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【詩】透けた障子と安定剤
変えた枕の柔らかさは
いちごオレのような甘い午後
布団と素足の感触と
小さな絵画を見つめてる
持て余した日は数しれず
欠伸は暖気に木霊して
椅子の姿勢さえ乱れては
流れる毛並みと隙間風
透けた障子と安定剤
揺蕩う心を掴めずに
砕けた未練も投げられず
群青の中に消えていく
ナースコールの音に乗せて
自転が重たくなっていく
光の向こうに手を伸ばし
白昼日記を探してる
三週間の子守唄と
コンクリートのゆりかごから
春が走り去る音だけが
かすかに鼓膜を揺らしてる
透けた障子と安定剤
揺蕩う心を掴めずに
砕けた未練も投げられず
群青の中に消えていく