インドネシアに鉄道目的で旅行した話 その3(ジャカルタMRT,LRT編)
本記事では2023/9/3~2023/9/10にインドネシアに渡航した際の旅程をなるべく詳細に記していこうと思います。(約1年ぶりの更新ですが…)
前編はこちらです。↓
イスティクラルモスクとカテドラルを見学
インドネシアは多民族国家ですが、その多様性の象徴なのか、ジャカルタ中心部にはイスティクラルという巨大なモスクと、カテドラルという巨大なカトリック聖堂が隣り合って建てられています。
ジャカルタ観光の定番観光地ですので、見学してみることにしました。
イスティクラルはボゴール線のジュアンダ駅の近く、モナスの北東側にあります。
敷地は塀で仕切られており、入り口の門の前では、中に入るために必要な靴袋を売るおばちゃんが押し売りをしてきます。結局必要だしそこまで高くはないので、まあ買ってしまっても良いでしょう。(買いました)
建物の入り口は外国人用と現地人用があるので区別が必要です。最初は現地人用のところから入ろうとして怒られましたが、指をさして外国人用の場所を教えてくれるのでそれに従いましょう。
建物に入ると、まず事務所みたいなところで名前と(確か)国籍と宗教を聞かれます。宗教は「日本人だから無宗教でいいか?」と聞かれましたが、一応仏教にしておきました。
内部の見学は無料ですがツアー制で、何人か集まってからガイドとともに移動します。私のグループはフランス人の男女4人組と、インドネシア国内のスラバヤから来たムスリムの女性2人組でした。
英語で説明を聞きながら、30分程度内部を見学しました。
その後、向かいにあるカトリック聖堂、カテドラルに行きました。
こちらの見学も無料で、こちらはガイドなしで自由に見学できます。
内部はヨーロッパにあるカトリック教会と同じような感じです。東南アジアでヨーロッパ気分を感じられます。
日本の技術で作られたMRTで日本人街へ
ジャカルタ初の地下鉄(MRT)は、2019年にLebak Bulus–Bundaran HI間で開業しました。車両は日本製のものが使われており、駅の雰囲気も日本風だと聞いていたので、インドネシア渡航時にはぜひ乗りに行きたいと画策して
いました。
というわけで、始発駅のBundaran HI駅にやってきました。確かに日本の地下鉄にありそうな入り口ですね
中の券売機でICカードを購入し、荷物検査を経てから改札を通ります。
ICカードは日本の交通系ICカードと同じFelicaが採用されており、改札の読み取り速度が日本並み(かちょっと遅いくらい)に早くて快適でした。
今回は、起点のBundaran HIから、途中の日本人街があるBlok Mを目指します。
ちなみに発車標には終点の駅名が正式名称の「Lebak Bulus」ではなく、「Lebak Bulus Grab」と表記されていますが、これはインドネシアの配車サービスの大手Grab社が駅のネーミングライツを買っているからだそうです。
車内はやはり日本製ということが随所に感じられましたが、座席の材質やドアのデザインなど微妙にアレンジされているところがあって面白かったです。自動放送はインドネシア語と英語で完備されていました。
途中で地下区間は終わり、地上に出ました。郊外はずっと高架線を走るそうです。
その後しばらくしてBlok M駅に到着。2面4線の大きな駅です。
いつのまにかすっかり日が暮れていました。
夜7時くらいになったので、Blok M駅直結のショッピングセンターで夕食が食べられる店を探しました。丸亀製麺もありましたが、ジャカルタまで来て食べるのは気が引けたので、ローカルっぽいインドネシア料理店に入りました。
頼んだのはライスとテンペ(インドネシアの郷土料理。豆をブロック状にして、発酵させたもの)とアイスティーでした。一見美味しそうですが、テンペの付け合わせの茶色いペーストがとても食べられないくらい辛く、地獄を見ました。アイスティーで流し込んで誤魔化しましたが、結局食べきれず、さらに追加で甘いミルクティーを頼んで口直しをしました。
その後、建物の外に出て、Blok Mの周辺を散策しました。
日本料理店が多く、日本人(駐在員?)の姿もちらほらと見られました。
一通り散策した後、宿はジャカルタ中心部にあったので、Blok Mから反対向きのMRTに乗って、帰路につきました。
開業したばかりのLRTと、開業直前の高速鉄道
翌日、今度は2023年8月に開業したばかりのジャボタベックLRTに乗りに行きました。
LRTとは一般的な都市鉄道と路面電車の中間的な性質を持つ交通機関のことで(日本で言うゆりかもめのような新交通システムに近い)、実際このジャボタベックLRTも車体が小さめの高架鉄道という形式をとっています。
この当時はちょうど宇都宮市でもLRTが開業した時期で、開業日もほぼ同じ日という偶然の一致があったのですが、こちらの宇都宮LRTは完全にトラムであり、つまり原義のLRTとは異なるのです。
起点のDukuh Atasの窓口でICカード(先ほどの写真参照)を購入し、ホームに向かいます。開業したてと言うこともあり、インドネシア人の利用客も物珍しそうにカメラを回したり、記念撮影をしていたりしました。
ジャボタベックLRTの運営は在来線と同じインドネシア国鉄(KAI)で、やってきた車両もどこか205系や営団6000系に施されていたデザインに通じるものを感じます。LRTの車両はMRTとは違って、インドネシア国産だそうです。
路線は途中で分岐し、2方向に分かれるのですが、とりあえずひたすら東に伸びるBekasi線の列車が来たのでそれに乗りました。
実はこのLRT、ジャカルタ〜バンドン間で開業した高速鉄道の起点、Halim駅とジャカルタ市中心部を連絡するという役割も担っています。そのため本来は高速鉄道はLRTとほぼ同時、2023年8月に暫定開業の予定で、それに合わせてインドネシアに渡航していたのですが、結局開業は延期して10月になりました。
そのため私は結局高速鉄道には乗れず、建設中の駅舎をLRTの車内から指を咥えて眺めているだけになってしまいました。(それはそれで貴重だったのかもしれない)
せめてHalim駅で途中下車して高速鉄道の駅を近くから見ようと思ったのですが、なんとLRTのHalim駅も高速鉄道開業前までは営業しないらしく、(ダイヤの都合か)駅に運転停車はするのですがテープやホームドアで塞がれてホームには出られなくなっていました。
そのままLRTに乗り続け、結局終点のJati Mulya駅まで来ました。Jati Mulyaはジャカルタの東側、Bekasi市の真南に位置します。
このまま折り返してDukuh Atasまで戻ろうかと考えましたが、開業したばかりでオペレーションが安定してないのか、発車標に表示されている列車案内の本数が異常に少ない上に、時間がコロコロ変わるので、とりあえず駅の外に出て散策してみることにしました。
Jati MulyaはLRTで町おこしをしたいのか、LRTに関する看板やモニュメントが散見されました。ここは宇都宮に通じるところがありますね。
Jati Mulya駅はチカラン線のBekasi Timur駅と近いので、Grabでバイタクを呼んでそちらに向かうことにしました(続く)