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つらさを抱えて生きる〜中絶のトラウマ〜

赤ちゃんを失ったトラウマは
20年経った今でもずっと続いています。
気軽に親しい人にも話すことができない悩みなので
ずっと気持ちを閉じ込めたまま
一人、心のどこかで気にかけながら
違う未来はなかったのかと
あの時こうすればよかったのかもしれないと
何度も何度も考えては、後悔し続けてきました。

何パターンも違う人生を想像しては
違う現実を生きていることに失望してきました。

軽いトーンで人に話すことができないし
ましてや新しく恋人になった人、家族となった人になんて
言えるわけがありません。

命を授かってしまったタイミングは
当時の彼との付き合いが始まったばかりのことでした。
後には引き返せないし、前に進もうにも
相手との関係性ができていない。

そんな中で時間のリミットが来てしまう。
確か妊娠22週くらいだったかと思います。
決断までの時間のリミットはあっという間に訪れて
心の整理なんてつかないし
やっぱりどうしても産みたい、育てたいと決めるほどの
力も湧かなくて
産んだ後の生活の糧があるわけでもないし
赤ちゃんを失った後の気持ちのことも
全く想像もできないから
本当はどうしたいのか、はっきりとしないまま
相手の素っ気ない態度にがっかりしながら決断をしました。
悲しい決断を

性に対して、そこまでの警戒心もなくて
軽い気持ちで身体を重ねることもあったので
まさか自分がこんなにも悩み、
人生を一変させてしまうできごとに遭遇するなんて、
まったく思いもしませんでした。

同じように悩む女性が多いんじゃないのかなと
SNSを見ていて感じたので
noteで想いを綴ることにしました。

するととても不思議なことに
実際に何が起きたのかを、記憶をたどり
想いをつづっていくと
悲しみに閉ざしてきた過去の感情は、
実際には何を感じていたのかということに
触れる機会を得ることができました。

赤ちゃんを失った時の悲しみと申し訳なさと
後悔する気持ちと同時に
相手のことがまだよく分からなすぎて
気づかなかった相手への想いが
自分が軽んじられたことに対する怒りの気持ちなど
消化しきれていない感情が、たくさんあることにも
気が付くことができました。

悲しくてつらいという感情の後ろに隠された
あの時、こう言われたことも彼の人間性を物語っていたなとか
実際には、仕事をやめたいのではなくて
鬱のような状態で、仕事を続けられる気力が失われてしまってたんだなとか
過去の行動を見返していくことで
少しづつ絡まった感情を紐解いていく体験をしています。

だから何が言いたいのかというと
産むべきとか産まない方がいいとかの判断は
それぞれに状況があって、気持ちがあって、
どちらを決断したとしても
正しい正しくないは全くないし
どちらを選んだにしても
それぞれにきっと様々な想いを抱えながら
なんとか前を向いて生きている
ということを前提に言うと

今、とても後悔していて、
実はとても辛くて悲しくて
誰に話すこともできなくて
普通に生活しているように見せているけれど
実は悲しさを抱えて生きている方へ
「それでいいみたいです」
と伝えたいのです。

そして
「悲しみの感情と、たくさん対話をしてあげてください」
と伝えたいのです。

実際に抱いている感情は
悲しい苦しいだけじゃなくて
もっともっと相手への失望とか
自分への情けなさとか
本当は少しは好きだと思っていたのにとか
もっと分かり合いたかったとか
いい感情も悪い感情も
たくさんあると思うので
その気持ちを紐解いてあげてほしいです。

そして赤ちゃんは
たくさん想い悩んでいるあなたのそばで
きっとそっと寄り添い微笑んでくれていると
そう思います。

ずっと悲しんできて
赤ちゃんも悲しんでいると思い続けてきました。

けれど、悲しんでいたのは私であって
赤ちゃんは
いいんだよって
寄り添ってくれているんだと思います。

天使のイラストは
きっと
小さな命を失った先人たちが
天使を描いたんだと思いました。

天使のような微笑みで
やさしく見つめてくれていると
そう思います。




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海野ジュン
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