小さなカウンセラーの誕生

こんにちは、こんばんは。

わたしが東京にきてしばらくして、

わたしは学校に行けなくなった。

お腹が痛い、頭が痛い、気持ち悪い、

行きたくなかった?行けなかった?

どっちも本当で、あんなに苦手な祖母なのに、

時折午前中はゲートボールなどの老人会の活動で、

留守にすることが多かったので、

家で、気兼ねをせずに一人になれる時間があった。

家にいた方が休まるというわたしなりの判断だったんだろう。

学校に行けないことを心配されたのも、

最初の一週間程で、母からも祖母からも、

朝には必ず怒られる。

「父親が亡くなったことで、

大人が甘やかしたから言うことを聞かなくなったんだ」

と祖母や叔母はよく言っていたっけ。

夜、三人で夕食を囲む時はごく普通の家族、

でも、夕食が終わり、母と三人になれば、

母の職場での愚痴、祖母に対しての愚痴で、

母の話はとまらない。

わたしは祖母が苦手だったけれど、

それでも、みんなに嫌われていた祖母の悪口を、

わたしの好きな母が言っている、と言う状況がいやだったので、

そういった時は母をたしなめた。

母の愚痴を聞くのは決して楽しい時間ではなかったけれど、

大好きな母が、

朝、学校に行かないわたしを怒っているのとは違った表情で、

わたしに真剣に話をしてくれていることさえ、

コミュニケーションの時間が少なかったので、

嬉しかったのだ。

母を守るのは、

わたししかいないと思った。

たとえ、わたしの話は聞いてくれなくとも。



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