続けることにつながるのではないでしょうか。毎日のお風呂の時間が、安全で心地よいものになるように、できることから対策を是非とも始めていきましょう!


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どんぐり
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