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つれづれ杏子 #003

摂食障害と食欲の秋。そしてPMS。
この3つのお荷物を持て余したわたしは
無限かよ…というくらい湧いてくる食欲に振り回されて
自己嫌悪モードに入っていた。

そして自己を嫌悪すれば責めた分だけ食べたくなる。
我慢すればイライラするし、食べても自己嫌悪だし、
で、体重測ったら案の定一昨日から1.1キロも増えちゃってる。

最悪だ。

それでも食べたいなんて頭おかしいだろ。
うん。おかしいのだ。Twitterにも書いたけどね。
食欲がバグってる。って。

そして食べるんですよ。夫が買ってきた今晩のツマミ。
ちょっと貰う、と言いながら夫より食べるペースが早い。

そして夫に言う。「わたしの方が食べてるね」と。

「食べればいいじゃん」と夫が返す。そして続ける。
「もし食べられなくなったときに『あの時食べておけば良かった』と
後悔するのは嫌だな」と。

わたしの曾祖母みたいなことを言う、と思った。

わたしの曾祖母は明治生まれ。
時代的に珍しかったと思うけど、酒豪で愛煙家で株とかやってる
豪快なばーさんだったという。

曾祖母は医者から酒や煙草(当時は煙管だったかもしれない)を止められても
「(酒や煙草を)辞めて多少長生きするくらいなら死んだほうがマシ」


そのエピソードは曾祖母らしさ満載でわたしはお気に入りなのだが
わたしの食欲に対してそういう価値観を投げられた途端
それまで暴れていた食欲がスッと気配を消した。

わたしは食べたくて食べてるんじゃないから。

埋めたくて食べてるからだ。
本当に体が欲していて『食べたい』という欲求が出るのなら
夫の返しにも乗って、よっしゃ今夜はパーティーだと食べるけれど

わたしは本当は食べたくないのに食べたいのだ。
食べることによって埋めたい何かがあるだけで、食べるのは手段でしか無い。

それが夫の返しで明確になった。

わたしの望みは目の前のツマミを食べることじゃなくて
そこそこの体重、体型をキープして自分スタイルいいなと思うことだ。

体重が増えるのは恐怖だし嫌悪感がある。
今夜、入浴前に測った体重はベスト許容範囲内ではあったけれど
最近少しスリムだっただけに急にここに来てぶくぶくと増えているから
危機感があった。なのに何か口に入れたい自分に苛立っていた。

そのイライラすら食欲に変換するのだからやはりバグっているのだ。

夫の返しに罪はないしむしろわたしの暴食を抑えた点で評価に値する。

だけど少し寂しいなと思った。溝がまた見えたから。
女性特有なのかな、暴飲暴食してもまったく太らない夫には
わからない感覚なのだろうな。ガリガリなんて心配にしかならない
って言うし。それはそうだけどわたしはガリガリには程遠いし
そこまで目指してないんだけど。
ただ、自分がお気に入りの自分の状態で居たいだけなんだけど。

夫はいつもだいたい、正しい。
それがわたしは時々、非道くかなしい。

倍にして返すくらいの文章を書くよ!!!!!