たとえ悩みが消えなくても元気になれる方法
この話は、カラダが楽になれば、ココロも楽になるそんな話です。
二十四節気の大寒のころ、
ため息ばかりつく40代の女性が来院された。
「更年期のせいだと思うのですが……からだがだるくて、
何もする気がしないのです」よくよく話をお伺いすれば、
「小学4年生の息子の登校拒否がもう5か月も続いているんです。
家では元気なのですが……」
肩こりもひどくなって、そのせいもあるのではないかと思い来ました。
何もする気がせず、パートも休みがちになり、
頭痛もひどいとのこと。
「ため息」「涙」「やる気が出ない」…つらいですよね。
しかし、これらの症状こそ、東洋医学はよく効きます。
なぜならば、東洋医学は「気」の医学だからです。
ため息や涙は、カラダの中の「気」がうまく流れていないサインです。
「気」というとなんだかうさん臭いと思われがちですが。
それはなぜか?
私たちの目に見えないからでしょう。
でもよく考えてみたら、
神社には神さま、目に見えません。
お寺には仏さま、目には見えません。
ご先祖さま、目には見えません。
東洋医学には「気」こちらも見えません。
でも神主さんは神様がいることを知っています。
お寺さんも仏さまがいることは知っています
東洋医学の私たちも、「気」が流れていることを知っているのです。
私が「気」を感じ実在していると知ったのは霧がかかるブナ林の中でした。
幻想的な自然の美しさと怖さがあいまった中で、
人間の弱さと自然の生命力に「気」を感じ、
生きてる実感を味わった時でもありました。
それから人のカラダの中にも「気」が流れていることを、
わかるようになりました。
日本には「気」のつく言葉がたくさんあります。
「元気」「やる気」「気合い」「気心」「気がかり」
「気持ち」「気疲れ」「気配り」「気候」など、
私たちのカラダとココロは、そんな「気」に左右されています。
そう言われるとそんな気がしますよね。
東洋医学では「元気」の「気」を全身に送ります。
この記事を読み終えるころには、
ちょっぴり「気」が理解できるようになり、
セルフケアを実践していただければ、
あなたのココロとカラダにやる気が巡ってくるでしょう。
つまり「気」とは、私たちの全身に流れるエネルギーのことを指します。
どんなに性能のいいスマホを持っていても、
電気(バッテリー)が切れていたら使えません。
「気」は元気や健康を保つのにとても大切なものなのです。
ご存じのように東洋医学と聞いて思い浮かぶのは、
「漢方薬」「はり灸」「マッサージ」ですよね。
これらはカラダの中を通ってる「気」が滞っていたり、
「気」が多すぎたり、「気」が少なすぎたりするのを調整する術なのです。
よどんだ「気」をサラサラと流し、
きれいな「気」の流れにするイメージです。
もちろんこれ以外にも是非して欲しいことがあります。
昔の言葉で「養生」つまりセルフケアですね。
5つのポイントをぜひ実践してみてください。
1.深呼吸
楽な姿勢をとり、鼻から息を吸い、
口からゆっくりゆっくり吐いていく、腹式呼吸ですね。
ゆっくりゆったり、へその下に意識を置いて吐ききることが大事です。
カラダにたまった古い空気を吐き出し、新しい息をいれるのです。
2.食事について
温かくて美味しいものを食材や料理を作ってくれた人に、
感謝の気持ちでいただくだけです。
季節のエネルギーがつまっている旬の野菜、果物を、
とるともっといいですよね。
3.お風呂に入る
シャワーだけでなく温かいお風呂に入ろう。
リラックスでき血行もよくなり免疫力も上がり、
体温もアップし肌も潤いますよね。
何より良い睡眠を得られます。
4.カラダを動かす
散歩やストレッチ、
カラダを動かすとココロも動きます。
ココロが動けばカラダも動きます。
私たち生き物は動くことが生きることなのです。
動いて「気」の巡りをよくしましょう。
5.笑おう
笑う門には福来る、面白くなくても朝、鏡を見るときは、
最高の笑顔を見せよう。
彼女にも、もちろん指導させていただきました。
だんだんカラダも動くようになった彼女は、
「先生、次は子供を連れてくるね」と言ってくれた笑顔に、
私もなごみ、温かい気持ちになりました。
彼女が少しでも前向きに感じられるようになったことが、
私にとっても大きな喜びでした。