わたしが生まれて 1
こんにちは、こんばんは。
わたしが誕生して、三人家族になった我が家は、
関東の他県に引越をした。
母は社交的な性格ではないので、
たとえ、対して仲の良くない実家からでさえ離れたことはショックだったらしく、
新しい土地では、ママ友との付き合い方も悩んでいたようだ。
カトリックの教会へ時々通い、
わたしも連れて行かれることがあった。
きっと、その頃の心の支えだったのだろう。
父は怒りんぼで、自分が見たいテレビがあるときに、
わたしも見たいテレビがある!と言おうものなら、
怒鳴られ、けなされ、
泣きながら外に放り出されたりした。
母は迎えに来てくれたが、
決して、父に言い返したりして守ってはくれなかった。
父の機嫌を損ねないことが、
一家で一番重要視されていたことのように思う。
それでも、父にも機嫌の良い時はあって、
それは唯一の休日、日曜日にいくギャンブル。
パチンコ、競艇、競輪、競馬、
ありとあらゆる場所へ、わたしは父に連れて行かれた。
母が内職をしながらずっと基本的にはわたしの世話をしていたので、
「母子家庭みたいだね!」といやみを言ったら、
日曜日は父がわたしを道楽に連れ回す日となったらしい。
ギャンブル場で誘拐されかけたこともあったし、
幼稚園の頃には、「質屋」とその仕組みを知っていた。
そして、お年玉をもらった幼稚園生のわたしに、
利子をつけた借金を申し込んでくるような父だったので、
誰に言われずとも、「うちはお金がないんだな」と理解していた。