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朝のコーヒータイムが腎臓病を予防する
こんにちは、Dr.Bunです。
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突然ですがあなたは普段、どのくらいコーヒーを飲みますか?
私は毎朝起きたら一杯のコーヒーを飲んでから出勤します。
最近はコーヒー豆を挽いてコーヒーを煎れるのにもハマっています。
豆の種類や入れ方によって結構味が変わりますし、慣れればそんなに面倒でもないのでお勧めですよ。
でも、コーヒーが健康にどんな影響を与えているのか、特に「腎臓」に関して考えたことはありますか?
コーヒーはとても身近な嗜好品ですが、コーヒーの健康的影響に関して考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。
なんとなくあまり体に良くないと思い込んでいる方もいるのでは?
実はコーヒーが腎臓病の予防に効果的だってことをご存じでしょうか。
腎機能の見方については、こちらの記事をご覧ください。
今回の記事では、コーヒーが腎臓に与える影響について、最新の研究をもとに深掘りしていきます。特に、「コーヒーが腎臓に良い理由」「コーヒーの適切な摂取量」「コーヒーを飲むタイミング」「コーヒーの淹れ方」「コーヒーを嗜むときに注意すること」の5つのテーマに分けてお話しします。
目次
コーヒーが腎臓に良い根拠とその理由
科学的データに基づく効果
「コーヒーが腎臓に良い」と聞くと意外に思われるかもしれませんが、近年の研究ではその可能性が明らかにされています。
例えば、イギリスのバイオバイクに登録された13万人のデータベースをもとに行われた研究では、1日1杯のコーヒーが慢性腎臓病(CKD)の進行リスクを約16%低下させる、ことが明らかになっています。
さらに、コーヒー摂取が50%増加するごとに腎結石のリスクが0.6倍になること、カフェイン摂取が80mg増加するごとに腎結石のリスクが0.8倍になることが、示されています。
これらの疫学研究から、コーヒーが健康に良い影響を与える、というのがデータとして明らかになっています。
このことから適切なコーヒー(カフェイン)摂取は
将来的な腎臓病のリスクを低くする
腎結石を予防する
と言えるでしょう。
コーヒーに含まれる有効成分
では、なぜコーヒーを飲むことが腎臓病を予防することにつながるのでしょう?
いろいろ理由はあり、まだ解明されていないこともたくさんあるのですが・・・
まず、コーヒーの特徴の1つとして挙げられるのがカフェイン含有量の多さです。
農林水産省のHPによると、
コーヒー(浸出液)0.06 g/100 mL
(=60 mg/100 mL)浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL
インスタントコーヒー(粉末)4.0 g/100 g
(2 g使用した場合、1杯当たり80 mg)
コーヒーカップ1杯約150mLなので、コーヒー1杯あたり約80mgのカフェインが含まれていることがわかりますね。
ちなみにこれは玉露(160mg/100mL)についで多い量のようです。
カフェインが含まれている他の飲料については、ほうじ茶(20mg/100mL)、ウーロン茶(20mg/100mL)、紅茶(20mg/100mL)となっています。
カフェインに集中力を高める作用があることや、利尿作用があることはよく知られていることですが、カフェインの利尿作用により尿中のカルシウム排泄が増えると言われており、このあたりが腎臓病や腎結石の予防に良い影響を与えるのかもしれません。
(※一方で、シュウ酸カルシウム結石は逆に増えるのでカフェインの取りすぎは尿管結石のリスクになるという報告もあります。後ほど書きますが、ここらへんは少し議論のあるところです)
また、腎臓にはクロロゲン酸やジテルペンといった物質が含まれており、これらは抗酸化作用、抗炎症作用があると言われています。
これらの物質が直接的に腎臓を保護する効果が期待できます。
また、これらの物質はコレステロールを下げる、肥満を改善させるなどダイエット効果もあります。
肥満は腎臓病のリスク因子ですので、肥満改善も腎臓を守ることにつながりそうです。
適切なコーヒー摂取量の目安は?
健康を守るための適量
これまでの研究によると1日1~3杯のコーヒーが最適な摂取量とされています。この範囲内であれば、腎臓だけでなく全身の健康に良い影響を与える可能性があります。
過剰摂取によるリスク
これまでコーヒーが体に良いということを述べてきましたが、もちろん飲めば飲むだけ体に良いというのはマチガイです。
例えば、1日4杯以上を飲むと不眠や動悸などの副作用が現れる可能性があります。また、腎臓への負担も増えることが懸念されます。
何事も適量が大事です。
コーヒーを飲むのに適した時間は?
毎日適量のコーヒーを飲むことが重要であることがわかったと思います。
では、コーヒーを飲むのに適した時間帯はあるのでしょうか?
先ほど、紹介した研究ではコーヒーを何時に飲んだかまではわからないので、疫学研究では時間によって差があるかどうかは明らかではありません。
しかし、医学的にはおそらく最も効果があるであろう時間帯は推測できます。
なんとなくイメージがつくかと思いますが、やはりコーヒーを飲むなら朝です。
朝に飲むコーヒーは、脳を覚醒させ、集中力を高める効果があります。また、消化を助ける作用も期待できます。
一方、夜にコーヒーを飲むと睡眠の質が低下する可能性があります。
特に、就寝の3~4時間前には控えることをおすすめします。
どうしても飲みたい場合は、カフェインレスが良いでしょう。
健康に良いコーヒーの淹れ方
コーヒーの種類や煎れ方は正直なんでもよいです。
インスタントコーヒーでも適量であれば効果はあると思います。
ただ、やっぱりできればドリップ(濾過式)コーヒーがおすすめです。
何故かというとコーヒー豆には若干の油分が含まれているのですが、フィルターで濾すことによって、これらが除去され体に良い成分のみが抽出されるからです。
ポイントはコーヒーの粉をお湯に浸さないこと、抽出液を最後の一滴まで入れると濃くなってしまうので、全部入れ切らないことの2点です。
インスタントに比べると少し手間と時間もかかりますが、忙しい朝の時間にあえてコーヒータイムを設けることで頭もすっきりしたり考えもまとまるのでお勧めですよ。
ちなみにシュガーやミルク(コーヒーフレッシュ)を使わないブラックコーヒーをお勧めします。
理由は糖質や脂質がプラスされるからです。
もしブラックがどうしても苦手だなって方は牛乳や豆乳なんかがおすすめです。
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