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一人の時間の愛し方②

前作はこちら。

 
あれから2ヶ月が経ったが、特に生活は変わっていない。もうすぐ後期の授業が始まるのでちょっと忙しくなる。と言っても単位変換の都合で後期も9コマしかないのであまり変わらないけど。と言うか、こんなゆるゆるでももう必要単位の8割は今年で取れるのであと残り2年間もそんなに辛くならないだろう。余裕があるのはいろんな勉強に手が出しやすくてありがたい。
来年は就活というエグいイベントがあるけれども。


 
Twitterでは #大学にいきたい がトレンドに上がっていたけれど、正直そんなに共感できない。そりゃ私も大学行ってみたいけど、この状況であの手段で声を上げることに意味を感じられなかった。対面になってもワクチンがない以上、気をつけないことはまだまだ多いし、会えても結局元の生活に戻るにはまだまだ時間がかかると思うんだけど。
声を上げることは必要だけれど、大多数の大学がリスクを考えてオンラインを取るのは普通だと思う。(学費の問題は別として。)

「なんで大学だけ…!」って言うけど中学高校と比べればキャパが全然違うし、高校中学みたいにみんな同じこと学ぶわけじゃないんだから教授の代えが利かないパターンも大いにあるんじゃないの?


 
一人の時間がこれほど続くなんて思ってもいなかったけれど、この期間で人間慣れれば大概のことはどうにかなっちゃう生き物なのだと痛感した。快楽も苦痛も。LINEやZOOM以外で対面で人とちゃんと話したのは半年前…ってことに対する苦痛は麻痺してしまい、もうあんまり感じなくなってきた感じがする。
自覚はないけど、社会性は多少減っているのかもしれない。
 
元々存在しなかった私の社交性は、ほとんど高専時代に培ったものだ。
 
高専時代はずっと挑戦し続けていた。5年連続出場したコンテスト、海外留学、ボランティア、イベントスタッフ、インターン、コラム執筆…部活もかけ持ちで。
周りから「お前頑張りすぎ」って言われていたけど止められなかった。頑張ってるというよりやりたいからやってただけだし、自分が止まることの方が怖かった。
がっつりハマっている趣味も持ち合わせていないので、どうせ休みを増やしても自分は屍になるだけだってわかっていたから。
 
だけど、COVIDー19が膨大な被害を生み出していく中でこれまで通りの活動なんてできるわけがなかった。まず、大学編入してから人間関係はほとんど作れてないし、入学してから大学なんて1回しかいったことない。オンラインでやるサークルは限界があるし、女子1対男子多数の飲み会は誘われても足を運ぼうとも思えなかった。工学系なので男女比の偏りは仕方ないし、編入生だからこそ気を使って誘ってくれるのは嬉しいけど一度もリアルで会った事ないのに飲むのは無理…。何があるかわからないし。その上コロナ禍の影響か近所の変質者情報が毎週回ってくる。通り魔、痴漢、付き纏い、スカートめくり、盗撮、声かけ…実家近辺ではこんなに聞いたことなかった。もし何かあっても知り合いがいないから、夜出歩くことがすごく怖い。
 
その結果、ほとんど家に籠もりっきりにならざるを得なくなって、スマホにかじりついたりドラマや映画を見る時間が増えた。本もたくさん買った。専攻している分野以外の勉強をする時間も増えて知識は増えるものの、アウトプットする機会がほとんどないので消えていくスパンも早い。ひとりごとを時々ぶつぶつと言ってしまう時もある。自分の心と身体のバランスが壊れかける時も。
理由もないのに涙が流れたりすることもあった。なんで泣いてるのかわからないけどなぜか泣いてる、みたいな。
 
どうしようもなくなって、最近はnoteを毎日書くことにした。今日が14日目だ。文章力もろくにないけど、考えたことを記しておきたいし、誰にも会えないからこそ誰かに自分の文章を読んで欲しかったから。形になってないかもしれないけれど、そうでもして人とのつながりを保たないといつか壊れてしまいそうな自分がいる気がして。
 

「大丈夫。」何度自分に言い聞かせただろうか。呪文のように唱えている時がある。不安と思っていない自分がこの言葉を発している時点で本当はどこか不安に満ちてるんだろう。この状況は誰のせいでもないからこそ、責任を押し付けることも出来ない。
 


苦痛に耐えてるように見えて、また元の生活に戻りかけた頃には今を懐かしむ時が来るのだろう。一人の時間が欲しくなる時間が。今は、そうなる前の前夜祭のものなのかもしれない。だから、自分がやりたいこと、知りたいこと、理想、考えていることを知る。つまり、自分自身を知ることこそが私を愛する方法なんだと思っている。本当の自分自身を理解してあげることが、未来につながると信じて。




ただ、ときに孤独と戦い、ときに孤独を楽しむこの時間が、

早く終わることを心の底から願っている。

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